こんにちは Minori です。

今年も6月になりました。

つまり、今年も後半戦に

入ったということです。

 

イタリアは、あっちこっちで、

どんどん緩和モードに

なっています。

 

昨日かおとといの数値。

死者数は80人と、

まだ高いのが気になりますが、

新たな感染者数が1818人。

現在の日本より少なくなってます。

新規感染者の推移です。

3月から、右肩下がりに

急激に減っています。

このまま収束へと向かって

いくことを切に願うのですが。

 

去年の今と同じ時期、

5月から9月も、もんのすごく

少なかったんですね。

 

しかし、10月の頭からまた

一気にリバウンド。

 

ま、今年はワクチン接種が

始まりましたから、

去年と同じ状況では

ないとは思いますが。

 

先日のラジオで経済アナリストの

森永卓郎氏が、また不安になること

言ってて .... 。

 

ワクチン接種が最も進んでいる

アメリカでは、急激に減っていた

新規感染者が下げ止まり、

ここのところずっと横這い。

 

イギリスでは、なんと

再び感染者が少しずつだが、

増え始めたって

いうじゃないですかぁ アセアセ

で、また不安になる ... 笑い泣き

 

へたにニュース見ると、

こうなっちゃうからね、

見ない方がいいやと思うんだけど、

だからって、全くニュース

見ないわけにもいかないし。

 

こればっかりは、

考えても仕方ないと、

気持ちを切り替えないと

いけませんわね。

 

話わ変わって、我が家のお庭。

桜の木、一本だけの淋しい庭が ....  。


今ではこの通り。

がんばりました!・・・

まだところどころ

芝が剥げてるところが

あるんですけどね 苦笑

 

ではでは、前回の続きです。

再検査の結果、

問題ないことが分かり、

居酒屋で一人祝杯を

あげる香住。

 

思い切って大生を注文し、

くぅ〜っと

ビールを喉に流し込む。

 

あたしも飲みたい ... えーん

 

さぁてと、つまみは

何にしようかね。

 

壁にずらっとかかった

茶ばんだメニューを見渡す香住。

重ネ の文字に目が止まる。

 

重ネ(豆腐の煮込み)

KASANE 

TOFU AL VAPORE

vapoler🚹蒸気、湯気

 

なぜか「ね」が「ネ」。

 

ん?ぶー

 

Tofu al vapore ....

これじゃ、蒸し豆腐じゃ

ないのかなぁ。

 

時々、ん?って思う

イタリア語字幕がある。

でも、こういう粗探しも

また楽しかったりして グラサン

 

どうひっくり返っても

イタリア語に訳せない日本語を

プロはどう訳したのか、

じつに興味深い。目

 

話に戻ります。

 

この店では豆腐の煮込みの

ことを”重ネ”っていうのか。

In questo bar chiamano 

il tofu al vapore KASANE.

 

よし、これを注文しよう。

 

すみません、あの「重ネ」って

いうの、お願いします。

Mi scusi. 

Una porzione di KASANE.

porzione🚺 (食べ物の)一人分

 

はい!

Certo!

 

女将さんが目の前で

「重ネ」をこしらえる。

 

まずは大鍋の底に沈んでた

大きな豆腐を皿に盛る。

 

どんだけ煮込だんでしょう、

色がどす黒い。

 

そのどす黒い豆腐の上に、

今度は隣の大鍋のモツ煮込みを

ドロぉっとかける。

 

豆腐の煮込みに、持つ煮込みを

「重ね」るってことか。

È tofu stufato con sopra delle

frattaglie stufate.

stufato🚹シチュー

frattaglie🚺内蔵、もつ

 

さらに、さらに、

その上に置かれるのは

てんこ盛りの玉ねぎ。

 

ネギじゃなくて、玉ねぎかぁ。

È cipolla al posto dello

scalogno.

scalogno🚹エシャロット

 

カウンターから

「重ね」が出来上がっていく

様子を眺めている香住。

 

ちょっと待って! ✋

ネギ の訳が エシャロット

長ネギ は、イタリアでは

エシャロットなのか?

