あらかじめ言っておくと、ヒルは出ませんでした(秦野・権現山) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

いや、1回やられたもので(大汗)

 

 

 

2年ぶりに訪れた秦野・権現山

野鳥に人気の高い水盤で有名なバードウォッチングスポットですが、

夏場はヒルが発生するため(今年秦野駅でそういう騒動がありました)

涼しくなるまで避けていました。

 

なお、昨年ここに来なかった理由はヒルではなく

度重なる台風を始めとした悪天候にあります。

一昨年何度か撮影に訪れて検証(?)した結果

雨の降った翌日は鳥の出現が激減するとわかりましたので

コンスタントに雨続きだった昨年は訪問のチャンスがなかったのです。

 

 

 

 

 

 

雨上がり後にはとりわけヒルの出現率が高くなりますが

晴天だったこの日も念には念を入れて、

せめてものヒル対策を(右写真)。

さすがにこの姿で駅から歩くのは憚られたので

山道に入ったところで口下をたくし上げました。

 

なお、山頂付近にはポケストップジムがあり

観察小屋前で待機中などに起動すると

コンスタントにポケモンを狩ることができます(左写真)。

また、鳥を狙うなら観察小屋前で待機すればOKですし

昆虫を探すにしても山頂の広場をウロウロしていれば事足ります。

つまり、行きはちょっとした山登りで骨が折れるものの

到着してしまえばあとは省エネで用を済ませることができる……

これが秦野・権現山の大きなメリットと言えるかもしれません。

 

 

 

 

 

水盤を覗いてみましょう。

この日はもちろん前日も雨は降っていなかったためか

かなり高頻度で鳥が姿を現しました。

写真にはメジロヤマガラが2匹ずつ写っていますが

これはもちろん氷山の一角です。

 

 

 

 

 

この日一番目立ったのは、キビタキメス

数こそメジロに劣るものの、何度も何度も水盤を訪れ

その都度「またメスか」と、私を含めて

バードウォッチャーに落胆のため息をつかせてくれました(汗)。

一応、朝早くにオスも出現したらしいのですが……。

 

にしてもここはメスの出現率が異様に高いんですよね。

だとすると我々は女風呂を除いている可能性もry

 

 

 

 

 

そんな中、一番バードウォッチャー各位が興奮(?)したのは

エゾビタキが何度か水盤にやってきた時です。

本ブログでは過去に一度だけ撮影していますが

その時はほぼ逆光で写りもイマイチ。

今回、近距離でくっきり撮影できたので

これは大きな収穫と言えるんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

エゾビタキメジロ軍団が一緒にいるシーン。

ちなみにエゾビタキ自体はそこまで珍しい鳥ではなく

ここでは秋になるとコンスタントに観察できるとか。

 

 

 

 

 

その後、一時的にキジバト×2

大きさに物を言わせて水盤を占拠したりしましたが……。

 

 

 

 

 

数十分もすると元通り、

メジロ、キビタキ、ヤマガラ、そしてエゾビタキ……

小鳥たちが次々と沐浴(?)に訪れました。

メジロたちの濡れっぷりが秀逸です。

 

 

 

 

 

水盤に降り立ったキビタキ♀をクローズアップ。

なお、こうしたヒタキの仲間のメスは似たような地味な色が多く

正直識別に苦労します……。この個体についても、

ちょっと黄色みがあることからキビタキだとは思いますが

もしかしたらオオルリかも……などとちと弱気だったり(汗)

 

 

 

 

 

キビタキ♀(ということにしてしまおう)は水盤だけでなく、

水盤から零れ落ちる水で「打たせ湯」に興じることも。

 

 

 

 

 

……とまあ色々と美味しいシーンが撮れる権現山の水盤ですが

ずっと同じ場所に留まりっぱなしというのは

そもそも私の性に合わないので(爆)

途中で何度か席を外し、広場を歩き回って昆虫探しに興じました。

 

バードウォッチャーの皆さんはマスクを着用していましたし

鳥が逃げるのでそこまでお喋りに興じることもないのですが

適度に動き回るのはコロナウイルス感染症リスクを下げることにも

繋がるかもしれません。(もちろん、リスクゼロにはなりません)

 

 

 

 

 

 

これはミドリヒョウモンメスです。

本ブログによく登場する前翅に3本の黒線が入った個体はオス。

この手のチョウはオスとメスで色が大分異なるので

識別の際には両性別の特徴を把握する必要があります。

 

 

 

