毎年、仕事の関係で八ヶ岳に足を運んでおりますが
今年も9月末の出張時に色々と生きものが撮れました。
3日間滞在していたのですが、1日ずつ書いていると
それだけで1週間くらいかかりそうな気がするので
極限まで搔い摘んでお送りします。<(_ _)>
上の写真は、毎年出張で足を運ぶ先で見かける
植栽されたフジバカマの群落です。
9月後半であれば、悪天候でもない限り
基本的にここにアサギマダラが飛んでいるのですが……。↓
あ、すぐ見つかりました。
写真には1頭しか写っていませんが
上記の植え込み部分だけで6~7頭は
舞っていたんじゃないかと思われます。
この八ヶ岳界隈、しかも富士見高原などを始めとする
標高1,000m以上の区域(山岳域)では
アサギマダラは決して珍しい蝶ではありません。
何でもメスにアプローチするためには
フジバカマもしくはヒヨドリバナの蜜から採れる
ある特殊な物質をフェロモン化する必要があるらしく
そういうわけでフジバカマが重宝されるそうですが
特に富士見高原には車道沿いなどに普通にヒヨドリバナが
わんさかと生えていますので、アサギマダラにとっては
まさに天国のような環境なのかもしれません。
とりあえず捕まえてみた。
もちろん「素手」で。
他の個体もザッと見てみましたが
マーキングされた個体は見当たりませんでした。
どうやら遠方から旅してきたのではなく
最初からこの八ヶ岳界隈で繁殖しているようです。
にしても、今年は多かったですね。
フジバカマなどの秋の花の開花期が遅れ、
それに伴って成虫の発生も遅れたんでしょうか?
フジバカマに来ていたミドリヒョウモン(メス)。
エンカウント率の高いアサギマダラよりも
こういうツマグロryではないヒョウモンチョウの仲間を
見た時の方が、個人的にはテンションが上がります。
道端の雑草感覚で山野草が生えているので
秋だけでなく違う時期に来ていたら
どんな感じなのかがちょっと気になるところ。
左はアキノキリンソウ。右はアザミの仲間です。
ちょうどアザミにはメスグロヒョウモン(メス)が
吸蜜に訪れていました。
アサギマダラのいる風景。
車道沿いのヒヨドリバナで吸蜜中です。
こういう光景も、八ヶ岳では決して珍しくありません。
道中では、こんな新顔の昆虫にも遭遇。
金属光沢を持つ大型のカメムシです。
昨年登録したオオツノカメムシに似ていますが
全体的にトゲトゲした感じはなく
色合い的にもこちらの方がきれいです。
ツノアオカメムシといいます。
遭遇率・・・1 (山暮らしらしく、平野部ではまず見ない)
インパクト・・・3 (カメムシの中ではかなり大型)
美しさ・・・4 (アカスジキンカメムシに準じる美しさ)
俊敏性・・・2 (激しく飛んだりはしないが歩くのは速い)
知名度・・・1 (一般認知度はかなり低い模様)
残念ながら片方の前脚の先端部が欠損していますが
それ以外はしっかりと鮮明に撮れた気がします。
標高1,000m越えの高山域で3回ほど遭遇しました。
今年はやたらカメムシ大量発生ネタが
メディアを騒がせていたような気がしますが、
もちろん湧くのはこういう美麗種ではなく
洗濯物にくっつく丸いアイツとかかと思われます(呪)
アサマフウロ……かな?
いずれにせよフウロソウの仲間の山野草です。
毎年、秋に八ヶ岳に行くたびに遭遇しますが
今年は妙に花数が多かった気がします。
あくまで想像ですが、平野部で秋の花が
軒並み開花期が遅れているように、
山地性の山野草まで咲く時期がズレたのかも?
過去、この界隈を歩いた際には
しおれかけの花を数輪見るくらいでしたが
今回、数えきれないほどたくさん見かけました。
今まで花がなかった故に気づかなかっただけで
相当数が自生しているようですね。
色んな山野草が生えています。
コレも当然のように生えていました。
……あえて何かは言うまい。
オミナエシ(これも自生)で待機する
オオカマキリの成虫。多分、これもメス。
ほとんどが人為的に植栽されたものですが
カマキリの考えることは平野だろうと山だろうと
大して差はないみたいです(汗)
宿泊したペンションで飼われていたネコ。
妙に懐かれたらしく、仕事から帰ると
玄関前で待っていてくれました。
ペンションの最寄り駅はJRの小淵沢(こぶちざわ)です。
ここから萌木の村がある清里まで
電車一本で行けるのですが、本数が非常に少ないので
うっかり乗り遅れたりすると悲惨なことになります。
ちなみにこの小淵沢駅、割と最近駅舎が改修されて
結構大型の駅になったのですが、それに伴って
駅前の花壇もアジサイを軸に美しく彩られています。
気になるのが、なぜか線路の間(右写真)にも
ブッドレア(バタフライブッシュ)が生えていること。
これは人為的に植えたものなのか?