 

scalogno を画像検索

するとこれが出てくる。

 


見た目は違うなあ。

これは長葱じゃない。

 

イタリアと日本。

食生活はやっぱり

そうとう違う。

 

特に野菜。

日本で普通に

食べている野菜が、

ほとんどイタリアでは

お目にかかれない。

 

レンコン ... ごぼう .....

シソ ..... しめじ ..... 

そして、長ネギ。

 

私が好きな野菜は

ほぼ全滅 笑い泣き

 

お蕎麦は手に入るから、

たまに食べるんだけど、

いっつも困るのがネギ。

 

ネギなしでは、

お蕎麦は食べられない。

 

仕方ないから、

この scalogno みたいの買って、

上の細い部分をネギ代わりに

使ってみたり。

 

この間は、

あ、これ椎茸じゃん!

でかいなあ、と思いながら、

焼いて食べようと購入。


裏っ返すと...... 。




真っ黒っ 叫び

食べるのに勇気が

入りましたが、

食べてみると、意外に

おいしかったです にひひ

 

ただ、裏っ返した時の

衝撃はしばらく

残っておりましたが ゲッソリドンッ

 

では、ストーリーに

戻ります。

 

女将から重ネを受け取ると、

満足げに頬張る香住。

 

いいなあ!

È delizioso!

 

これぞ酒場料理!

È cibo davvero casereccio.

casereccio[casareccio]

家庭的な、ホームメイドの、手製の

 

体に悪そうな濃い味付け。

Sembrerebbe dannoso 

per la mia salute.

sembrerebbe

sembrare の条・現・3・単

dannoso[形]有害な、損害を与える

 

でも、それが美味いんだあ。

Ma è proprio questo ....

che lo rende così buono!

rendere[他]....をもたらす

 

煮込みの薬味に玉ねぎ

ってありだな。

Ricoprirlo di cipolla.

Che idea geniale.

geniale[形](気質や趣味に)合った

 

そう、体に悪いものって、

決まって美味しいんだよ .... ショック

 

一人舌鼓を打つ香住の

斜め向かいの席では、

若い二人のサラリーマンが、

なにやら熱く語り合っている。

 

いや、盛り上がっているのは、

新入社員とおぼしき若い方。

 

納得いかないっすよ!おーっ!

Non posso accettare!

 

どうやら、上司のやり方に

文句があるらしい。

 

それは課長なりに

考えあってのことだろ。しょんぼり

Perché ... il capo ha i suoi piani.

 

と、後輩をさとす、

先輩サラリーマン。

 

そんな二人のやりとりを、

横で聞いていた香住。

 

俺にも酒飲んであんな風に

先輩に食ってかかってた頃が

あったなあと、思い返す。

 

二十代の頃って、

仕事への情熱と根拠のない

自信があったよなあ。

Quando avevo vent'anni,

lavoravo con passione e

avevo un fiducia in me stesso

irragionevole.

irragionevole[形]非理性的な、筋の通らない

 

あの頃が一番

よかったのかなあ。

Questi erano i bei tempo andati.

 

それがいつかしか責任が大きく

なるにつれて、ずるさと妥協を

覚えていく。

Col passare degli anni,

e l'aumento delle responsabilità,

ho capito come smussare 

gli angoli e fare compromessi.

smussare[他]緩和する、和らげる

.... の角を丸くする

compromesso🚹妥協

 

古き良き時代を思い出し、

一人物思いにふける香住。

 

そこに一人の小太りの

男性が店に入ってくる。

 

お帰りなさい!ニコニコ

 

女将のこの挨拶に対し、

 

家でもないのに

おかえりはないだろう えー

 

と毒突く。

 

男は香住の隣に座るや否や

店にケチをつけ始める。

 

メーニューもろくなものないし。

Non c'è niente di buono

nel menu.

