5月6日(木)


今週は、太郎君がお熱を出して、今日で3日家にいます。こんなときでも、パパはカリフォルニア出張。仕事があるっていいなぁ、と羨ましいです。こういうときには、子供が熱を出す度に、どうしのぐか きりきりしていた共働き時代を思い出します。熱を出した子供を誰かに預けて外に出る、ということ、もうできないなぁ。「こんなことは年に数回!」と歯をくいしばって凌いだ経験のある自分でさえ思うのだから、外で働いたことのない義母が「かわいそう」と涙ぐんだのも、今になってはよくわかります。それにしても専業主婦は、辛抱強くてえらいな。こうして、家族に何かあったときのために常にスタンバイしているのだから。専業主婦はカリフォルニア時代を入れればこれで3年目ですが、まだまだ覚悟が定まりません。まあ、ともかく有り余る時間があるので、アップデイトのチャンスです。


さて、3学期(4月~6月)まで、花子ちゃん達5th graderはCapstone Projectに取り組んでいます。これは、小学校6年間(kinder~5th)までの総まとめ的プロジェクトで、子供たちはそれぞれ自分の関心のあるテーマを選びリサーチをしてまとめ、発表します。学校から親あてに来た"Capstone Project Overview"というパケットから引用すると;

The final project of the elementary social studies curriculum is known as The Capstone Inquiry Research Project. In the course of exploring the Capstone Project, fifth grade students gather together the computer, study, abd research skills that they have learned throughtout elementary school to create a research project of their own design. Students are quided through the research and design process with the help of their classroom teachers, school librarioans, computer staff and other building and district professionals. They are taught to use "The Big 6" process which is a proven tool to aide elementary students in the successful conduct of independent research.


Capstoneのネーミングのもとはこれ。
米国東海岸子連れ生活日記

この屋根の部分がcapstoneで、keystoneとも言うのだそうです。この石は、その下の垂直にたっている石達を自分の重みとデザインでしっかりと支えている、

このことから伝統的にcapstoneは、"completeness"、""prominence"及び"glory"のシンボルである。教育はしばしばしば、建築の過程にたとえられるが、その意味で、それぞれの子供にとっての教育上のcapstoneとは、"culminating event"或いは"crowning achivement"である、という説明が添えられています。日本でいう「自由研究」ですが、こんな風に説明されるとすごく意味のあるものに感じられます。


定義の中に出てきたBig 6 プロセスとは、

Task1 Define the topic and scope of independent study

Task2 Rsearch possible cources of information

Task3 Locate information sources

Task4 Gather information

Task5 Organize information from multiple sources

Task6 Evaluate, reflect and present


全てのステップにparentsはしっかり関わり子供をsupportするように、というお達しもついていました。


さて、花子ちゃんはどんな課題を選んだのでしょうか。


その前に、immigrant projectでの苦い経験があります。日系アメリカ人について没頭した花子ちゃんについては以前にも書きましたが 、最後のまとめの段階になって、「書くことが多すぎる。どうまとめたらいいかわからない。」と泣きが入りました。ちょうど、G先生の課題が自由題のエッセーだったこともあって、「それじゃあ、日本語でエッセーを書いてみて、それを訳してみたら。」と浅はかなアドバイスをしてしまったのが間違いでした。花子ちゃんは、日本語で延々とエッセーを書きあげた後、それをコツコツと辞書やウィキペディアやその他もろもろ資料を参考にして訳し上げました。それなのに、完成したレポートを見た担任の先生から、「これは誰か他の人が書いたに違いない。」って物言いが付きました。レポートの最初(日系移民を選んだ理由)と最後(感想)の部分はハナコの言葉で書いているけれど、レポートの中に、"industrialized"や"California Alien Land Law"等の"big words"がたくさん出てくるからだというのです。驚いて、廊下に貼ってあるレポートの中から花子ちゃんの分を探し出し、初めて花子ちゃんのレポートを読んでみました。アメリカ人の子供よりも長いレポートです。3単元のSも抜けまくり、時制の一致なんかも相変わらず、めちゃくちゃ。それでも、花子ちゃんの日系移民への熱い思いが伝わってscamamはこの英語でよくもここまで、と涙ぐんでしまいました。先生がこの英語を親が書いたと思っているのなら、よっぽど親の英語が見くびられているんだわ、やっぱり会話能力ひどすぎるのかしら、なんて思ったりもして。大事件なので、パパも含めて一体どうしてこんなことになったのか、いろいろ考えてみましたが、結局、花子ちゃんの国語能力と英語能力にものすごいギャップがあって、日本語では当然知っているbig wordsを辞書を調べて英訳した李、ウィキペディアの英文から該当する表現を借りたりすると、先生にとってはハナコの知っているはずのない言葉が出てくることになるのだ、日本語でまず書いて英語に翻訳させたことが、そもそも間違いだったという結論に至りました。もちろん、夫婦で先生に説明しに行きました。先生は理解してくれましたが、これでは英語で考えることがいつまでもできない、capstone projectでは、日本語の資料をたくさん読まなければいけないトピックスは避けるように、というアドバイスを受けました。


花子ちゃんは、クラスでジャパン・バッシング を受けた経験から、日本とアメリカのことをもっと知って日本の良いところをアメリカ人に知らせる、ということをミッションにしているらしく(日系移民レポートの冒頭もこれから始まっていました)、今回のプロジェクトは「憲法9条」で行く、と息巻いていたものですから、課題の選択も最初からやり直しです。「じゃあさ、アメリカ人から見た日本人の姿の移り変わり」とかにしてみたら、なんて、あくまで米日にこだわったアドバイスをしていましたが、花子ちゃんの最終決定にびっくり。「マヤ文明は何故滅びたか。」なんだそうです。カンクン旅行の時に見たチェチェン・イッツァの技術の高さに感動したのだけれど、何故簡単にスペインに負けてしまったのかを知りたい、のだそうです。正直、マヤ文明なんてscamamは何にも知らないから、学校から親が関与するように、って言われたって何にも助けられない、「あなた一人でやることになるわよ。」って脅しましたが、「いいよ。」というので、もう全て○投げでお任せすることにしました。


その後、花子ちゃんがこの課題を進めるのを見ていて、とても奥が深いことがわかってきました。マヤ文明は、古典期と後古典期、大きく二つに分かれ、古典期がいったん9世紀に滅んだあと、場所を移動して後古典期文明が再興し16世紀のスペインによる征服に至ります。9世紀の滅亡は、文明あるいは社会の成立基盤について考えさせられるポイントがいくつもあるし、スペインの征服についてはスペイン側の事情を考えればムスリム侵攻やレコンキスタまで行きつくので壮大です。いったんは、「何も助けられないわよ。」と言い放ってみたものの、口が出したくてうっとうしがられている今日この頃です。