最近、「内申〇〇で狙える公立高校」シリーズの記事がアクセス数の上位を占めており、高校受験に対する関心が一層高まっていると感じています。
ということで、そろそろデータ収集を終えている2021年度入試の「内申30付近で狙える高校」「内申33〜36で狙える高校」の記事も更新したいと思います。
これから書く内容は来年受験をする中学3年生を対象にしています。
データは創育さんの「神奈川県高校入試結果データ集」を元にしています。
内申30付近の公立高校は、集団塾にお子さんを通わせているご家庭の多くが最低でも進学して欲しいとお考えになられるレベルの高校です。
また、個別指導塾の私たちも激戦は避けられない高校ばかりというイメージです。
今回の記事は内申30付近で狙える公立高校を分析しています。
内申30付近で狙える公立高校については、以下の2つの基準で定義しています。
①内申90(30×3)の±2
→つまり内申88~92
②9科内申31の+2まで
→つまり内申93~99(33×3)
③偏差値47以下
【表①】2020年度神奈川県公立高校入試 合格者平均内申
■選考基準が「調:学:面=5:3:2」の高校はセルを水色にしています。
2020年度の確定倍率をみると、内申30付近①なら藤沢総合(1.17倍)、県立川崎(1.22倍)、藤沢清流(1.24倍)、川崎北(1.23倍)、内申30付近②なら逗子(1.16倍)、茅ケ崎(1.20倍)、城郷(1.31倍)が人気校です。
中3生も早い時期からこれらの高校を志望校に考えている子は多いのではないでしょうか。
また、2020年度の公立高校合格基準一覧表の内申と合格者平均内申を比較してみたいと思います。
■内申30付近①(基準内申→合格者平均内申)
藤沢総合 90→92.1
県立川崎 88→91.6
足柄高校 90→91.5
津久井浜 88→91.1
藤沢清流 88→89.9
綾瀬高校 88→89.7
金沢総合 87→89.6
川崎北工 85→89.2
旭高校項 86→89.0
伊勢原港 83→88.4
舞岡高校 84→88.3
■内申30付近②(基準内申→合格者平均内申)
有馬高校 93→100.2
上溝高校 97→98.3
逗子高校 91→98.2
茅ケ崎港 96→97.9
橋本高校 95→97.1
横浜立野 96→95.9
深沢高校 92→95.5
秦野曽屋 92→94.0
麻生高校 86→93.8
荏田高校 92→93.6
厚木西項 90→93.6
金井高校 90→93.5
城郷高校 88→92.3
…なんか基準内申って当てになんないですね(苦笑)
むしろ、内申30付近の生徒たちの多くが、できれば志望校の基準内申以上の内申を取って、なるべく余裕をもって受験したいと考えて、中3で内申を上げて受験した結果なのかもしれません。
私の内申30付近の生徒のイメージは、得意科目は頑張って勉強するけど、苦手科目は避けまくってギリギリまで勉強しない子です。
得意科目が複数あれば「4」も3~4個はあるかもしれませんが、苦手科目で「2」があると中1の頃から内申が29~31を行ったり来たりしている感じです。
そのループを抜けるには、苦手科目も逃げずに勉強することです。自学習の習慣自体はある子たちですので、苦手科目も頑張ってもらえるといいですね。
そういえば内申30付近の子って、お母さんや塾の先生に「やればできるのにもったいない」って最も言われている子たちかもしれません(笑)
【表②】2020年度神奈川県公立高校入試 合格者平均得点
■選考基準が「調:学:面=5:3:2」の高校はセルを水色にしています。
2020年度の神奈川県公立入試の教科別平均点は下記のようになっています。
■国語:69.1
■数学:55.7
■理科:55.9
■社会:58.2
■英語:49.4
■5科計:288.3
2020年度入試は2017年度以来の高平均点の年になりましたが、内申30付近クラスともなると理社の両方で50点以上の高校ばかりです。
多くの中3生たちがそろそろ模擬試験を受け始めていることと思いますが、理社はコツコツ暗記していかないと点数が伸びない科目です。
模擬試験を受けた中3生ほど理社の50点を取るのがどれほど大変か分かっていると思います。
だから、定期テスト勉強と並行して中1・2で学習した単元の復習を続けて欲しいです。
また、英語は内申30付近の高校といえども①では平均点が30点台②では多くの高校が40点台となっています。
英語は中学1年生から地道に英単語の暗記や英文法を勉強しないと、配点5点の英語長文問題を読んで、内容を理解して、解くことが難しいです。
英文読解問題は長文を読み慣れないと時間内に正答できる実力が身に付きません。
英語が苦手な生徒は学校の教科書でもよいので、毎日英文を読んで慣れて欲しいと思います。
国語は合格者平均が70点台の高校が出てきました。
それだけ、国語は確実に得点しなければいけない科目だということです。
国語も英語と同様、どれだけ時間内に問題文の内容を理解して正しい解答を選択できるかですので、国語の長文問題に慣れるトレーニングは定期的にやった方がよいでしょう。
2020年度の数学は2019年度と同じように点差の少ない科目でしたね。それだけ、受験生が解ける問題をしっかり解答して正解できた結果でしょう。
自分は数学が苦手だと認識している生徒は、確実に点数が取れる問題は絶対にミスしないように演習した方が良いでしょう。1つのミスが取り返しのつかないことになります。
また、数学が得意な生徒は、とことん突き抜けるような受験勉強をして欲しいです。上位校になるほど数学で点差が付きます。
最後までお読みいただきありがとうございます。