そんなわけで

電子ピアノを買うつもりで

某ピアノ屋に足を向けたら

ピアノ屋の調律技術と

商品配置戦略にまんまと籠絡され

某ヤマハのアコースティック

(アップライト中古)に

心を奪われてしまった私です。

 

しかし待つんだ!

 

中古とはいえアコースティックは

電子ピアノに比べればやはり高い!

 

特に私の胸を撃ち抜いた

このヤマハの中古アップライトは

中古ピアノとしては

かなり強気なお値段設定。

 

あと忘れてはいけないのは

アコースティックは

維持費がかかる、という点

・・・まあこれは私は玄人じゃないので

適当に数年に1度でいいか、

くらいに居直っているんですけど、

つまりアコースティックのピアノは

今後定期的に調律が

必要になる、ということです。

 

そして何より電子ピアノと

アコースティックピアノの

最大の違いはその材質で、

つまりアコースティックピアノは

木で出来た楽器、

故にその品質を保つためには

温度・湿度管理が必要、

そして我が家の

室内湿度環境は

このところかなり過酷

 

室温19度の湿度35パーセントって

それはもう気がつけば

棚板がパッキパキになって

弾け飛ぶ、みたいな世界なのでは・・・

 

しかもこれはストーブが

活動している時の話、

我が家はそもそも湿地帯にあるので

湿度85パーセント超えもある意味日常、

スカスカになった木の内部に

湿気が入り込んで

カビが生えちゃったらどうしよう!

 

「それに私は知っているんだ、

わが背の君の

次の『大規模プロジェクト』は

家中の床の張り替えであることを。

カーペットを引っぺがしたり

その下に穴を掘ったりの際に

アップライトピアノなんて

邪魔になるだけ、

やはりここは電子ピアノか」

 

そう自分に言い聞かせる私の隣で

夫(英国人)はいたって呑気に

「作業のたびにピアノを

動かせばいいじゃないですか」

 

「ピアノはな、重いんだよ」

 

「あ、じゃあピアノ移動専用の

ストレッチャーを買いますか?」

 

「話をこれ以上

無駄に広げないでくれ!」

 

これはもう私の欲望に

引導を渡していただくために

ピアノ屋のご主人と話をするしかない、と

(ピアノ屋に足を向けた日は

店番のバイト嬢が対応してくれた)

私はメモしていた番号に電話をかけ

「あの、先日お店で電子ピアノを

見せてもらった者ですが・・・

その際、そちらの中古アップライトに

つい食指が動いてしまって・・・」

 

「はい、店番をしていた者から

うかがっています、

電子ピアノを買うにせよ

アコースティックを選ぶにせよ

購入を決める前に何か

お尋ねになりたいことがある、と」

 

「そうなんです、あの、私はそもそも

電子ピアノを買うつもりだったんですよ、

それが何ですか、おたくのあの

非常識なまでに見事な調律ぶりは」

 

「お褒めいただきありがとうございます、

調律師は現在本当に腕のいい者を

雇うことが出来ておりまして、ええ」

 

「そのせいもあって私はそちらにある

ヤマハの中古アップライトの音に

心底魅せられてしまったのですが、

あの、私の今住んでいる家には

アップライトを所有するにあたって

ちょっと問題がある気がしましてね。

その、アコースティックの品質を

維持するのに一番大事なのは

室温保持だと思うんですが」

 

「・・・ええ、その通りです」

 

「私が現在住んでいる家は

この冬、ものすごく乾燥しているんです。

湿度20パーセントを切る日も

あったんです。新しいストーブを

使い始めたせいなんですが、

でもこのストーブが来る前は

湿度85パーセントなんて日もあって。

こういう環境にアコースティックの

ピアノを置くのは、

楽器に対する冒涜、虐待ですよね」

 

さあ、言って!

 

そうです、それは許せません、

お客様のような方に

私のピアノ(アコースティック)は

売れません、と言って!

 

そうしたら私は迷いなく

電子ピアノを購入することが

出来るのだから・・・!

 

「確かにその湿度は一部の

アコースティックには過酷ですね」

 

「ですよね!」

 

「お客様がお気に召されたのは

ヤマハ、うちの者のメモによれば

シリーズ名はこちら・・・」

 

「はい、そうです」

 

「お客様、ご安心ください、ヤマハの

こちらのピアノでしたら、その環境で

無事に弾いていただくことができます」

 

「・・・えっ?」

 

「こちらのヤマハのピアノはですね、

従来のピアノの

『湿度に弱い』部分を補強するために

新素材を使っているんです。

つまりそれまで木が使われていた部品に

プラスティック部品などを使用しているんです。

その結果、こちらのピアノは環境の変化に

とても強い楽器となっているのです!」

 

恐るべしヤマハ、

私ったらもはや逃げ場なし・・・!

 

「・・・もう少し考えてみます、その、

ピアノの設置場所とか、あと

正直なところお値段のこととか・・・」

 

「よろしければお時間のある時に

再びご来店いただけませんか?

年末年始というのは割と

品の入れ替えが激しい時期で、

もう少しすればまた違うピアノを

店頭に出せると思いますので。

わたくしと一緒に、お客様の

お好きな音を出すピアノをもう一度

探し直してみてはいかがでしょう、

もちろんこちらのヤマハを

候補リストには

入れたままにしておいて!」

 

こ、この売り込み上手め・・・!

 

というわけで私は現在

ピアノ屋(凄腕)と

ヤマハ(アコースティック)の攻撃を

両翼から受けている気分です。

 

こ、このまま

陥落してしまうのかしら・・・

 

(気持ちとしてはもう

白旗を準備している)

 

もう少し悩みたいと思います。

 

 

なお私の援軍であるべきわが夫は

「もう一度ピアノを探し直すなら

今度は本気でグランドも

候補に入れてみたらどうですか?」

 

世界よ、これがフレンドリー・ファイヤー

(Friendly Fire、味方からの誤射)だ

 

ちなみに夫は件のヤマハピアノに

『プラスチック部品』が使用されていることに

早い段階から気が付いていたらしく

「表示されていた『重量』が

軽めだったので・・・部品が全部

木でてきているようなピアノは

すごく重いんですよ、

引っ越し作業員経験者として語ります」

 

「ふーん。で、君はどう思う、

部品の一部がプラスチックで

出来たピアノについては。

君は『昔ながらの』みたいなものが

割と好きだろう、そういうのは邪道、

みたいには思わないのか」

 

「僕の父のような人間はきっと

プラスチック部品を使ったピアノより

木製部品だけを使ったピアノのほうに

価値を見出すと思いますけど、でも

これはうちの父の場合ですけど、

あの人は古さに価値を見出すあまり

楽器の音に注意を払わないというか・・・

調律がもはや不可能なくらい古いピアノを

『だってこのピアノはプラスチックを

使っていないからな』と愛でる、みたいな・・・

君の今回の場合は部品どうこうより

音が大事な訳でしょう?音の安定性、

ということを考えたらプラスチック部品は

賢い選択と言えるのではないでしょうか」

 

悩みの中に1月が

終わっていくのでございます

 

ピアノは木にこだわりたいあなたも

プラスティックはこういう風に

使うのが正解じゃ、なあなたも

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