NASCAR Cup Series
Foxwoods Resort Casino 301
New Hampshire Motor Speedway 1.058mile×301Laps(75/110/116)=318miles
competition caution on Lap 30
winner:Brad Keselowski(Team Penske/Western Star / Alliance Parts Ford Mustang)
NCS at ニューハンプシャー。ロードン(ラウドン)とも呼びますが、当ブログではニューハンプシャーと書いてます。
低速のショート オーバルはちょっと久しぶりの登場ですね。”マジック マイル”と呼ばれる難易度の高いトラックで、
最速ラインはイン側から1~2車線空けたあたり。そこに、インと3レーン目にトラクション コンパウンドが撒かれて
ラインの選び方、トラクションコンパウンドがハゲて来た際の対処など考えることが多いです。
なお、NASCAR側からの通知では、イン側のやつの方がアウト側のやつより7%グリップが高いそうです。
今回のレース、個人的に今季でもトップクラスに面白いレースになりました。
今回からサムネイルの雰囲気が急に変わりました。
くじ引きグリッドはエリック アルミローラとデニー ハムリンの1列目でスタート、ですがハムリンが早速
出遅れました。これで2位になったブラッド ケゼロウスキーが早々にアルミローラを抜いてリード。ここのところ
ケゼロウスキーはショート ランで速い車なことが多いですが、今日はどうでしょう。
16周目、CM中にまさかの事態、6位を走行していたカイル ブッシュがタイヤを壊してウォールにハゲしくヒット、
そのままガレージ行きとなりました。直前に軽くウォールに当てたのが原因のようです。
これで、JTG ドアティー レーシングの連続最下位記録は途切れましたw
コンプコーション前なのでこのコーションで給油はできませんが、ステージ1は無給油でもいけるため多くの車が
ピットへ。エリック ジョーンズはボックスからはみ出て作業してしまったため1周ペナルティーを受けました。
クルー チーフのクリス ゲイルはレース前「ピットでのミスは自殺行為だ」と言っていたそうなんですが。。。
この後30周でコンプコーションとなりますが、ケゼロウスキーは順位重視で2連続ステイ アウト。
さっき入らなかった人の多くが入ったので、2位にハムリンが戻ってきます。
ジョーイ ロガーノは先頭でピットに入りましたが、ホースが引っかかる珍しいミスで時間を要し後方へ転落。
壁の向こう側に電気ボックスがあったみたいですね。COVID-19特例で、ピット ウォール側の人員が
従来の10人から6人に減らされており、そのせいでこうしたささいなことでもすぐに対処する人がいなかったり、
転がしたタイヤを受け止められずにアンコントロール タイヤの違反になったりするケースが増えています。
35周目リスタート、イン側はトラクションがかからないのか、ハムリンはまたも大きく出遅れ。なんとか
ライアン ブレイニーを退けて2位を守ったものの、イン側リスタートはどうやら不利そうです。
この後タイヤの履歴差があるのでハムリンがケゼロウスキーに迫り、ブレイニーも含めた3つ巴の争いに発展。
ケゼロウスキーはインをわざと開けておいて、絶妙のライン取りで自らは旋回速度を保つラインを選んで先行を
許しません。これが優勝争いでそのままレースを終えてくれてもいいぐらいめちゃくちゃ面白いバトルが続きました。
途中軽い接触もあり、「本当にステージ1か?」と思うほど熱いバトルが続いた末に61周目、とうとうハムリンが
リード。なおも争いは続き、マット ディベネデトーも追いついて今度は4つ巴か!?と盛り上がっていた
ステージ残り13周、なんと今度はジミー ジョンソンがクリント ボイヤーと接触してスピン。
ボイヤーが前に詰まって失速、ジョンソンが空いたインに飛び込みましたが、ボイヤーはアウトからインに下りる
ライン取りで走るつもりだったため、出会いがしらのようにぶつかってしまいました。これはお互いに
ちょっと不注意でしたかねえ。
ステージ残り9周でリスタート、計7台がステイ アウトし、先ほどまでの上位ではブレイニーだけがステイ。
間に挟まっているのはそれほど速い車ではないため、ハムリンはあっという間に全部抜いて3周後にリード奪還。
そのままステージ1を制しました。ステイアウトが有効なのかそうでもないのか見極めが難しそうです。
ステージ2、先ほどピットに入った組はそのままステイアウトし、ハムリンを先頭にリスタート。
ちょっとカメラに雨粒がついているのが気になっていましたが、リスタートからほどなくして93周目に雨により
コーションとなりました。赤旗にはせずコーション周回でレースを流し、ピットがオープンになるとハムリンをはじめ
多くが入りました。しかし2位のマーティン トゥルーエックス ジュニアは痛恨のミス。
タイヤさんさようなら~(^^)/ これは受け取れなかったのでも跳ね返ったのでもなく、タイヤの転がし方が悪くて
変な回転をして明後日の方向へ最初から転がって行ってしまいました。
101周目のリスタートはケビン ハービックとブレイニーの並び。ブレイニーは戦略が裏目に出てステージ2開始から
集団に埋まっていたので、少々タイヤが古くてもとにかく前に出たい状態でした。が、ひどいルースの模様^^;
まあ我慢するしかない時間帯です。
リーダー争いはタイヤの古いハービックを早々にハムリンが抜いて快走。ただ、このレースはタイヤのセット数が
6セットとけっこう厳しく、ハムリンは既に残り2セットになっています。
