女性同士のおしゃべり | フォトグラファーSayoの乳がん日記

フォトグラファーSayoの乳がん日記

09年4月,浸潤性乳管癌を告知される//リンパ転移あり//トリプルネガティブ患者//術前化学療法CE4クール+TC2クール→癌肥大によりCE2クール//09年10月,部分切除+リンパ切除//09年11月,右膝骨・肝臓・肺転移 右膝に放射線照射//09年12月,パラプラチン投与開始

2009年4月。


S診療所は乳腺専門の病院として

2~3年前に開業されたらしく、

患者さんのほとんどが女性。


病院もキレイだし、看護士さんも女性で

いつもニコニコしていてくれる。


その中で、気の合う看護師さんが2~3人いる。


“患者と看護師”

という関係ではなく、

“女同士の世間話”

といったところか。


「副作用で肛門の調子悪くて辛いーーー・・。」

って言ったら

「はいはい、もうまた・・・。

この薬塗っといたら大丈ーーー夫。

はい、どーぞ。」


みたいな扱いを看護師さんにされる。


患者らしく扱われないから

なんだか嬉しくて。



と言ったところで

向こうは仕事なのだけれど・・・。



入院中、

病室にはだいたい、

面倒見のいい方が一人はいらっしゃる。


「私明日退院で、テレビカードがあまっているから、

あなたにあげるわっ」


入院中、同部屋にいたおばさまに

テレビカードをいただいた。


本来、20時間ほどのテレビカードを

買わなければテレビは見れないのだが、

ラッキーなことに私はいただけた。


おかげさまでテレビに不自由なく

入院生活は送れた。



女性同士はよくお喋りをする。

情報交換の、そのほどんどが食堂で繰り広げられる。


一人の患者さんが言っていた。


「不妊治療をしている娘がいて、

その娘に負担をかけてはいけないので、

私が乳がんであることを隠しているんです・・・。」


乳がんであることを家族に

隠し続けるなんて、私にはできない。


両親や兄弟にはこれでもかってくらい

甘えているので、娘さんの事を想って

ひた隠しにするその方は、

とてもお強いんだろう・・・。


そんな方もいらっしゃるんだなと、

同じ乳がん患者として少し胸が痛んだ。




周りの方は化学療法により

脱毛している方がほとんどだったので

それを隠すように、

ニット帽をかぶっておられる方がほとんど。


当時、私は化学療法スタートしたて。

脱毛は、化学療法後2~3週間後から現れるので、

まだ髪の毛が抜けていなかった。


だからなのか、

「今はどの治療中?」

なんて、よく聞かれた。


見た目は普通だもん。



さらに、周りの方から比べると

私は若い。

30歳の私は、確かに浮いている。


だいたい、40~60代の方がほとんど。


でも、

「若いから大変ね」

なんて同情はされない。


それがほんとにありがたかった。



ちょい古いが、

安達祐実の有名なドラマのセリフ、


「同情するなら金をくれ!!!」

(‘金’を‘治療費’とでもしておこうか)


まぁ、そんな心境だ。



一緒にがんばっていきましょう!!!

って、おば様方からエールをもらえるのだ。



だから私も誰かにパワーをあげたい。



女は強いなぁ。