東京五輪開会式とあの2頭 | SCHUMA 3冠日~競馬・POG・予想~
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2005年10月23日。ディープインパクトが菊花賞優勝。ついに無敗の3冠馬のオーナーになった。1993年初夏に始まったPOG人生。翌年にはサンデーサイレンス産駒が登場した戦国時代を12年11勝で生き抜き、SS指数によって発掘した史上最強馬で、今ここに天下統一を果たした。

東京五輪の開会式は、いろいろな意見がメディアで語られていたが、我が家のお茶の間の印象は「とにかく長い!」だった。200を超える国と地域の入場だけで2時間。これが20時40分から22時40分まで続いたのだから、ウチの子どもたちも当然テレビから離れていった。その後の橋本聖子とバッハもまあ、よく喋ること。あまりに長すぎたために、終わってみれば何を言っていたのか覚えていない。「ダメな校長だな」と家族一同バッサリ。楽しみにしていた最後の聖火リレーも、長嶋茂雄のあの姿を世間に晒す必要があったのか、東北6県の子どもたちをあれほど遅い時間に起用していいのか、と疑問が噴出し、最終走者が現役選手の大坂なおみという選択には「安易だ」「彼女ならいい」と賛否両論だった。

それにしても、序盤の出し物からこれが今の日本の集大成だと思うと、ガッカリ感が拭えなかった。批判承知でたとえば歌舞伎って、伝統芸能であっても日本人の多くが実際には観たことがなかったりする。海老蔵がどんなにすごい役者だとしても、それを認めている人・理解している人がどれほどいるのか。ワタシも観たことない派で、今回、彼が何を演じていたのかさっぱり分からなかったし、何も感じなかった。

そんな中、さすが!と思わせたのは、漫画の吹き出し風のプラカード、入場のゲーム音楽、ピクトグラムのパフォーマンスの3点。どんなに金をかけるより、アイデアによってシンプルに訴えかけたもののほうが視聴者に伝わった気がする。聖火台もオシャレだったが…開く前の山と球体があまりにダサかったのでこちらは及第点か。

この開会式を長く憧れ、大金を払ってでも観に行きたいと願っていた自分自身に腹が立ってきた。今の日本、そして今後の日本には、こうした作られた高揚感や一体感はいらないのかも。五輪を招致する意味もなくなったと思う。前回からの57年間で、阪神大震災や東日本大震災、そのほか多くの災害に加え、今回のコロナ禍と、日本人は国民一丸となって闘わなければならない不幸な出来事にたくさん遭遇し、乗り越えてきた。今も医療従事者は長く厳しい闘いを続けているわけで、そこに五輪が入り込む余地など本当はなかったのかもしれない。

それでも、開幕すれば感動の場面には出逢う。スポーツなのだから当然だろう。ただ、どうしても違和感があるのは、無観客開催によって東京でやっている雰囲気がまったくないこと。競技の開始時間も欧米仕様になってしまっているため、自国開催でありながら通常生活の変な時間帯に突然、感動に遭遇することになる。会社に向かう昼過ぎに13歳の女の子がスケボーのストリートで金!と言われても、喜ぶ以前に何がなんだか分からず戸惑った人のほうが多かったのではないか。

テレビの中にある東京の五輪が始まった。

さて、POG。

コリエンテスにとって、デビュー戦の2着は及第点といえるものだった。ファンの期待が大きすぎるあまり、単に勝てなかったという結果だけでアンチは騒ぎ立てるが、ゲートをしっかり出て、好位の外で折り合って、直線も最後はしっかり伸びていた。勝ち馬はここでの勝利を意識してうまく乗っていたので、ベストとは言えないマイルであの馬を本気で捕まえに行こうとしたら、走りも乱れただろうし、これまでの教育がムダになってしまったかもしれない。競馬を教えつつ、最低限の2着を確保したのだから、ここでの成果としては十分だろう。

プルサティーラにとっても、好位のインを取って折り合いに専念し、直線ではコリエンテスが外からプレッシャーをかけたこともあって馬群を捌くのに苦労したが、最後はグイと伸びて3着に入った。この内容だけで、こちらも初戦としては十分。4着以下とは着差以上に大きな差があったと思う。

というわけで、コリエンテスが圧勝して、2着にプルサティーラが追い込むシーンを描いていた身としては、懸命な負け惜しみである。

ただし、だ。冷静になって考えてみれば、この時期にデビューする一番の収穫は、早めにレースに出られる状態にまで仕上がったことに尽きる。勝利は副産物にすぎず、そこで好感触をつかめさえすれば、負けたとしても将来的には大した問題ではない。近年は“無敗の”という肩書きが頻発してしまったために、怪物=無敗と思い込みがちだが、負けを恐れていたら2歳夏にデビューなんてさせられない。ここであえて使う以上は陣営には勝敗以上の収穫があるという確信があったわけで、その成果は2戦目以降に馬たちがその走りによって証明していけばいい。

熱い夏どころか、いきなり寒さを感じたワタシの夏が始まった。