はたまた勝手に種が飛んできて生えたのか?↓
しかもこの線路沿いのブッドレアにも
頻繁にチョウが飛来するのが面白いところ。
キタテハなどのオーソドックスなものから
ウラギンヒョウモンのようなちょっと珍しいものまで
結構色々なものが観察できます。
電車の本数があまり多くないので
うっかり轢殺(爆)されるリスクが低い分
彼らには安心安全な食事場所なのかもしれません。
やたら本数の少ない電車に乗り
萌木の村へ行ってまいりました。
この後、午後から仕事で近くの施設に行く必要があったため
午前中にちょっと散策したいと思ったのですが
上記の通り電車が少なかったせいで
到着したのは11時ちょい前でした。orz
(これより前の電車だと早過ぎて萌木の村が開いていない)
初秋の名物 フジアザミ。
カタクリみたいに下向きに咲く
巨大なアザミの花が特徴です。
この辺の花も、もしかしたら例年より
開花期が遅れたかも?
種類はわかりませんでしたが、キク科の花。
写真にはキタテハが一頭だけ写っていますが
他にもかなりの数のチョウ・ハチが来ていました。
スズメバチも来ていてビビりましたが
まあ、慌てず騒がず対応することが大事です。
アサマフウロで吸蜜するウラナミシジミ。
富士見高原周辺では全然見かけませんでしたが
萌木の村周辺にはかなりの数が飛び回っていました。
フウロソウはこのように蜜源にもなります。
花も美しいため、オミナエシやフジバカマほどではないものの
都心部の花壇で植栽されることもよくあります。
枯れかけたセリ科の植物に
なんか妙に色褪せたアカスジカメムシが……。
もうそろそろ寿命が尽きるということで
真っ白に燃え尽きてるのかもしれません。
あしたのジョーみたく。
萌木の村にもフジバカマやヒヨドリバナが
多数植栽されており、アサギマダラもよく飛来します。
結構数が多く、時期がドンピシャだったようです。
セリ科の植物に、キアゲハの幼虫が……。
それも1匹や2匹ではなく、
これ一株だけに10匹近くいましたので
苦手な人だったら悶絶するかもしれません(汗)
小さいですが、こんな新顔の昆虫にも遭遇しました。
アワフキムシなどの仲間であることは間違いないですね。
図鑑で調べて、モンキアワフキという種であることが判明。
名前の由来は、翅についている黄色い紋だそうです。
要するにモンキアゲハと同じですね。
遭遇率・・・2 (少なくはないけど見つけにくそう)
インパクト・・・1 (1cm未満なので目立たない)
美しさ・・・2 (まあ、地味)
俊敏性・・・4 (この手の昆虫はよく飛ぶ)
知名度・・・2 (一応図鑑には載っています)
これと言って特筆することのない昆虫ですが
名前が短くて由来が明確なので
多分、覚えやすいタイプだと思われます。
ちなみに光が丘で新顔登録したテングスケバとは
手持ちの図鑑で同じページに掲載されていました。
だから何?と言われたら言葉がないですが……。
最後に、ジョウビタキです。
萌木の村周辺でやたらよく遭遇します。
そろそろ関東平野部でも目にするようになるかも?
たまに暑いこともありますが、
季節は着実に秋そして冬場へと
向かいつつあるのを感じております。
【9/25~27 八ヶ岳で撮影した生きもの】
鳥類・・・アオサギ、キジバト、ジョウビタキ、トビ、ノスリ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ、ヤマガラ
昆虫類・・・アカスジカメムシ、アキアカネ、アケビコノハ(幼虫)、アサギマダラ、イチモンジセセリ、ウラギンヒョウモン、ウラナミシジミ、オオカマキリ、オオセンチコガネ、キアゲハ(幼虫)、キイロスズメバチ、キタテハ、キンケハラナガツチバチ、クサギカメムシ、クモガタヒョウモン、クロマルハナバチ、コアオハナムグリ、ザトウムシ、センチコガネ、チャバネセセリ、ツノアオカメムシ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、ツユムシ、ノシメトンボ、ヒナバッタ、ヒメアカタテハ、ヒメクロホウジャク、ブチヒゲカメムシ、プラタナスグンバイ、ベニシジミ、ホシホウジャク、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、モンキアワフキ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ
その他・・・ニホントカゲ、ヤマアカガエル
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2024年のプログラムはこちらをご参照ください。
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★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は
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行先は「鎌倉中央公園(予定)」でございます。
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