技術は進むものでございます。

 

このたびの日本帰省、

私は英国の空港でも

日本の空港でも

手荷物検査の際に

「電子機器をお持ちの方は

カバンから機器を出して

トレイに載せてください」と

言われることが

ありませんでした。

 

これは楽だなあ、と

検査を終えた手荷物を

受け取ろうと待っていたら

私のカバン(小)が

するすると

『要・再検査』レーンに

流れていき。

 

係のお姉さんに呼ばれ

「こちらのカバン、

中を改めさせて

いただけますか」

 

「ええ、もちろん」

 

ただ私には自分のカバンが

再検査を求められた原因に

まったく心当たりがなく。

 

金属とか液体とか

特に入れていないし・・・

 

PCなんかはもう一つの

カバン(大)のほうだし・・・

 

 

係の方はカバンの

ジッパーを開けると

工具のような平べったい

器具をカバンの中に入れ、

で、引っ張り出したのが

私が機内で

読もうと思っていた文庫本。

 

 

 

 

「こちら検査させて

いただけますか」

 

「どうぞどうぞ」

 

係の方は平たい器具で

文庫本の表紙を

撫でるようにしてから

ページをパラパラとめくり

やはり器具で撫で、

奥に置いてあった機械に

その器具と文庫本を

持って行き何やらして

「問題ございません、

ご協力ありがとうございました」

 

「いえいえ、問題が

なくてよかったです

・・・ひとつだけ

質問していいですか?

何故『本』が検査に

引っ掛かったのでしょうか?」

 

「えー・・・スキャンで

これが・・・その・・・

札束である可能性

検知されまして・・・」

 

ああ成程!

 

そういえば国を越えて

持ち出し・持ち込みできる

現金の上限額ってありましたね!

 

他人事なんで値段は

覚えていませんけど!

 

その時私が持っていた

文庫本はかなり厚みが

あり(500ページ超)、

カバンを受け取りながら

私はついいつもの軽口

「こんな分厚い札束を

持ち歩く、なんて

そんなこと一度でいいから

してみたいものです」

 

「そのお気持ちはわかります」

 

「それだけの現金を

隠し持てる身分なら

手荷物検査で捕まっても

私は全然気にしないですよ」

 

「いえ、それは

こちらは気にします、

我々の業務をこれ以上

増やさないでください

 

「すみません」

 

そんなわけで最近の

手荷物検査機は優秀ですよ!

 

国外に怪しい物品を

持ち出す予定の底のアナタ、

検査上の係の皆様の

お手を煩わす前に

心を入れ替えるが得策です。

 

 

空港保安要員、

大変なお仕事だと思います

 

お帰りの前に1クリックを


ヨーロッパランキング