１２９）ニューギニアの戦い（日本軍の挫折）

日本はオーストラリアを占領する計画はなかった。しかし、二ューギニアを占領してオース

トラリアとアメリカの関係を断ち切るつもりであった。

ニューギニアはオーストラリアと大東亜共栄圏の間の島である

島の半分は日本軍に支配されている・・・

マッカーサーは、日本が島の南側にあるポートモレスビーを攻撃すると考えていた。

日本軍はインドを侵略せず、南方に進撃してニューギニアに向かっていた。すでに島の西側を占領して要塞化しており、次の目標は、オーストラリア侵略の基地となるポートモレスビーだった。(Reminiscences, Part 6)

事実、真珠湾攻撃から6ヶ月後、日本軍はポートモレスビーの占領を計画した・・・

５月になると、日本軍はポートモレスビーの占領作戦を実行した。ラバウルに大きな艦隊が集められ、ニューギニア占領の輸送船団を護衛するために出撃した。アメリカ軍は日本海軍の暗号を解読して、寄せ集めの艦隊を作り、珊瑚海で待ち伏せした（オーストラリア戦争外公文書）。

珊瑚海海戦は史上初の空母の戦いとして知られている・・・

日米の艦隊はお互いの姿を見ずに航空機だけで戦った・・・

アメリカは空母レキシントンを撃沈され、ヨークタウンが大破・・・

沈没するレキシントン　　　　　　　大破したヨークタウン

日本側は軽空母祥鳳が沈没、翔鶴と瑞鶴が被害を受けた。

祥鳳　　　　　　　　　　　　　　　　翔鶴

瑞鶴

アメリカの被害の方が大きかったが、日本側は上陸部隊を引き上げねばならなかった・・・

空母同士の戦いで日米どちらもが大きな被害を受けた。しかし、日本は上陸部隊をラバウルに引き上げたので、戦術的にはアメリカ軍の勝利であった。ニューギニアは一時的に守られたのだった（オーストラリア戦争外公文書）

日本の侵略を恐れるオーストラリア人は自分の国を守る気持ちがさらに強くなる

オーストラリア軍は装備も人数も貧弱だが、総司令官であるマッカーサーは日本軍へ

の攻撃を命じた・・・

山脈（ココダ・トレイル）を通ってポートモレスビーに向かう日本軍を、

オーストラリア軍が攻撃した・・・

集結したオーストラリア軍・・・

ココダの戦い８０周年（オーストラリア戦争外交文書）

密林のスーパーマンと恐れられる日本兵

「正面攻撃するな。日本軍の弱いところを攻撃せよ」と命令するマッカーサー

劣勢のオーストラリア兵は攻撃しては逃げるような戦い方をした・・・

ココダ・トレイル（山脈の道）は、オーストラリアの魂と心の拠り所だったと思う。この地を守れれば、我々はオーストラリアを（日本から）守れると信じていた。ポール・キーティング、１９９２

日本軍を待ち伏せするオーストラリア兵・・・

ゲリラのように攻撃するオーストラリア兵に反撃する日本兵たち・・・

日本軍はオーストラリアを占領する計画はなかった・・・アメリカから孤立させて大東亜共栄圏の南側を守るつもりだった。しかし、その作戦が失敗して、オーストラリアにアメリカから援軍と戦争物資が送られた。(Holding New Guinea: A first Defeat for Japan's Land forces, JHON BROWN, WAREFARE HISTORY NETWORK, WINTER 2013)

首相ジョン・カーティンはチャーチルと交渉して、ヨーロッパに送られた軍隊をオーストラリアに戻した。

６月にオーストラリアの第６、７師団がヨーロッパから戻ると、連合軍は４０万人の兵士をニューギニアに送った。そのほとんどがオーストラリア兵で、最高司令官はダグラス・マッカーサーである（オーストラリア戦争外交文書）。

アメリカの援助が来るとオーストラリアは兵も装備も増強した・・・