炎天下でボーッとしていたのか、それとも……(21世紀の森と広場) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

とある珍鳥情報を入手して訪れた

久しぶりの21世紀の森と広場

結論から書いてしまうと、地雷でした(爆)。

いや、ガセ情報だったわけでは決してないのですが

確実な確認報告が出ていたのは

あろうことかこの日のちょうど前日。

現地にいる間は気づかなかったため

数時間「待ちぼうけ」を喰らうことになりました。

 

また来年……かな? orz

珍鳥なので来年来る保証はどこにもないですが

 

 

 

 

 

 

鳥を待っている間ヒマだったので

近くの水辺でトンボを探していました。

コフキトンボ(左)にアオモンイトトンボ(右)と

まあレア種とはお世辞にも言えない面子ですが

結構数は多かったので退屈はしませんでした。

 

 

 

 

 

チョウトンボも近くに来たので撮影しましたが

前翅が片方ボロボロになっており

見栄えとしてはやはり少々劣ります。

 

なお、前にも書いたかもしれませんが

これでもちゃんと飛び続けられます。

 

 

 

 

 

ちょっとだけ大きくなった

ハラビロカマキリの幼虫。

(ムネアカハラビロカマキリではないと信じたい)

 

 

 

 

 

カワセミも出現しました。

例の珍鳥を待っている間にも何度か近くを通りましたが

さすがにここでは然程注目されません。

 

やや色がくすんでいますので

まだ若鳥ではないかと思われます。

 

 

 

 

 

草原にはホシササキリ(写真)や

ウスイロササキリの姿も見られましたが

7月の時点ではまだ数はやや少なめ。

ピークはやはり9月以降かと思われます。

 

 

 

 

 

湖畔のレストランで優雅に昼食を……と書くと

あたかも軽井沢辺りにいるかのようですが

ご安心ください。松戸です

海鮮ピラフは優雅ではないですが大変美味なのでおススメ

 

 

 

 

 

さて、この公園には特別保護区があり

土日などには自然観察員の方が案内してくれる

無料の観察会も開催されています。

この観察会の時でないと、写真の保護区には

入ることができないようになっているのがポイント。

 

この日はお昼までに例の珍鳥に見切りをつけ

午後最初の部で参加させていただきました。

 

 

 

 

 

 

湿地の中に木道が通る形になっており

よく昆虫が姿を現します。

場所が場所だけにトンボが多いですが

ヒメギス(左)やカマキリの幼虫(右)など

バリエーションが豊富です。

 

もっと長時間滞在できたら色々見つかりそうですが

あいにく自然保護の観点から時間は限られているため

こちらで生きものを探したいのであれば

どうしても「運」が絡んできます。

(冬だとオオタカなんかを見られることもあるらしい)

 

 

 

 

 

バッタの仲間を狩るハチ

クロアナバチも現れました。

 

最近、東京近郊でこのハチを

妙に見る機会が多い気がするのですが……

詳細はまた後日お話します。

 

 

 

 

 

そういえば最近、コイツの類似種である

ツヤハダゴマダラカミキリなる謎の外来種

関東にも侵入しつつあるというニュースがありました。

識別のコツはいくつかあり、微々たるものながら

明確な差が見受けられるようなので

今後はゴマダラryを見かけたら随時チェックしたく思います。

 

なお、過去に私が撮影したゴマダラryの写真を

振り返ってチェックしてみましたが

いずれも間違いなく在来種でした。ちと安心。

 

……というわけで、僅か30分程度の観察会でも

それなりの数の昆虫や野鳥に出合えます。

また、観察員の方は当然生きものの知識が豊富なので

一度は参加する価値があるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

ここは保護区内ではなく、園内の別の場所。

まだ見たことはありませんが

環境指標動物として名高いニホンアカガエル

どうやら園内で繁殖しているようです。

 

