NASCAR Cup Series
Drydene 311
Dover International Raceway 1mile×311Laps(70/115/131)=311miles
competition caution on Lap25
winner:Denny Hamlin(Joe Gibbs Racing/FedEx Office Toyota Camry)
NASCAR Cup Series、レギュラー シーズンは残り3戦、今週はドーバーでの2連戦です。個人的にドーバーは
大好きなトラックなのでやっとですね。1マイルの高速オーバル、コンクリート舗装であるのに加え、ターンは
『掘り下げる』ような形状になっているのも特徴です。普段なら400マイルのイベントですが、土日の連戦なので
ちょっと短くなって311マイルを2戦。
最近のコース外の話題では、コリー ラジョーイがGoFasレーシングを今季限りで離れるという情報が
入ってきました。顔車でお馴染みのこの体制も来期は見れないわけですね。ラジョーイの来季はもちろん未定、
Jayskiさんのサイトの情報では、ジミー ジョンソンの後継でヘンドリックに加入という説もあるそうなんですが、
現実味をあまり感じない(´・ω・`) もっとも、この時期に発表されるということは、いずれかの側に既に
来季の予定が決まっている可能性が高いのではないかと思います。ラジョーイいずこへ。。。
グリーン フラッグを振っていた、やたらこなれた動作のおじさんは、マイク バグリー。MRN(Motor Racing Network)
というラジオ局のアナウンサーさんです。『細かすぎて伝わらないモノマネ』みたいで笑いました。
このレースは先週の勝者・チェイス エリオットとデニー ハムリンの1列目でスタート。チェイスが抜群のスタートで
いきなり2位以降を置き去りにします。
8周目、カート ブッシュがエリック ジョーンズに押されてスピン、一発リタイアのダメージを食らいます。
そのジョーンズも流れでアレックス ボウマンに追突されて左リアを中破、ボウマンもそこそこのダメージ。
いきなりモンスターが暴れました。
12周目のリスタートからコンペティション コーションまではチェイスがリード、コンプコーションではステイ アウト、
2タイヤ交換と戦略がまちまちで順位が変動します。
リスタートから逃げたのはステイアウト組のオースティン ディロン。COVID-19に感染して先週のレースを
欠場しましたが、1週間で帰ってきて、クリーン エアーを得てレースをリード。しかしピットで万全の4タイヤ交換を
行ったハムリンが59周目にディロンを抜いてリード。 そのままステージ1を制しました。
リスタートで素早く順位を上げたことが大きな要因で、チェイスは逆に混戦でクリント ボイヤーと接触し、
大事には至りませんでしたが僅かな破損の影響かペースは上がりませんでした。
プレイオフ バブルの面々では、ジョンソンがステージ8位で3点獲得しました。ウイリアム バイロンはあまりに
車が決まってないのでこの後のピットで大アジャスト、左右ともいじって、左のウエッジはレンチを5回転w
ステージ2、ハムリンとマーティン トゥルーエックス ジュニアが外側のラインから抜け出しJGRがワン・ツー。
チューズ ルールが無ければ、トゥルーエックスは不利なイン側からリスタートしなければいけなかったので
このあたりが大きな違いですが、ステージ1ではかなりルースな車でした。アジャストで直っているのかどうか。
ステージ2は無風のまま折り返しへ向かい、ハムリンがトゥルーエックスを大きく離してリード、トゥルーエックスも
悪くはないけどハムリンには敵わない状態のようです。アンダー グリーン ピットを経てステージは後半へ。
バブル ドライバー、今日全く調子が上がらないマット ディベネデトーとバイロンはコーション待ちのステイアウトで
賭けに出ます。今日のMatt Dはボンネットにモンスター エナジーがついてますね。初めてかな?
しかし何も起きないため結局アンダーグリーンでのピット、結果、元々そのうち周回遅れになりそうだった
Matt Dは1周遅れの後方になるだけで済みましたが、バイロンは2タイヤ交換による時間稼ぎもむなしく
2周遅れになってしまい、今日の大きな得点は望めなくなってきました。
ステージ2もそのままハムリンが勝利、何も起きないステージでした。ジョンソンはここでもステージ7位、
バイロンから選手権16位を奪うには好機です。
ファイナル ステージ、ピットで逆転したトゥルーエックスを先頭にリスタート。ハムリンは定石通り2列目アウトを
選択したものの、1列目インからリスタートしたカイル ブッシュに先行を許し、自身はブラッド ケゼロウスキーに
抜かれてしまって4位に落ちてしまいます。
ハムリンがケゼロウスキーを抜くのに少し手や焼いている間に逃げるトゥルーエックスでしたが、相変わらず
バランスはルース。ここまで特に存在感の無かったカイルが徐々に接近していきます。
このままカイルが抜くパターンかと思いましたが、先に音を上げたのはむしろカイルの方で、0.6秒あたりまで
踏み込んだ差は1秒以上に押し返され、ハムリンがカイルをかわして2位に戻ってきます。レースを通じたペースが
なかなか今年のカイルには無いですね。
残り60周、10位近辺の車からピット サイクルとなり、上位勢も波乱なく予定では最後となるピット作業を終了。
ピット後もトゥルーエックスはリードを堅持。相変わらずルースだといいつつうまく走らせていましたが、
残り15周で周回遅れのエリック アルミローラに追いついたところでダーティー エアーの餌食に。
抜けないどころか近寄ることすらできず、一気にハムリンが接近。攻めざるを得なくなった上に、乱気流を受けて
ルースはさらに悪化していき、残り9周、とうとうハムリンがリーダーになります。
トゥルーエックスは右リアが踏ん張らないからターンの出口で踏みたくても踏めない状態で、
ハムリンはそのまま逃げ切ってチェッカー、ハービックと並ぶ今季6勝目を挙げました。
ドーバーはターンが掘り下げられているので、進入では前荷重になって元々リアが振られやすい傾向があります。
そして、出口は逆に上りつつ加速していくので、右リアに大きな荷重がかかります。
リアが軽い車は、ある種ハンドルをちょっと切ったら勝手にターンの底に向かって曲がりながら落ちて行くので
速いのは速いんですが、それをやっているとタイヤのグリップが低下してきたときに右リアが踏ん張らなくなり、
出口で全く踏めなくなっていき、それをカバーしようと入り口でルースな車を使って滑らせて曲げていくため、
さらにタイヤが傷む悪循環に陥りやすいと思われます。トゥルーエックスはまさにその状態で、
ハムリンは右リアだけに頼らないバランスの良い車で走らせていました。
ジョンソンは得意のドーバーで7位フィニッシュ、このレース合計37点を稼ぎだして、プレイオフ争いが
一気に慌ただしくなりました。ディベネデトーは20位で、20位以下は今季5度目。バイロンはなんと28位で
こちらも今季5番目に悪い成績。結果、レースを終えた段階でのスタンディングスは
なんとジョンソンが16位に入り、ディベネデトー、バイロンと前後に対して僅差。デイトナで他の人が勝つ可能性を
考慮すると15位にはできればいたい、という状況ですが、ディベネデトーもそこまで考えている余裕が
ちょっと無くなってきました。次戦は翌日の同じドーバー311マイルです。
なお、ハムリンはレース後にラグ ナット違反によりクルー チーフのクリス ゲイブハートが$1万の罰金と
なりましたが、ラグナット違反ではリザルトは変動しないので優勝はそのままです。
違反を宣告され、ナットの様子を覗き見るレース後のハムリン