5月の散策記録と比較してみた件(東京ミッドタウン&麻布台ヒルズ&日比谷公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前回に引き続き東京散策ですが、

打って変わって今回の行先は六本木です。

言うまでもなく、同じ23区部でありながら

街の雰囲気が全然違います。

 

まず、東京ミッドタウン(というか檜町公園)へ。

ノバリケンは元気か?と思いましたが

到着直後には見当たりませんでした。

 

 

 

 

 

 

相変わらずここの池はトンボの数が多いです。

まだショウジョウトンボ(左)が残っていて

今年の暑さの影響を実感させられます。

あと、例年より多い気がするシオカラトンボ(右)も健在。

さすがに10月に入ると大分減った気がしますが

それでも先週別の場所で何度か姿を見かけました。

 

 

 

 

 

交尾中のアオモンイトトンボ(だと思う)。

ここを最初に訪問した頃から

毎年コンスタントに観察できています。

 

 

 

 

 

まだ若いニホンカナヘビ

これも檜町公園ではおなじみの存在です。

 

 

 

 

 

あ、ノバリケンが隠れていました。

(最早完全に自分の家と認識している模様)

どこかに飛んで行ったか天寿を全うしたかと

悪い予感を抱いていましたが、どうやら元気そう。

 

……この先いつまで残るかはわかりませんが

既に公園のマスコットみたいな存在に

なりつつあるように窺えます。

もし見かけたら、そっと観察してみてください。

 

 

 

 

 

その後、アークヒルズを経由して

麻布台ヒルズに移動しました。

前回訪問したのは5月でしたが

その時は緑量の割に生きものが少な目で

ちょっと物足りなさを感じていましたものの……↓

 

 

 

 

 

 

真夏を経て植物が大分成長したのか

この日は5月より緑が濃くなっていました。

そのためか、それなりに色々な昆虫が

姿を見せてくれるようになりました。

 

もちろん、ここは東京のど真ん中ですし

緑地と言っても郊外の自然公園のようにはいきませんが

それでも生きものが「ゼロ」ではないというのが

とても重要なのです。(写真はイチモンジセセリ

 

 

 

 

 

ここに池にもアオモンイトトンボがいました。

1匹ではなく、結構数が多かった気がします。

 

彼らは幼虫が成長できる水場と

成虫が食事できる場所さえあれば

基本的にどこでも暮らすことが可能ですが

ここの個体は果たしてどのようにしてここへ来たのか?

池ができたことを知り、近くの公園から飛んできたのか?

それとも池を作った際に注水植物などに

卵かヤゴでも付着していたのか?

いずれにせよ、しっかり定着しているようですので

現地を訪れた際には池の近くを探してみてください。

 

 

 

 

 

 

この時はオミナエシも開花していました。

ほか、ギボウシなどの日本在来種の植物を

多く用いていることがわかります。

 

曲線美を活かしたビルのデザインは先鋭的ですし

インバウンドの数も多い麻布台ヒルズですが

植栽面については、全部とまでは行かないものの

かなり日本らしさにこだわっているように窺えます。

 

 

 

 

 

オミナエシにはスズメバチの姿も。

こういう危険な生物が現れるのは

「自然共生」の宿命みたいなものなので

ある程度は許容した方がいいでしょう。

 

ただ、ビルの敷地内とかに巣を作ったのであれば

気の毒ですがそれは撤去されても致し方ありません。

(1匹しかいなかったので多分違うと思いますが)

 

 

 

 

 

他のビルと比較しても一線を画している

この麻布台ヒルズの外観。

屋上庭園も植物が豊富ですが

直接立ち入れる場所は限定されています。

 

人が立ち入ると植栽はやはり傷みますし

そうなれば維持管理に余計コストがかかりますので

致し方ない面もあると言えるでしょう。

 

 

 

 

 

で、そんな屋上庭園周りを散策していたら

壁にオオカマキリの姿が。

 

高次消費者であるカマキリがいるということは

やはり、それなりの数・種類の昆虫が

すでに麻布台ヒルズに定着しつつあるということ。

虫取り網を持って走り回るわけにはいきませんが

ショッピングなどのついでに周囲に目を向ければ

意外な「命」との出合いが待っているかもしれません。

 

もっとも、デート中に虫なんか探していたら

フラれても文句は言えませんが

 

 

 

 

 

ブッドレアに飛来したクマバチ

 

ちなみにこのブッドレア

「バタフライブッシュ」と呼ばれるくらい

チョウに好まれる木として知られていますが

その割には公園等であまり植えられていません。

一説では、背丈が大きくなり過ぎるため

後の管理が大変だとか何とか。

そういうこともあってか、最近ではもっと背が低く

コンパクトな株にまとまるブッドレアも作出されているようです。

 

 

 

 

 

麻布台ヒルズ外観

インパクトは最大級です。

 

 

 

 

 

 

そこからいくつかの六本木~虎ノ門の

オープンスペースを散策しました。

結構緑の濃い場所が多いのですが

全部紹介しているとキリがないので今日は割愛。

 

とりあえず、写真は東京ワールドゲート

そこのせせらぎで見かけたキイロスズメバチです。

どうやら水を飲みに来ているようでした。

毎年この時期になると無駄にワイドショーを騒がせるハチですが

刺激しなければそれほど危険というわけではありません。

出合っても慌てず距離をとるよう心掛ければ

事故にあうことは滅多にないはずです。

 

 

 

 

 

 

さらに歩いて、日比谷公園へ。

リニューアル工事が一部終わったようで

サンクンガーデンの部分が芝生広場として

開放されていました。(以前は基本立入禁止でした)

 

この手の都市公園は、特にコロナ禍以降そうでしたが

敷物を敷いてのピクニック需要が結構大きいです。

工事前まで実質「使われない場所」になっていた広場が

こうして解放されたことにより、今後日比谷公園の

利用者数や層が大きく変わっていくことも考えられますね。

 

 

 

 

 

 

花壇では、ペンタスがちょうど最盛期に。

最近ようやく増えてきたホシホウジャク

この日はかなり多く確認できました。

9月中旬くらいまでは例年より少なかったので

気になっていましたが、秋の花の開花遅れに合わせて

彼らも羽化するのを遅らせていた……のかもしんない(弱気)。

 

 

 

 

 

帰り際に心字池を覗いてみると

珍しく石の上にカイツブリの姿が。

 

 

 

 

 

そして、お馴染みのカワセミも出てきてくれました。

1日の締めくくりには相応しい、嬉しい出合いです。

 

そういえば、本日(10/19)より毎年おなじみの

日比谷公園ガーデニングショーが開催されますね。

私は仕事で来週取材・撮影に入る予定ですが

近年もかなりレベルの高い作品が展示されていますので

(特にコンテナガーデン部門は評価が高いらしい)

読者の皆様もぜひ足を運んでみてくださいませ。

 

 

 

 

 

【9/21 六本木~日比谷公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カイツブリ、カルガモ、カワセミ、シジュウカラ、ノバリケン、ヒヨドリ、ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオドウガネ、アオモンイトトンボ、アズチグモ、イチモンジセセリ、ウラギンシジミ、オオカマキリ、キイロスズメバチ、クマバチ、コバネイナゴ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、シロテンハナムグリ、セイヨウミツバチ、チャバネセセリ、ツヅレサセコオロギ、ツマグロヒョウモン、ホシホウジャク、ヤマトシジミ

その他・・・ニホンカナヘビ

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年11月17日(日)に開催いたします。

 行先は「鎌倉中央公園(予定)」でございます。

 (11月も9:50~15:30のロングコースとなります)

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。