白い鳥 | さらさのブログ

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スピリチュアル、グルメ、旅行、セラピー、日々の生活のこと、我が家に起こった不思議なことなど思うままに書いています。

フランスの映画『パリタクシー』を観た。タクシードライバーと92歳のマダムの話。とても良かった。すると、なぜかふと母を思い出した。





母が亡くなって私は毎日泣いていた。手を繋いで歩くほど仲が良かった私たち。母を亡くしてから私は母の側に行きたくて仕方がなかった。毎日側に行きたいと願っていた。自殺とかそんなつもりは全く無くて単に母の側に行きたかっただけなのだが、きょうだいは少し心配していたらしい。





仏壇の花が人が指でちょんっと触ったように大きく弾けた感じで揺れたり、ダイニングのお皿がすーっと横に動いたり、外でふとお線香の香りがしたり、そんなことがよくあった。


宜保さん曰く、それらは全て亡き母が『私はここにいるよ』と存在を知らせているという事だった。



「お母ちゃんやろう?花を動かしてみて」

そう言ってみると、風もない場所なのに家族みんなの前で花びらが何回も揺れた事もある。




そんな母の気配は沢山あったけれど、今まで側にいた母の姿は見えず、母はもうあっち側にいて存在だけ知らせてくる。それがまた現実として何とも悲しかった。






でも何故か母は夢には一切出てこなかった。






そして1年ほど経ったころ、明け方に初めて母が夢に出てきた。




生前の姿だけどなぜか無表情な母。

ただ一言、『ありがとう』、そう言って空に向かって白い鳥に姿を変えて飛んで行った。



私は泣きながら「お母ちゃん!」と言って目覚めた。



あれはただの夢ではなく母だった。



明け方に見る夢は大抵亡くなった人が出てきている。



母はいつまでも泣いている私にちゃんと別れを告げ、前を向きなさいと言いにきたのだろうと思った。






宜保さんに後日聞いたとき、私があまりに悲しむので敢えて母は夢にも出てこないようにしていたらしい。



笑顔が印象的な母が夢では無表情だったのが気になったが、亡くなった仏さんは無表情な人が多いとか。





亡くなった人が夢に出てこないで寂しく思う人も多いはず。もしかすると私のように悲しみすぎると故人はあえて出てこないこともあるのかも知れない。