そんなわけでここにきて

我が家の盲導犬

候補生アーシー(仮名)に

『将来的に盲導犬として

不適正の判断を下される』

可能性が出てきたのでございます。

 

さて、訓練学校卒業後に

無事に盲導犬となった犬は

その後盲導犬を必要とする

オーナーのところで生活を開始し、

で、ある程度の年齢に達したら

『引退』を協会に勧告されるもの。

 

で、その引退した盲導犬を

ペットとして引き取る権利は

第一にそのオーナーさんが持ち、

第二にその犬の

元・パピーウォーカーが持つ。

 

しかし訓練学校在籍中に

『資質に難アリ』みたいな理由で

『盲導犬として不適』と

判断された犬はその後

盲導犬にはならないものの

セラピードッグとして訓練されたり

愛玩犬として

どこかの家に引き取られる。

 

この時大事なのは

そうした理由で盲導犬として

不適となった犬に対し

元・パピーウォーカーが

引取りを希望する

権利はない、ということで、

まあ、ほら、これは・・・

 

そうしておかないと

子犬の可愛さに目がくらんで

心に闇が生じてつい

『悪い躾』を犬に施して

わざと『不適』判定を狙うような

パピーウォーカーが

出ないとも限りませんし・・・

 

(子犬の魅力を

甘く見てはいけない)

 

しかし最終判断が『不適』でも

その理由が健康上の問題、

たとえば片耳の聴力が弱い、とか

後ろ脚の骨が細すぎる、とか

そういう理由であった場合は

パピーウォーカーに

引取りを希望するかしないかの

打診がある様子でございまして。

 

いえ、周囲に何人か

そういう事情で

元・盲導犬候補生を

ペットとして飼っている

パピーウォーカーさんが

いるんでございますよ。

 

で、この場合の疑問なんですけど

『触覚が過敏過ぎる』は、これ、

躾上の問題なんでしょうか

それとも健康上の問題なんでしょうか。

 

で、で、そこが引っ掛かって

アーシーが『盲導犬として不適』と

判断された場合、

私に引取り権はあるんでしょうか。

 

ここ、大事なところでしょ?

 

試験でいうところのヤマでしょ?

 

・・・しかし私はその時に

担当の訓練士さんにそこを

質問することが出来なかった!

 

だってあまりにも

欲望丸出しというか

下心もろ出しというか・・・

 

「こいつ、まさか引取りを狙って

アーシーの過敏性を

さらに過敏にさせるような真似を

するんじゃないか」なんて

疑念をかけられてしまっては

たまったものじゃないわけですから!

 

というわけでその場は

涼しい顔で話を流し

家に帰るなりわが夫(英国人)に

「これこれこんなわけで

アーシーには触覚過敏の

可能性があるらしいぞ。

盲導犬として不適となる

可能性さえあるらしい!」

 

夫は一瞬

何事かを考える顔をしてから

「・・・その場合、我々は

アーシーを引き取る

権利があるんですかね・・・?」

 

おお、さすが夫婦、

思考の流れが同じでござる。

 

「そこだよ、大事なのは。

この場合私の躾に問題が

あったわけではないんだから

引取り権も貰えそうなものだよな?」

 

「君、その大事なところを

訓練士さんに尋ねなかったんですか」

 

「うーむ、ちょっとな・・・」

 

「・・・いや、わかります、

そこで訊ねないのは

正しい戦略です。

そういうことを質問しちゃうと

まるで我々がアーシーの

選考漏れを願っているかのように

聞こえちゃいますものね。

それはパピーウォーカーとして

よろしくない態度ですものね」

 

「それだよ。

わかってくれてありがとう」

 

「でもどうなんでしょうね?」

 

「どうなんだろうな。というか待てよ、

君、アーシーが将来もしも、

あくまで『もしも』だよ、盲導犬として

『不適』ってことになって、で、

協会側から我が家に

引取り希望のありなしを

確認する電話がかかって来たら

君は何て答えたいんだ、この子を

うちの子として引き取りたいのか?」

 

「君はどうなんですか?」

 

「そりゃ我々はアーシーのことは

大好きだけど、こういうのは

ちゃんと考えて答えを

出さなくちゃいけないからな、

短慮で安請け合いするのはご法度だ。

というわけで真剣に考えてみよう、

大型犬で頭が良くて、でも

盲導犬にはなれなかった

問題を抱えた犬、触覚過敏で

ハーネスの装着を

受け入れられなかった犬・・・あれ?

これ、何の問題があるんだ?

家庭犬としては支障ゼロじゃないか?

だって家庭犬はハーネスの

装着なんて必要ないんだし。

私も君も犬に服を着せる趣味はないし」

 

「そこですよ。問題ゼロですよ」

 

「興奮しやすい・・・というのは問題かな」

 

「でも犬は年を取るとそこらへんは

落ち着いてくるものですからね」

 

「引っ張り癖も残るかもしれないぞ」

 

「でもあれが問題となるのは

街で歩道を歩いた時が主でしょう?」

 

「そうだ、そうだよな、盲導犬として

育成する必要がないなら

街に歩きに連れ出す必要が

そもそもなくなるんだよ、

我が家の周りの森を

跳ね回らせればいいんだよ、

なんてこった、

本当に問題なしじゃないか!」

 

「困りましたね、本当の本当に

問題を探そうとしても

見当たりませんよ!」

 

「あ、でも君はまだ私の

最初の質問に答えていないぞ、

夫よ、もしそうなったら君は

この子を我が家に引き取りたいのか」

 

「当たり前でしょ!引き取らない

理由がどこにあるんです!」

 

そんなわけで現在の

私と夫は取らぬアーシーの

なんとか算用に忙しいのであります。

 

 

 

 

まあでもこういうのは

あまり期待しては

いけないことなので・・・

 

ゲン担ぎの意味も込めて

アーシーはきっと盲導犬として

立派にやっていくだろう、と

心から信じていきたい私なのです。

 

でも犬に無理を

させちゃいけませんからね!

 

ね!

 

 

 

うん、ね!

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