すべては「愛」に行きつく、というこの世のしくみ
お母さんとの問題ってね、誰にとっても深くて大きいんです。
お母さんだけじゃなく、お父さん、兄弟、家族との関係は、単純じゃない。
他人だったら、好きだったら、心地よかったら付き合えばいいし、不愉快で嫌いなら会わなければいい。
だけど、家族は、「大好き」と「大嫌い」が一緒にあるから難しいの。
例えば、「毒親」と言われる親だったから親が大嫌い、と言う人だって、
そもそもは、一番自分を愛してほしい人がそうでなかったから、その悲しみから「大嫌い」になってるんだしね。
親は、誰にとってもとてもとても大きな存在なんです。
本当はとても大切だから、自分にとってそれだけ大きい存在だから、
「大嫌い」にもなれるし、「殺したいほど憎む」ことさえできる。
「大嫌い」100%なら簡単だけれど、同時に「愛してる」「大好き」がある。
親への感情は、だからみんな苦しいんです。
私たちは生まれたとき、誰かが守って育ててくれないと生きていけない存在。
親だけが頼り。
赤ちゃんにとって親は、この世の神様みたいなものなんですよ。
赤ちゃんは、世話してもらわないとご飯も食べれない、命を維持できない。
だから、全身で親に100%頼る。
その時に、自分にとっての100%が返してもらえなかったら、まっさらな赤ちゃんにとっては、ひとつひとつが大ショック。
さらに成長していくにつれ、「しつけ」という名の矯正が始まり、
「自分のままではいけないんだ」と、大なり小なりみんな思うようになる。
世界で一番大切な人に、唯一絶対の存在に、自分の全部を、100%を受け入れてほしいのに、無条件では受け入れてもらえない、
それどころか、役に立たないと捨てられるのかもしれない、
そう感じたときのショック、寂しさ、切ない悲しみが、人の悩みの一番奥にあるんじゃないかと、私は思います。
(実際はほとんどの親子がそうではないんですが、未熟な子供の視点、心の世界では、無条件の愛を感じられないことをこじらせると「見捨てられ不安」になっていきます)
人が怒るのは、
その奥に「悲しみ」があるから。
痛くて傷ついた思いが大きい人は、それ以上傷つくのを防ぐため、怒ることで自分を守っています。
その傷を持ったまま大人になると、人と親密になることを避けるようになります。
過去の親との関係で否定された、拒絶されたと感じたことがあると、
誰かに近づくことで、
好きになってしまった、その人が自分にとって大きな存在になってしまった後で、また同じように拒絶されてしまうことが耐えられないから、
そうならないよう、最初から距離を取ったり、心を開くことにブレーキをかけてしまう。
(これにはもちろん個人差があって、傷のレベルによっては生きるのに支障ないレベルであったり、分野ごとにそういうことが出たり出なかったりします)
セッションをしていると、どの方も、今の悩みからたどって行き付く先は、必ず「親」です。
(その親の元に生まれたこと、その出来事が起こり、そのように感じた、ということには過去世がいくつも関係していて、結構壮大なネットワーク、伏線のように絡み合って今と繋がっています)
今の悩み、感情、思い癖、それらにはすべて原因となる出来事があり、
その繰り返しで「今のその人」が出来上がっています。
現世での出来事、
生まれた環境、
自分自身の性格、遺伝、
すべては関連し合っていて、解きほぐすとそれらは繋がって、その意味が明らかになっていきます。
癒されて行くと、
怒ることが無くなっていくのは、
悲しみが癒されるから。
落ち込むことが無くなるのは、
「本当は愛されていた」
「ちゃんと受け入れられていた」と思い出して、
自分を責める呪縛が解けるから。
そして、
誰に受け入れてもらうより前に、
自分自身が誰よりも、自分を受け入れてくれていた、ということが分かるようになるから。
「自分でいいんだ」と感じられるようになるから。
癒された後は、
辛かった思い出の色が、
温かい、優しい記憶に変わっています。
自分の心の世界が、
グレーから、
温かい、色彩豊かな幸せな世界になるんです。
一度自分の心の中に「平安」を見つけると、いつでもそこに戻ることが出来るようになります。
癒されるって、そういうことなんです。