人間の脳内にはオピオイド受容体というものがあります。オピオイド受容体とはモルヒネ様物質(オピオイド)の作用発現に関与する細胞表面の蛋白質です。疼痛を抑制するほか、陶酔感・幸福感を感じる精神作用もあります。例えばケシの花を原料とするアヘンから作られるモルヒネがその受容体に触れると神経が興奮し陶酔感・幸福感を感じる、等です。またランナーズハイも、オピオイド受容体が関係します。走り始めは苦しいが、ある時点でふっと楽になるセカンドウインドがそれです。これはβエンドルフィンという脳内伝達物質の一種がオピオイド受容体に触れるため感じるものです。チョコレートの成分の一種もこのオピオイド受容体に触れ、チョコを食べると幸せ、という感覚を引き起こします。デンマークでは薬物中毒から立ち治った方々が、今度はチョコレート依存症になり易いという報告もあります。
アルコール依存症やニコチン中毒は成り立ちが異なるので、また別の話です。