兄貴の気を引くために、スマホを買った。 | 空想クソ野郎の話 一話完結!

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実在の人物・団体・事件等には一切関係ありません。


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 「おはよう、兄貴」女の子の声。
 かすかに開いたまぶたから光が入る。まぶしい。
 「あ、悪い、悪い。光量を調整するよ」
 んー体が重い。
 「無理には動かないでくれな。ゆっくり、ゆっくりだ」
 頭を声のする方に左に向ける。右肩を上げる。
 「うん。しっかり動けるじゃないか。ゆっくり、ゆっくりでいいぞ」
 仰向けだった身体を右肩を上に、ゆっくりと起こす。左手、右手と身体を支える。
 「実験は成功だ!!人類はコールドスリープを実現したんだ!」
 

 「お前はこんなことをいつまで続ける気だ?」ベッドに座り、妹に聞く。
 「だってスゲー寒いじゃん。兄貴の部屋。これじゃまるで冷凍保存庫」
 「恥ずかしいって」
 「好きなくせに」
 「飯は?」
 「できてるよー」
 俺は今年の春から高校二年。妹は中学生になったばかりだ…
 「ね、兄貴」
 真新しい制服の裾を翻して振り向き、妹が上目遣いになる。「私のスマホに一番最初に登録させてあげる。兄貴の解除コード… 教えて!」


 爆裂音が第二指揮所から上がる。
 全電源が一度落ちると、しかしすぐに戦闘電源に移行し、システムが維持される。
 管理棟から直接、俺の眼球モニターに情報が送られてきた。全天モニターにも表示される機影、多数。左舷後方からが多いか?
 正面のオペレータが叫ぶ。「艦長! 左舷、ミサイル接近!」 耳障りな緊急音が艦内に鳴り響く。
 サブオペレータ「左舷へのミサイル到達まで、10・9・8…」
 俺「左、旋回!」、 コパイロット「左旋回」、俺「120度でプレート弾発射!」 ガンナー「120、プレート弾発射!展開、展開完了」
 俺「旋廻そのまま、エネルギー砲用意、20%まで」
 サブオペレータ「3・2…ミサイル、プレートと接触!衝撃、来ます!」
 俺「エネルギー砲20%で発射。さらに充填40%!」
 ガンナー「エネルギー砲発射!」
 オペレータ「反乱分子、第5隔壁を突破!」
 俺「舵、こちらに回せ! 機関室、最大戦闘速度まで5秒で到達させろ! エネルギー弾連射!」
 宇宙戦闘艦が横殴りの衝撃で揺れる。
 ガンナー「充填40、発射!さらに充填…。」
 俺「後方プレート弾用意!ん?」 眼球モニターに映る反乱分子のリーダーは副艦長だ。「外に敵艦多数、艦内で反乱。最後の手段も覚悟、か…」
 

 「おはよう」
 ああ、今日は水曜か?
 「寝ぼけてるのか?」
 身体を何とか起こそうとする。「お前は、いつも、いつも…」
 「拘束させてもらった」
 あれ、身体が動かない。 「??? 妹はどこだ?」
 「残念だか現実はこっちなんだよ、艦長」
 声が妹じゃない。
 「……?…!…俺は寝る。起こすな」
 「そうか、じゃ、そのまま寝ててくれ。戦闘艦の自爆解除コードが合ってなかったら、また深層催眠に入ってもらうから」
 コパイロット「副艦長!解除シークエンス、動作良し!成功です」

 第一指揮所の隅で拘束されているオペレータやサブオペレータ、ガンナーの視線が痛い…

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