ハムリンは2位のケゼロウスキーに1.5秒以上の差をつけており当面安泰かと思いましたが、徐々に
ハンドリングが悪化して周回遅れの処理にも苦戦しケゼロウスキーが接近。またもやこの2人の争いになりました。
146周目、とうとうケゼロウスキーが完全に前に出てリードを築きます。ケゼロウスキーはこの前のピットで
アジャストについて聞かれ「車に満足している」とノー アジャストだったそうなので、ロング ランの仕上がりに
かなり自信を持っています。
ステージ残り14周、6位のクリストファー ベルがスピンしてコーション。ここでほとんどがピットに入り、
オースティン ディロンが2タイヤのギャンブル。ステージ残り9周でリスタートとなりますが、ディロンの2タイヤは
あまりに無力で、あっさりと順位を下げることになってしまいました。そして3周としないうちにマット ケンゼスの
スピンでコーション。
これでステージ2は残り2周のシュートアウト、ケゼロウスキーとハムリンがまたやり合います。ハムリンは
2位からやや出遅れつつ、それをターンで挽回して一旦は先行しますが、もうハムリンにポイントを
くれてやるわけにはいかないケゼロウスキーが必至のリカバーでステージ2を僅差でものにしました。
今日は熱いバトルが多くて楽しいですね^^
多くはステイアウトで迎えたファイナル ステージ。ここで、ラバーが乗ってきたのかインのハムリンが蹴り出しから
ケゼロウスキーと互角になり、数周の争いを経て前に出ることに成功。直後、ケンゼスの単独クラッシュで
コーションとなりました。
201周目、ハムリンは外選択でリスタートしますが、ケゼロウスキーにインからかわされてまたリード チェンジ。
そしてまたケンゼスのクラッシュでコーションになります。さすがにケンゼスはこれでリタイアしました^^;
ここで燃料的にギリギリ走り切れるかもしれないタイミングなのでほとんどの車がピットへ。ロガーノが給油のみで
ピットを真っ先に脱出します。一方、ここ数回のコーションで燃料を継ぎ足していた面々は裏の戦略でステイアウト。
見た目上のオーダーが一変し、チェイス エリオットとリッキー ステンハウス ジュニアが1列目に来ました。
久々に映りましたね~、ボンドでナットをくっつけるクルーのみなさん。マスクして暑い中でこれをやるのも
たいがいしんどそうです。
209周目にリスタートされ、チェイス、ブレイニー、ハムリンの3台の争いが始まろうかというタイミングで、
ジョン ハンター ネメチェックのクラッシュでまたもやコーション。先ほどのステイアウト組は、ここで入れば
100%燃料が足りるのでピットに入りましたが、後ろに下がるので展開としてはあまりおいしくありません。
219周目のリスタート、ここ数回の情勢からハムリンはインを選択しリスタートは無難に対処したものの、
後ろにいたケゼロウスキーのペースが速く、今回はバトルする間もなく抜かれてしまいます。
ハムリンは内圧が上がるまでの数周はペースが上がらない傾向があり、数周するとケゼロウスキーとの
バトルが勃発しますが、ここはケゼロウスキーがしのいでリードを堅持すると、ハムリンはやや車がタイト方向で
ロングランが続くと曲がらなくなっている様子です。
残り53周、ベルがまたもタイヤ トラブルに見舞われましたがコーションにはならず。
このままコーションなく走りきる前提で考えると、205周目に給油した組は燃費とタイヤ摩耗を考えての走行に
なるためここからしばし耐久レース状態。ブレーキを酷使するとブレーキの熱からタイヤを破壊するので、
あらゆる動作を慎重に行う必要があります。
214周目に入った組ではハービックが少しずつ追い上げてきているものの、ケゼロウスキーとは
10秒以上離されて追いつける感じではありません。
全然関係ないですが、今回のライアン プリースのスキーム、ちょっとミニ四駆のトライダガーXっぽくないですか?
トライダガーはこのレース16位とまずまずの結果でした。
練習走行もやってないのに80周の長いランで何も起きないなんてまあないだろう、と思っていたら、
燃料を考えて走ることで結果的にブレーキとタイヤも守られらのか、この後はひたすら持久戦となり、各所で
順位争いが発生しつつも、ケゼロウスキーは完璧にレースをコントロールしてそのままトップでチェッカー。
通算33勝目を挙げました。2位ハムリン、3位トゥルーエックス、4位ロガーノ。ハービックは最後に
マット ディベネデトーをかわしましたが5位が精一杯でした。裏を行く戦略は外れました。
そのディベネデトー、抜かれはしましたが、ガス欠やタイヤ破壊でレースを失うことを考えれば
ハービックを前に出すのは仕方なかったでしょう。6位は上々の結果です。ただ、ロングランで特に速かったのに
ピット作業が遅くてステージ ポイントを全く獲ることができず、依然としてポイント15位で、17位のレディックとの差は
レース前とあまり変わらず40点差です。
そのレディックは10位、コール カスターが8位とまたもや新人は大活躍。一昔前は、ショートオーバルで
新人がそうそう上位を走れたもんじゃなかったので、シミュレーターの影響は大きいでしょうね。見事なものです。
個人的にオーバルの面白さは今回のケゼロウスキーとハムリンのバトルのような争いにこそあるなと
思っているので非常に楽しめました。ダーリントンもブリストルも、近年はインから簡単に抜けてしまって
内と外に分かれて争う場面が減っていたので、アウト、アウト、ミドルで防御するケゼロウスキーの立ち回りは
「これこれ、こういうのが見たかったのよ!」と思える好バトルでした。次戦はミシガンです。