一部地域では絶滅危惧種とされており

数も多くはありませんが、少ないとも言えないカエル。

ただ、水辺と森の環境が両方健全でないと生きられないので

このカエルがいるというのはそれだけで大きな宝。

いずれ会う機会があれば嬉しいですね。

 

 

 

 

 

……と思った矢先、

30秒後に足下に出てきましたw

 

まだ身体が小さく、数個体固まっていましたので

陸にあがってからまだ日が浅いものと思われます。

これは一応、収穫と言ってよいかと。

 

 

 

 

 

吸水中のナガサキアゲハ

後翅の色からしてメスのようです。

 

南方系で自然に分布を広げてきたチョウですが

ツマグロヒョウモン辺りと比べると

まだ関東で市民権(?)を得ているとは

言えないかな?というのが私見です。

これはナガサキアゲハが少ないというより

ツマグロヒョウモンが多過ぎると言った方が

妥当かもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

花のある風景も魅力の、21世紀の森と広場。

ブルーサルビアやマリーゴールドなどの

暑い夏に強い花で構成される花壇(左)もあれば

山間部にはヤマユリ(右)も咲いていました。

ただ、ヤマユリの方は散策路からやや離れており

間近で香りを嗅ぐのはちょっと難しかったです。

 

 

 

 

 

ブルーサルビアで吸蜜するオオスカシバ

この蛾も最近よく見るようになりました。

綺麗な蛾なのでこちらとしては有難いですが

クチナシを育てている方には堪ったものではないかも(爆)

(個人邸だけでなく公共スペースにもクチナシは多い)

 

 

 

 

 

最後に、炎天下で羽を乾かすカワウ

そんなに近づいて大丈夫なのかと思いきや

カワウの方は全く逃げようとしませんでした。

まあ、触らない分には問題ナシかも。

 

いくらメジャーな水鳥とはいえ

人のすぐ近くに来るようなタイプではないはず。

近付いているのは小さな子供ですし

触らなかったとはいえ、適度な距離感というものは

把握していないようでしたが、それでもカワウは

湖(池?)の方を見てその場に留まっていました。

なお、左手前にいる個体も同様に動きません。

 

と、いうわけで……↓

 

 

 

 

 

左手前の個体のに座ってみました。

信じ難いかもしれませんが、距離はせいぜい50cm。

手を伸ばせば届いてしまうくらいでしたが

そこで手を出すか出さないかは天地の差。

警戒心を与えないよう、適度な距離感を保ちます。

 

危害を加える意図がないと察したのか

色が黒いから同胞かと思ったのか

こんな至近距離でカメラを構えても逃げません。

無論、すべてのカワウがこうなわけではなく

この個体が特別だったものと思われます。

結局、暑さに耐えかねて私が席を立つまで

カワウはその場から全く動きませんでした。

 

珍鳥は撮れず、新顔の撮影もなかったので

そこに限って言うなら「不発」でしたが

色々と面白い発見・出合いのある一日で

結構充実していたような気がします。

 

 

 

 

 

【7/15 21世紀の森と広場で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カルガモ、カワウ、カワセミ

昆虫類・・・アオモンイトトンボ、アカボシゴマダラ、アメンボ、イボバッタ、イチモンジセセリ、ウスイロササキリ、ウチワヤンマ、オオシオカラトンボ、オオカマキリ(幼虫)、オオスカシバ、オオヒラタシデムシ、オオモンクロベッコウ、オンブバッタ、キアゲハ、キタキチョウ、クマバチ、クロアナバチ、コガタスズメバチ、コシアキトンボ、コバネイナゴ、コフキゾウムシ、コフキトンボ、ゴマダラカミキリ、シオカラトンボ、シオヤアブ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、センチコガネ、チョウトンボ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、ニイニイゼミ、ノシメトンボ、ハラビロカマキリ(幼虫)、ヒメアカタテハ、ヒメギス、ベニシジミ、ホシササキリ、マメコガネ、モンキチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ、ミスジマイマイ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年8月20日(日)に開催いたします。

 行先は「小山田緑地(東京都町田市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。