盲導犬候補生アーシー(仮名)と

月に一度の

個人訓練に行ってきました。

 

大型スーパーを利用しての

歩行訓練において

アーシーは相変わらずの

『本番での強さ』を見せ

・・・この子、普段はここまで

『出来て』いないんです!本当に!

 

まあでも訓練士さんの前で

『出来ない』よりは『出来る』ほうが

ましというか何と言うか・・・

その後はスーパーに

併設されたカフェで

お茶を飲みながらの懇談。

 

「とにかく今は

二度目の発情期待ちですね」

 

「わかりました。出血があったら

すぐに連絡するようにします」

 

「お願いします。発情期間中は

フォルファの訓練施設

アーシーを預からせてもらいます。

そこで発情期が終わったことを

確認してから避妊手術となります」

 

「避妊手術もフォルファで、ですか?」

 

「いえ。一度Norizoさんの手元に

アーシーをお返しするので、

地元で通っている獣医さんに

手術はお願いしてください」

 

・・・よかった・・・

 

いや、なんかあの獣医さん

アーシーの手術を心待ちに、もとい、

楽しみに、いや違うな、ともかく

あの先生から執刀の機会を奪うのは

なんか悪い気がしていてですね。

 

「あの、念のためにうかがいますけど

今回の発情期間はフォルファで、

というのは、前回の発情期間に

私が何か下手なことを犬にしたから

その二の轍を踏まないように、という

わけではないんですよね?」

 

「違います違います。発情期の

『終了』をこちらでも責任を持って

確認したいと思ってのことです」

 

「フォルファで

発情期の3週間を過ごして、

で、我が家に戻って来て手術で、

その後は少し大事を取って休んで、

獣医さんの許可が出たら訓練再開。

そして多分その後すぐにアーシーは

訓練学校に入る感じですよね」

 

こんな感じで我々はしばらく

アーシーの今後の予定について

語り合っていたのですが

そこで訓練士さんが

居住まいを正して

「アーシーが訓練学校に入った後、

Norizoさんはどうしたいですか。

もう一度パピーウォーカーを

やってみたい気持ちはありますか」

 

・・・そうですか、もうそんな質問を

投げかけられる時期なんですね!

 

そして私の答えは決まっていました。

 

「個人的にはもう一度

パピーウォーカーをやりたいです。

『自分の犬』を育てたい、という

気持ちは勿論あるんですが、

もう一度盲導犬候補生を

育てる機会を得たならば

アーシーを育てた経験を

そこで活かせる気がするんです」

 

「・・・そうですか!」

 

「はい。アーシーは私の

『初めての犬』だった

せいもあるかと思うんですが、

もっと早くにああしていれば

よかった、こうしていればよかった、

という反省の気持ちが

色々な面で強くあるんです。

アーシーに対し

私は全力を投入しましたが

それが空回っていた

ところもあったというか・・・」

 

たとえば昨今の私が

苦戦しているアーシーの

『引っ張り癖の矯正』ですが、

これ、私がもう少し早くから

対応していれば、結果は

違っていた気もするんですよね。

 

これは極論してしまえば

アーシーと屋外歩行を開始した時に

『犬の歩行速度』の大切さを

私がしっかり

理解していなかったのが

そもそも悪かったのだと思うのです。

 

そこが大事なのは知っていたけど、

それは後から教えればいいことだと

勘違いしていたと申しますか。

 

人間のお子さんの

テーブルマナーと一緒で

『6歳時点でお箸が使える』

という目標を目指す場合に

4歳まで手づかみで

食事をすることを許していた子に

5歳になっていきなり

「今日からお箸を使いなさい」

と言うよりは、その前、

3歳くらいの時から

「手づかみは駄目よ。

(完璧には出来なくとも)

お箸を使ってみようね」と

躾けておいた方が子供側も

戸惑うことが少ない、みたいな。

 

訓練学校に入る前の

盲導犬候補生の姿を

間近に見ることが

出来た今だからこそ

『目指すべき犬の姿』が

私の中でより明瞭になり、

もう一度子犬を

任せてもらえるならば

もっと自信を持って

その役目を果たせる

予感がするんでございます。

 

私の言葉に

訓練士さんは大きく微笑んで

「そう言ってもらえて嬉しいです。

パピーウォーカーを続ける人、

つまり1度だけじゃなく

何度も子犬を

引き受けてくれる人は

そういう考え方を

する人が多いです」

 

「あ、やはりそういうものですか」

 

「そういうものです」

 

「まあでも私が希望しても

そちらが私に2頭目の

子犬を斡旋してくれない

可能性もありますよね。

パピーウォーカーとしての

私の能力に懸念が

あり過ぎる、みたいな理由で」

 

「そんなことはないですよ!」

 

「いや、でもアーシーを見ますと・・・

他の人がこの子を育成していたら

この子はもっと完璧に育ちあがって

いたろうな、と思うんです。

こんな優れた資質を持った子犬に

引っ張り癖をつけてしまったのは

本当に申し訳ないことです」

 

「Norizoさん、あの・・・」

 

「はい」

 

「アーシーの事ですけどね、

正直に私の意見を言いますと、

この子はいわゆる

『育てやすい子』ではありませんよ」

 

「えっ?でもいい子ですよ?」

 

「ええ、いい子です、いい子ですけど、

いわゆる盲導犬協会が

パピーウォーカー初心者に

育成をお願いしたい

『躾が簡単な子』ではありません」

 

・・・えっ?

 

続く。

 

 

個人的には

訓練士さんのこの発言

かなり驚きの

告白だったのですが

・・・世間の犬熟練者の

皆様は当ブログを読んでいて

うすうすそこらへん

察していらしたのかしら

 

いや・・・

 

そうなんですか?

 

犬の育てやすさの基準が

わかるあなたもわからぬあなたも

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