Noriのどーでもいい話。




本当にどーでもいいんですけど、幽霊とかオバケとか、信じますか?
夜1人で職場に居ると何か物音を聞いたりしますか?
それって、クマじゃないんですか?
幽霊よりもヒグマの方が怖いですか?
幽霊の方が怖いと思う人、とりあえず登別クマ牧場に行って来てください。




まさに十人十色、人には「えっこんなの苦手なの?」という意外な弱点がございます。
Noriは人形が苦手です。
もう人の形をしているオブジェクト全般がダメです。
リアル系はもちろんのこと、ファンシー系も無理です。
東京のアニマルボートカスタムサイクルズ代表、武笠社長の自宅にはヴィンテージの人形やフィギュアなんかが沢山飾ってありましたが、これはもう正気の沙汰ではありません。
あれはNoriが3歳くらいの頃の出来事でした…。



折り込みの広告の裏に絵を描くのが大好きな子供、Noriちゃん3歳。
その日もNoriちゃんは一心不乱に絵を描いていた。

静かな部屋でお絵かきを堪能していると、ふと背後に人の気配を感じる。
母親は風呂に入っており、部屋には自分以外誰も居ないはずだった。
振り返ると、身長60cmくらいの、キューピー人形が立っている。
ソフトビニール製の、その大きなキューピー人形が何処から来たのかは定かではないのだが、それは確かに我が家に存在しており、今まさに自分の背後に仁王立ちしていた。

恐怖を感じた時の幼児の反応として、「話しかける」というのはかなりのメーター振り切れ具合だと思うのであるが、Noriちゃんはそこに居るはずのなかったキューピーに向かって話しかけたのである。

「どうして居るの?」との問いかけに人形が答えるはずもなく、ただ、キューピー人形は立っていた。
とてもシンプルな恐怖感を紛らわす為に、またお絵描きを始める。

「ねえ」

背後から聞こえた声に体を強張らせながらも振り向いた。

「あそぼうよ」



ににににに人形喋っとる!!

キューピー人形を突き飛ばし、風呂場にダッシュ、「おかあさん!!キューピーが喋る!!」と号泣した。
幼少期の事であるのにとても鮮明に記憶している、あの恐怖の出来事よ。

そこからNoriちゃんの人形嫌いは覚醒し、当時オープンしたての東京ディズニーランド、スモールワールドでNori号泣という事件に繋がるのである。

昭和58年4月にオープンした東京ディズニーランド、Noriちゃんはもう6歳になるのであるが、「人形が動いてはいけない」と訴えながらまさかの号泣。
ちょっと浮いた存在だったのだと思う。


今ではNoriちゃんももう立派なオジサン。
この事件のことをお袋に話すと、「そういえばそんな事があった」と記憶しているようだ。
しかしその後のキューピー人形の行方が分からない。
そもそも買ったのか、誰かに貰ったのか、捨てたのか、あげちゃったのか、アレはあの後何処に行ったのか。
その辺の事を誰も知らない。

Noriちゃんがあまりにも怖がるので、お袋が押し入れに詰めたような気もするのだが。
何にせよ思い出したらもう怖いから実家に帰りたくない。








「ずっと、まってるよ」



写真貼らなきゃ良かった!!
怖くて吐きそう!!
怖ッ!!怖〜ッ!!