WR125 ボアアップエンジンの必需品!? | らな

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久しぶりの更新になってしまいましたが。。。

ナニが必需品かって??
真偽のほどは定かではありませんが、私的には必需品だと思っています。

フライホイールを抜く時に使う『治具』です。

実はファンティックの4スト125モデルは、大半の車両が200にボアアップされています。
そして、もちろん当初から200として販売されたTZ200ERも多数存在します。

それら車両のメンテを行ってきて、どうもボアアップエンジンは「フライホイールが抜けない!!」というトラブルに見舞われることが多いと思いました。

ワンウェイクラッチの固定用ボルトが折れるほどのケッチンを喰らうので、ガキン!と来た時に締め付ける方向に力が加わるのかなぁ。。と想像してみたりします。
だって、ワンウェイを交換するような車両で、この「抜けない!」という問題が多発しているからです。


そんなこんなで、サービスマニュアルを見ます。

純正指定のフライホイールプラーを使って、抜くことになっています。

こんな風に使うそうです。

しか~し!!
そんなに簡単には抜けないことが多いのです。

注意書きもあります。

クランク軸の先端を傷めないように、プラーのセンターボルトに適当なソケット等を当てがうように書かれています。


実際には、こんな風にクランクシャフトが出ています。
「適当なソケット」って、どんなの???

実際、ソケットはソケットレンチに取付けるための1/2や3/8の四角い穴が開いています。
そこにプラーのセンターボルトを押し当てることになるので、ちょっとしたことでソケットがズレてしまいがちです。。
また、当てがうソケットがクランクシャフトのどの部分に当たっているのが正しいのか、明確な記載はありません。


もう5~6年前になりますが、トムスさんに相談したとき、素晴らしい回答をいただきました!


こんな治具を作って、


こうするんだ。

シャフトのネジを切っている部分に負担を掛け無いように、もっと奥の方の段がついた肩の部分を押すような治具を作って下さいました。
プラーのセンターボルトの先端にあるズレ防止のポッチを受ける凹みもついています。

カンペキ!!


これで、思う存分、プラーのセンターボルトを締め込んで、引き抜けます(笑)


実際、このような治具を使わずにフライホイールを抜こうとして、四苦八苦して、シャフトのネジを壊してしまったショップも有りますし、途中でギブアップして相談して来られたショップも何軒か有ります。もちろん、個人のお客様も。

そんな時は、この治具を貸し出しさせて頂いて、どうにかフライホイールを抜いて頂くことができました。

(シャフトのネジを壊してしまったエンジンは、引き取ってから当方で抜きましたけど。。)


そんなこんなで、この治具も20回ほどは使われたと思うのですが、プラーのセンターボルトが当たる部分が削れたり、押し潰される力で「胴膨れ」を起こしたりしてきて、新調する必要が出てきました。


そして、この度、完成したのがコレです。

1個だけ作ろうとすると、3千円ほどしてしまうので、10個にしました。
また、無垢のステンレスだと、今回のように強烈な力には耐えられませんので、S45Cに焼入れして黒色メッキで仕上げています。単なる治具というよりも、工具の一部みたいですね。

10個もあるので(笑)、とりあえず、1,500円(税別)で販売もします。

ご自分で作業される方にはオススメです。

また、「あ~、自分で持っていたら安心だな。ショップで修理してもらうにしても、『コレ使って!』って言えば済むし。」というパターンも有りますね。

近いうちに当店ウェブショップにアップしますので、是非どうぞー!