2009年3月16日記事 (再更新)
麻薬密売組織にリクルートされた10代の少年達
銃で殺人の罪で取調べを受ける少年
メキシコの麻薬カルテル戦争が、アメリカ人少年達を巻き込んで激化している。
最近、アメリカで10代の少年達が銃を発砲する殺人事件を起こした。
逮捕して取調べたところ、少年達がメキシコ国境沿いの町で遊んでいると、
メキシコの麻薬暗殺組織(Zetas)からリクルートされて銃を手渡されたという。
彼らは銃で人を殺すことに喜びを感じていた。興奮してはしゃいでいた。
仲間達と、殺人を犯すことをゲームにして競争しているという。
もっと人を殺したいと笑って応じている姿は、麻薬にでも犯されているの
だろうかと思った。けれども年齢は、まだ10代のあどけない少年達だ。
彼らは、13歳から雇われて殺人を始めているそうだ。
ノルマを達成すれば、1週間に500㌦を稼ぐことができたという。
また多いときは、1人10000万ドルを報酬として貰えることもあったようだ。
携帯電話に暗殺メールが送られてくるため、それに従って行動していた。
二人の少年は、メキシコの暗殺特殊軍の兵士から殺害プログラムの
訓練を受けていたようだ。
貧困層の子供達がリクルートされるだけではなく、一般的な中流や上流の
家庭の子供達も対象にされているという。アメリカ社会の中に融合できるため、
メキシコから国境を越えるよりも、アメリカ人の子供を利用して犯罪をした方が
麻薬カルテルもリスクが少ないと考えているという。
メキシコ麻薬密売組織にとっては、アメリカが最大の麻薬市場と考えており、
今後も、こういったリクルートは増え、殺人、麻薬売買が増加するようだ。
現在、アメリカ国内では1200以上の麻薬組織があるとみられている。
Zetas(ゼタ)は、メキシコ軍で銃撃部隊だった軍人が、軍人仲間を連れて
麻薬組織を形成している。アメリカ、フランス、イスラエルなどの軍専門家から
訓練を受けるなど、武器を多く持ち高度な技術を持っているとみられる。
先日、メキシコ人でアメリカに亡命した女性ジャーナリストが、
メキシコ警察の内部事情について語っていたことがあった。
メキシコ国内で取材活動を行っていた時に、レイプや暴行などを受けたため
警察にボディーガードを依頼していたが、その警察が女性を拉致して暴行を
加えて脅してきたと話していた。
女性は、警察官も麻薬カルテルの組織の一味なので、信じることができないと
話していた。
そして、元メキシコ軍の軍人だった男も取材を受けていたが、その男は、
一時期、麻薬密売組織のボディガードをしていたと話していた。
結局、メキシコ軍のサラリーは、1ヶ月に3000~3500ペソ(200㌦)程度しか得られない。
生活ができないので、麻薬カルテルからの仕事の話を受け入れたと話していた。
メキシコ軍の軍人の中には麻薬カルテルに精通する者が大勢いるため、
軍内部の情報が麻薬カルテル側に流れているような状況が続いている。
アメリカは、アフガン国境付近のスワットバレイにはテロ集団のアジトがあり、
徹底的にタリバンとテロとの戦いをすると宣言していた。
そんなことをしている間に、アメリカとメキシコ国境付近では、若年層のアメリカ人を
ターゲットにリクルートして、麻薬密売人やテロリストの予備軍を育てるべく訓練を
しているので、アメリカにとっては、その方が脅威になるような気がしてならない。
Rusty Fleming(ラスティ・フレミング)監督が、アメリカとメキシコの国境付近の
麻薬密売組織追った短編ドキュメント映画を製作したものがあるらしい。
作品名は、Drug Wars (ドラッグ戦争)2008年12月に製作。
