あなたは最近どんな人助けをしましたか?
今日の私には痛いひとことです。
本当は行動しても、人助けどころか只のエゴだったと思うけど。
朝、通学の電車内でのお話。
通勤・通学時間で車内は込み合っていました。立っているのが大半の状態。
そんな中、靴を脱いで窓の外を見る5才くらいの男の子と、大きなリュックを背負った母親らしき女性が座ってました。
ここまではよくある風景です。
私が乗り込んだ駅からしばらく経った時、ふいに母親が声を上げました。
リュックのポケットから○○を出して、私じゃ取れないから、と。
男の子は素直に母親の背後のリュックのポケットから何かを取り出そうとしています。
男の子の座っている目線からは高すぎるのか、なかなか目当てのものが出せないようでした。
そもそもいくつもポケットがあって位置が分からなかったのかな。
男の子が間違えて違うものを出した途端、母親が突然声を荒らげました。
「出せよ!早くしろ!!」
当然のことですが、私を含めて周囲の人間は唖然としました。
声自体は大きくないものの、とても高圧的で怖かった。
その後も男の子が出せないでいると、間違って出したティッシュを男の子の顔に擦り付けながら「ちゃんと戻せよ!」とか、出したものと車内に取り落とすと「おまえが拾うんだからな!」とか散々な口調が続きました。
さらにその間も、出せよ!とか位置分かってるだろ!といった言葉が続いています。
最終的に子供が目当てのものを出しても、ありがとうもなし。
間違って出したものを正しいところに戻せとせっついていました。
おそらく5分もなかったけれど、気持ちの上ではとても長かったです。
周囲の会社員や学生も不安そうに見ています。
いつ手を出すか、髪を掴むくらいはするかもしれない。すこし離れた位置でそう思いながら、私が声を上げればこの子は叱責から開放されるのか、と自問自答していました。
このタイプの親は、自分が咎められても子供に転嫁して「おまえのせいで叱られた」だの何だの言いかねません。
非のないことにすら激しく言い募る親ですから。
だからといって周囲の人間が間に入らなくて、この子は誰が守るのだろう。
今回は最終的に親は子供を無視し始めたようでしたが、親からの暴力は言葉であれ力であれ辛い。
あなたの存在を認めないという姿勢。無視だって暴力です。
男の子は幾度か聞こえたウン、という声以外、最初から最後まで一言も言葉を発しませんでした。
親に無視されてからは、また無言で窓の外を見ていました。
子供を持ったことのない私が母親の気苦労を悟らずに非難しても、それは幼い正義感だったと思います。
非難しなければ、この寒い日に薄手の短パンで外出させられる男の子の心は閉じかかったままでしょう。
私は結局、母親を止めませんでした。
母親が無視しだしたのが大きな理由でもあったけれど、何より勇気がなかった。
情けないと思います。
現代の大人は、もう子供を守れないんだろうな。
私の親も、私がいじめられたとき、本当の意味で私を守ってくれなかった。心の支えになってくれるだけで良かったのに。
過去を思い出しつつ男の子がぶたれませんようにと願いつつ、到着駅で降りた私でした。