 

さらに男の悪態は止まらない。

 

だいたいこういう大衆酒場って

嫌いなんだよなあ。

Non sopporto questi posti

da poveracci. プンプン

poveraccio🚹気の毒なやつ

 

せっかくのいい気分を

台無しにされた香住

 

嫌ならこなきゃいいだろ。

Perché non se ne va, allora?

 

まったくその通りである。

 

自分が正しいのは明らかなのに、

面と向かって本人に言えないのが、

悲しいかな、小心者で臆病者の

それが香住武なのである。

 

ただ心の中でボソッと

呟くしかない。しょんぼり

 

カウンターだけの小さな店。

小太りの男も

若手サラリーマンの

会社の不満を耳にする。

 

すると突然大きな声で

小太りの男が叫んだ。

 

さっきから黙って聞いてりゃあ、

何青臭いこと言ってんだよ!おーっ!

Ti stavo ascoltando ma ....

Mi sembri così immaturo.

immaturo[形]未熟の、幼稚な

 

その一言に皆凍りつく。

男の罵倒は止まらない。

 

だからだめなんだよ、

最近の奴らは。

Oggigiorno la gente 

non vale nulla.

valere[自]

... に相当する、意味する

 

周りの雰囲気をよそに

小太りの男は

自論を展開していく。

 

管理職の人間はな、

Chi è capo di un'azienda

会社のリスクを第一に

考えるんだよ。

ha a che fare col rischio

d'impresa.

avere a che fare con ...

... と関わりを持つ

impresa🚺事業経営、会社

 

口先だけ達者な若い奴より

実績のあるものに

仕事を与える。

Il lavoro viene dato 

a chi ha esperienza,

e non a ragazzini che 

sanno solo parlare.

 

言っていることは

至極ご最も。

誰も反論できない。

 

そうは言っても .... 。

 

分かっちゃいるが、

時には、酒の勢いで

世間にあらがってみたって

いいじゃぁないですか。

 

そうでもしなきゃ

やってられないよ、

この不条理な世の中じゃ。

 

みんながみんなそれぞれ

自分にも心当たりがあるから、

いちいち目くじら立てず

温かい目で見過ごすのも

人情だって思ってる。

 

若かりし頃、酒の席で

よく先輩に上司の愚痴を

ぶつけていた香住。

 

酒の勢いでこぼした

些細な愚痴ぐらい、

優しく受け止めて

やろうじゃないか。

 

意を決して、

男に言い放つ香住。

 

お酒は楽しく飲んだ

ほうがいいと思います。

Penso che il sake vada

bevuto in pace.

 

珍しく意見を言う香住。

キョトンとする男。

その時誰かが叫んだ。

 

おい!雨漏りしてるぞっ!ガーン

Ehi! Il tetto sgocciola!

sgocciolo🚹最後の一滴

 

どうやらこの店は

雨漏りがひどいらしい。

 

女将がすかさず

客に傘を差し出す。

 

これこれ!☂️

 

とばかりに、

常連客らが次々に

傘を受け取り、

みんながみんな傘を

開き始める。

 

居酒屋のカウンター。

客がみな、傘をさして

酒を飲んでいる。

 

今までに目にしたことのない

光景に度肝を抜かれる

香住と小太りの男。

 

さっきまでの不穏な

空気が一変し、

みんなの顔には

自然に笑顔がこぼれだす。

 

すると小太りの男。

 

さっきは申し訳

ありませんでした。

Chiedo scusa 

per i miei modi.

 

酔っていたとはいえ、

申し訳なかったです。

Ero ubriaco, 

ma non ci sono scuse 

per questo comportamento.

 

そして、二人の若者にも。

 

出過ぎたことを言って、

悪かったな。

Chiedo scusa 

per aver superato il limite.

superare il limite

度を越す、限界を越す

 

というわけで、

一件落着。

めでたしめでたし。

 

暖かな笑いとともに、

今夜も夜が更けて

いくのでした。

 

 

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