輸液の温度に気をつけましょう | 一般社団法人 短腸症候群の会 ameba支部

一般社団法人 短腸症候群の会 ameba支部

短腸症候群の患者や取り巻く人々が行き交い、情報交換や交流ができる場所を目指します
当会は難病のこども支援全国ネットワークの親の会に参加しています

 

猛暑が続いていたころに「中心静脈栄養を行っている状態で外出すると暑さで輸液が温まってしまうことがあって問題ないか気になっている」との相談を受けました。

専門医に質問したところ、「輸液が温まってしまったことによる体調不良の話は聞いたことがない。今まで輸液の温度を気にしたことがなかったので、今後の課題になると思う」とのことでした。

 

中心静脈栄養でよく使われているエルネオパの製造元である株式会社大塚製薬工場にも問い合わせたところ、「室温(1~30℃)までのデータしか持ち合わせていない」とのことでしたが、「遮光を行うなどして輸液が温まらないよう」にしてほしいとのことでした。

 

今のところ、輸液が温まってしまったことによる体調不良は知られていないが、メーカーでも想定されていないので起こっていないとは断言できないため、遮光を行うなどして輸液が温まらないようにした方が良い、ということなのだろうと思います。

 

中心静脈栄養などで輸液バッグをつないだ状態で外出される方は、輸液バッグなど一式をカバンやリュックサックなどに入れていることが多いと思いますので、遮光はできていると思います。

それ以上の対策としては、外出前に輸液バッグを保冷バッグに入れると良いかもしれません。

保冷バッグは冷凍食品などを入れるための表面や内側が銀色をした物が様々な大きさや形で安価に売られていますから、使いやすい物を選んでいただければと思います。

 

ただ、輸液バッグに保冷剤を当てて直接冷やすことは良くないようです。

輸液が15℃以下に冷えてしまうと血管痛の原因になりますので、気をつけてください。

 

また、寒さで輸液が冷たくなってしまう場合も、使い捨てカイロなどを当てて直接温めるのではなく、保冷バッグ(保温にも使えます)に入れると良さそうです。

 

(代表理事:高橋(正)記)