 

 

 

加えて、ヒョウモンチョウの識別時には

翅の裏表を両方チェックすることも求められます。

写真はウラギンヒョウモン。表だけだとミドリヒョウモンはじめ

近似種が多いので誤認しやすいのですが(左写真参照)

右写真のように裏を見ると、名前通り銀白色の斑点がちりばめられています。

 

 

 

 

 

メスグロヒョウモンメス

名前そのまんまの色黒のメス……ということで

多分この系統では一番識別が楽です。

 

ミドリ、ウラギン、メスグロ、それから一応ツマグロと

この山頂広場では4種類のヒョウモンチョウを確認。

自然度の高さがよくわかります。

 

 

 

 

 

2年前の前回も撮ったような気がしますが

何故か異様に多いキアゲハ。しかも写真のように

地面に降りて休憩する頻度が異様に高いという……。

 

ちなみに、いるのはキアゲハばかりでナミアゲハの姿はなし。

幼虫の食草が違うので、この辺りの植生が影響しているのかも。

(キアゲハはセリ科、ナミアゲハは柑橘系が主食)

 

 

 

 

 

これもお馴染みのクルマバッタ

ちょいと草を掻き分けてやればすぐに飛び出してくるくらい

とにかくあちこちで見つかる一方、

ここにはトノサマバッタがいないようです。

 

 

 

 

 

 

植栽なのか自生なのかは判然としませんでしたが

ハギの花も咲いており、シジミチョウの仲間が多数飛来していました。

実はウラナミシジミ(左)もツバメシジミ(右)も

幼虫の食草はマメ科。そして、ハギという植物もマメ科。

ゆえに成虫・幼虫共にハギに依存していると言えます。

 

実際、右のツバメシジミはを産んでいるところです。

 

 

 

 

 

小さいツバメシジミの卵だけあって、もちろん極小。

風で揺れる中、壊さないように細心の注意を払い、

どうにか極限までクローズアップして撮れたのがコレです(汗)。

(これ以上近づいたらカメラで潰してしまう恐れがありました)

 

緑色のお饅頭みたいな形状ですが、細かな模様等までは撮れず……

もし観察したいのならば虫メガネが必要かもしれません。

間違えても太陽光で焼いたりするなよ(闇)

 

 

 

 

 

 

帰りがけ、川沿いに植栽されていたランタナ

オオスカシバ(右)、ホシホウジャクヒメクロホウジャク

3点セットをすべて撮影することができました。

 

このランタナも夏の暑さに強く、花壇で重宝されます。

カラーバリエーションが豊富なのも人気のポイントかもしれません。

 

 

 

行き帰りを除けばあまりスタミナを消耗することなく

そのくせ結構な成果が期待できる権現山。

久しぶりに訪れましたが、やはりいいですね。

冬場になると昆虫はいなくなるものの、撮れる鳥がガラリと変わって

また新しい楽しみが生まれます。12月になったらまた来たいです。

 

 

 

 

【10/3 秦野・権現山~秦野駅で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、エゾビタキ、エナガ、キビタキ(♀)、コゲラ、シジュウカラ、セグロセキレイ、トビ、ノスリ、ハクセキレイ、ハヤブサ(若)、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、モズ、ヤマガラ

昆虫類・・・アシグロツユムシ、イチモンジカメノコハムシ、イチモンジセセリ、イボバッタ、ウラギンヒョウモン、ウラナミシジミ、オオカマキリ、オオスカシバ、キアゲハ、キンケハラナガツチバチ、クルマバッタ、コアオハナムグリ、コバネイナゴ、ザトウムシ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、センチコガネ、チャバネセセリ、ツチイナゴ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、ハエトリグモの一種、ヒメアカタテハ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメクロホウジャク、ホシササキリ、ホシホウジャク、ホソメヒラタアブ、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ

その他・・・ミスジマイマイ

 

 

 

【10/3 秦野・権現山で捕獲したポケモン】

アサナン・・・1

アチャモ・・・3

イーブイ・・・4

クラブ・・・1

グレッグル・・・10

ゴチム・・・1

コロボーシ・・・4

サイホーン・・・1

シママ・・・3

チラーミィ・・・3

ドガース・・・1

ヒコザル・・・1

フシギダネ・・・1

ブルー・・・1

ポチエナ・・・1

マンキー・・・3

ミノムッチ・・・1

メリープ・・・29

モンメン・・・1

ヤナップ・・・1

ラルトス・・・15

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m