保護犬収容施設で出会った

非常に人見知りの激しい

1頭のシベリアン・ハスキー犬。

 

しかしこれだけの臆病さは

逆に我々が犬に求めたいところの

資質なのではないか?と

この犬を引き取れるか尋ねたところ

施設側のお返事は

「残念ながらそれは無理、何故なら

この子はトライアル中だから」

 

そしてこの『トライアル(Trial)』は

『お試し』みたいな意味ではなく

『裁判』とか『審理』とか

そういうことを意味するらしい。

 

(ここまでの流れは

昨日までの記事をお読みください)

 

「・・・それはどういうことですか?」

 

「あの子ね、数か月前に

飼い主の家から逃げ出しちゃってね、

近所の農場に走りこんじゃったの。

その農場は羊をたくさん飼っていたの」

 

「そ、それは・・・」

 

「農場の人が気づいた時には

あの子はすでに

20頭以上の羊を噛み殺していて、

それであの子、本来はとっても

おとなしい気質の子なんだけど

その時は興奮して頭に

血が上っちゃったんでしょうね、

農場の人が羊と犬の間に

割って入って犬を止めようとした時に

その人にも噛みついちゃったの。

その人と、その騒ぎを聞きつけて

助けに駆け付けたもう一人の人にも」

 

「でもそれは犬の責任じゃないですよね。

飼い主が責任を取るべき事態ですよね」

 

「ええ。だから今、飼い主さんと

その農場主さんとの間で裁判が

行われているの。賠償とか

犬をどうするかとか、そういう諸々の

判決が出るまで、犬はうちで預かっているの。

あ、だからこの犬はあなたたちに

引き取ってもらえないだけでなく、

たとえばあなたが『お散歩ボランティア』として

犬の散歩を引き受けてくれるような時にも

この子の世話はお願いできないの」

 

「・・・それって、判決が出たら

また事態は変わるわけですか」

 

「変わって欲しいけど・・・でもこの子、

人を噛んじゃったからね・・・それも

相当ひどく噛んじゃったの・・・

だからあんまり楽観的な

見通しは立てられないのよね」

 

その時私はあのハスキー犬の

こちらの顔色を窺うような

怯えた上目遣いの

眼差しを思い返しておりました。

 

あれは単なる

『人見知り』ではなかったのです。

 

あの子はたぶん

今後の自分の運命というものを

嫌というほど理解しているのだと思います。

 

 

我々はこの日結局犬を選べず、

しかしそのまま何もせずに

家に帰るのも申し訳ないので

飛び入り参加で

犬の『お散歩ボランティア』を

させてもらいました。

 

私に任せられたのは細身のコリー犬で

サイズは柴犬よりも二回りほど大きく

飛び跳ねるように足を運び

・・・この子はこの子で非常に魅力的な

犬ではあったのですが、しかしどうしても

私の脳裏からはあのハスキー犬の

訴えかけるような眼差しが離れてくれず。

 

お散歩ボランティアの後、

私は背中を丸めて家に帰ったのでした。

 

犬を飼うというのは

本当に難しいことですね。

 

 

犬の飼い主を責めるのは簡単ですが

飼い主だってそんな事態

絶対に望んでいなかったわけですよ

 

でも噛まれた側のことを考えるとね・・・

 

動物を飼う、というのは

思えばリスキーな行為なのであります

 

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