(来月、球技大会があるやろ?それのな種目が決まったんや。)







私たちのクラスは3年生で今年最後の球技大会になる。



別に毎年、どうも思ってへんかったけど…



今年はなんか球技大会に対する思いがちがう。
だって、もう最後なんやで?


あと数ヶ月で卒業やし。





「だりぃなぁ〜…」




「なんで球技大会なんかあるねん。」




「さぼろ…」






クラスの男子からはそんな私の思いと反対の声が聞こえて来た。







(おいおい、そんなこと言って…今年はドッジボールになったんや。全クラス学年関係なしに対戦して優勝が決まるんやで?やる気になるやろ。

クラス全員で協力して出来る最後の事や。)






先生の言葉に余計に私は反応してしまう。




そうやんな、力を合わせた最後の思い出になる…



それがその一つの場所でみんなでって言うのがまた違う。






(やから、休憩時間とか使ってドッジボールして見てさ作戦とか立てたらええからな!)






担任はすごくやる気満々やのに…


みんなは一切聞いてない。
特に男子。






私がまとめなあかんなって思った。








休憩時間。






『なぁ、練習しようや。』




「え、彩…めっちゃやる気やん。」



『当たり前やろ!最後の球技大会やねんで?』




すると、それを聞いた朱里と美優紀は嬉しそうな顔をした。




「ふふっ、私はその言葉を待ってましたぁ〜!
先生と彩ちゃんが言う通り最後やもんな。」



「確かにそうやな!やるならクラス全員で戦って優勝したい!!」




『やろ!やから頑張ろうや!』




私たちの会話に近くにいた女子全員が、来てくれて賛同してくれた。





「あとは…」



『男子か。』




そう思って、その方向へ視線を向けると早速逃げようとしてた。







「あ!ちょっとどこ行くねん!!」



「待ちなさいー!!」



『ももか!!』





その逃げようとしてた人たちは、私の幼馴染みの木下百花と…美優紀の彼氏の上西恵。

そして、朱里の彼氏の岸野里香だった。



「なんで俺だけ指名やねん。」



『いや、話聞いてたやろ?』




「いやぁ…聞いてへんなぁ?」




そうやってとぼけたふりをする。


ほんまに、いっつもこうや…




『むぅ!!』




「彩、怒ってるやんかー!」



「そうやで!彩ちゃん怒ったら怖いねんから〜」




すると、恵と里香は…




「分かったって…」



「俺らは別になんも言ってへんよ。百花が1人言ってるだけやん…」





私たちに教室に詰め寄られると、行き場がなくなり諦めた。






「だって、こんなんかったるいわ。やってられへん…」








『誰か1人でもそっぽ向いてたら、一つになれるわけないやろ。校内で一番弱いやつやってそんなレッテル貼られてもええん?

私は耐えられへんよ…』





みんなが賛同してくれてるのに、ほんまに百花は正義の味方じゃないヒーローやんか。


私からしたら百花がやる気になってくれへんと、何も始まらへんねん。


一度くらいは、お願い聞いてくれたってええのになぁ…





『あと少しで卒業やからさ、みんなで思い出作りたかったんや…』





すると、私の目を見てちょっとぶきらぼうにニコリともせずに。



「うるせぇな、はぁ…分かったよ。」



机に足を乗せたまんまやけど…そう言ってくれた。






すると、みんなも嬉しそうにこっち見ていた…











それから、球技大会の練習を始めた。



ソフトボール部とかバレー部、野球部がいるクラスは要注意で作戦会議とかもしていった…












「それなら、お前はソフトボール部なんやからさ…ここがええんちゃう?」




「あ、確かに…」




「それでお前は外野がええと思う。」






私が何も言わなくても、グランド真ん中に立って引っ張ってくれた。








色んな百花を見て来たけど…なんだか、
今まで一番頼もしく思えた。



眩しいなって。


















「はぁっ…疲れたぁ。」




『ふふ、お疲れ様。ありがとうな?』



「ん、別にええねん…」




そう優しく答えて、私が渡した水を飲む…





『じゃあさ、もし…百花が大活躍したらな?』




「なんや?」











『キス…したるわ。』















「……ブフォッー!!」




私の言葉にいきなり水を吐き出した。





「げほっ!!げほっ!!…」




『ちょっと、大丈夫?』



急いで背中をさすりながら、聞くと…




「げほっ…ん、大丈夫や。それほんまか?」




『え?まぁ、うん…』



ほんの冗談って終わらせようとしてたけど、百花の目が本気だった。





「よしっ、頑張るで!!」




『ふふ、そのいきやで?一緒に頑張ろうな!』




「おう!!」





どれくらいこの戦いに意味があるかは分からへんけど、きっと私たちのためになると思う。



良いクラスだったなって、いつかどこかで昔話したいな?





私のキスをご褒美に…

釣られまくりのマイ・ヒーロー。




大好きやでっ。