こんにちは!
YAHOOニュースでも連日のように報道されている
兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑
頭が良くて総務省の元エリート官僚とは言っても
次々に明らかにされる薄っぺらい人間性には呆れるしか
ないですなぁ
(一連のパワハラ疑惑に加えて県職員へのアンケートからは
視察先でのお土産おねだりや準備されていた茶菓子もすべて持ち帰ったり
気に入らないと職員や県民に対しても「舌打ち」をしていたらしい)
内部告発者で亡くなられた県民局長が兵庫県を退職される
直前に書かれたブログを見つけました
立派なお考えの持ち主です
自ら60年の人生を終えられたことは本人がどれだけ
絶望されていたのか察するに余りあります
長文ではありますが会社経営者や組織の上に立つ人に
も理解し易い文章です
(共感部分を赤字にしています)←私が勤務していた会社にも同じことを指摘したいです
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「局長メッセージ」兵庫県西播磨県民局長 渡瀬康英
○選ばれる職場、働き続ける職場
春が近づいてくると、就職に関する話題が多くなってきますね。「就職人気ランキング」というデータを数多く見かけます。調査方法が異なるからでしょうか、結果は様々で、何が正解なのかいまいちピンとこない気もします。その中で地方公務員や国家公務員が上位を占めているランキングもあります。ソニーや味の素と同列で地方公務員が一括りにされて比較される意味があるのかやや疑問ですが、公務員は景気不景気に関わらず一定の人気はあるようです。一方で、具体の採用となると定員割れがおきている、という報道もありました。これって、どういうことなのか。総じて希望者は多いが職種によっては違うのか、応募者は多いが、採用したい人は集まってこないのか。誰でもいいからと定員まで採用すれば、数は確保できるかも知れませんが、それでは将来に大きな借りを作ります。一旦採用すれば約40年雇用していかなければなりません。生涯賃金を考えれば、その職員1人を採用するということは「大きな買い物」といえます。ところが、近年、転職のための若い世代の途中退職が増えていると聞きます。地方公共団体間で行き来する例もあるようです。実家へ戻らなくてはならなくなったので故郷へとか、単身赴任が難しく遠方への転勤が無理なので市町へと理由は様々で、一概に悪い話ばかりではないのでなんとも言いようがないですが、一生懸命育てた職員に出ていかれる側の団体にとっては痛手であることは間違いありませんね。特に小さな市町ですとリカバリーが大変だそうです。
就職先を選ぶにあたっての条件って、どのようなことなのでしょうか。やりがい、将来性、労働条件、雰囲気などなど。そして、現に選ばれている企業・団体の実態はどうなのでしょうね。実際に働いてみて、どうだったのでしょうね。
地方公務員を希望する人がどの団体を選ぶのか、この理由はなかなか面白いです。実際に自分が採用面接をしていた時の経験では、「公務員になりたいのは分かりましたが、では何故、兵庫県なのですか」と尋ねます。答えは色々と返ってきますが、模範解答のオンパレード。で、突っ込んでいくと、案の定、結局はあやふやな答えに。まあ、それでいいんですけど。だいたい、自分からして30数年前に兵庫県を受験した理由は、兵庫県って、安定していてそれなりに大きいし、市町は地元密着過ぎるし、なんとなく自分に合っているのとちがうかな、てな調子でしたから。
でも、結果的に今まで辞めずにこられたということは最初のインスピレーションが間違ってなかったということかも知れません。ありがたいことです。
これからの兵庫県は、志ある次世代の若者達に選ばれ続けることが出来るでしょうか。職員達が働いていたいと思う組織であり続けられるでしょうか。いわゆるビジネス書系では、山口周さんの書籍をわりと読んでいます。著書「劣化するオッサン社会の処方箋」という本の中には、“組織は必然的に劣化する”という仮説を人間行動学、組織論、歴史的事実などから論理的に説明しようとされています。組織の劣化はひとえに権力者の取り巻きの劣化が原因である。自分より優秀な者を讒言により権力者から遠ざけ、真実に蓋をし、判断を誤らせる。その組織はどんどんと腐敗し落ちぶれていく。そんな論調です。歪な人事は組織を蝕んでいきます。そして、一握りの者たちが自らの栄達と保身に明け暮れ、気がつけば、権力者の周囲には二流、三流のイエスマンが主流を占めている状況に。権力者は好き嫌いで人を評価します。既に一部の者だけが居心地よい組織になってしまっていたとしたら末期ガンと同じです。余命はあと何年でしょうか。そして、そのような組織の腐敗・内部崩壊も外部にはなかなか伝わりにくく、不祥事、事件の発生といった出来事でようやく世間の知るところとなるのです。いや、これ、兵庫県のことを言ってるのと違いますよ、念のため(笑)
○おわりに
このメッセージ欄は一般県民の皆さんの読者もいらっしゃるようですが、一方で、県職員の中にも何人かの愛読者がいるようです。自分は間もなく、県を退職します(予定)が、これから県を支えていく後輩の皆さんに最後に伝えておきたいことを書いておきます。
我々は公務員です。仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のために、自分の栄達のために、仕事をしてはいけない、仕事を利用してはいけない、県民を利用してはいけない。そして、自分の損得勘定で行動してはいけない、人を選別してはいけない。昇任、出世は結果であって、それを目的にしてはいけない。
仕事は楽しく。そのためには一生懸命、しんどいことも沢山あります。楽しい=楽(らく)では決してないです。でも、乗り越えた先にはきっと何かが待っているはず。
これからいろいろな人生経験をすると思います。病気などで働きたくても働けないという経験もするかも知れません。でも「公務員として働きたい」という気持ちは持ち続けてほしい。初心を忘れないで欲しいです。「働きたい」ということと「お金がほしい」ということは同じようで違います。生業としての公務員の側面を否定はしませんが、「給料が貰えるなら、仕事は二の次、三の次」という気持ちにすり替っては自分自身も周りの人達も悲しすぎます。
同僚や上司、部下はもちろん、関わりを持った人達から「あなたと一緒に仕事が出来てよかった」、「また一緒に仕事をしましょう」と言ってもらえる職員であって欲しいです。自分自身の県庁人生は胸を張って威張れるものでは全然無くって、逆に思い返せば情けない恥ずかしいことの連続だったですが、後輩の皆さんには是非兵庫県を支えていって欲しい、そうお願いします。
最後に。人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、ひとりの人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです。そして、筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。「いつかきっと」と心に念じながら。
素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。
長らくのご愛読ありがとうございました。お世話になりました。おわり。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○上に立つものの矜持(出来ているという訳ではないですよ、もちろん)
手柄は譲り、責任は取る
仕事に厳しく、人に優しく
好き嫌いで人を選別するな
人を育てる視点を失うな
信用しない人は信用されない
任せたら、待つ
過去の自分と部下を比較するな
来る者拒まず、去る者追わず(頼られたら応え、軽視されても怒るな)
考え過ぎない(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
県民局のトップページ
web.pref.hyogo.lg.jp