ファーストラヴ

島本理生

 

 

 

直木賞受賞作 島本理生さんの長編ミステリー

 

ドラマ化 そして 現在公開中 映画化にもなりましたね

 

 

↑公式サイトはこちら

 

映画はまだ観ておりませんが

まずは 小説から手にしてみました

 

ファーストラヴ

と聞いて 「初恋」(?)とイメージさせますが

読み終わると もっと深い意味での理解が広がりました

 

生まれて誰しもが愛される存在であることが理想ですが

愛すること 愛されることの歪み

 

社会問題でもある

児童虐待 性的虐待 DV モラルハラスメントなど

小説の中では やわらかくメスをいれている

 

「現在は過去の中にもある」

と言いますが

 

現在の課題は過去に課題があったという理解

すなわち 今の問題ですが 解決するのは過去の経験からとも言います

 

わたし自身 親から虐待を受けたお子さんと

何度かお会いしてお話を伺う機会がありますが

彼らの中に

「愛されるには どうしたらいいのか?」

「捨てられるのが怖いから 言うことを聞く」

という歪んだ心を持っています

 

本来は 愛を受け取る方である子供たちですが

「自分がいい子でいなければ 親に愛されない」

という考えが

大人になっても それが抜けきれなく

社会においても それが先に出てしまう

 

相手の言うことを聞く

自分が我慢していれば

丸く収まる

 

の繰り返しで

本当に自分が欲してるものが何なのか

わからなくなってしまうような気がします

 

トラウマを隠すのではなく「向き合う勇気」

改善には必要になってくるのではないかとも思う

 

映画では

国家資格である 公認心理士が登場してきます

(※小説では 臨床心理士ですが)

2017年に施行された 新しい国家資格ですが

公認心理士の役割など

 

虐待を受けたお子さんや

DVなどを受けた方など

心に問題を抱える患者さんに必要なケアが届きやすくなること

医師の負担軽減や心理職の雇用拡大につながっていくなど

公認心理士さんという仕事に注目が集まっています

 

また 虐待 DVは繰り返されてしまうことも

親子間からまた その虐待を受けた子供が家庭を持つことで

繰り返される 家庭という密室で行われていることも実に悲しいですが

 

どこかで ストップさせたいものです

生まれて育った環境が歪んで恵まれていなくても

温かい人に出会って救われることもある

 

読み終わって

わたしの中での

ファーストラヴは 初恋ではなく

生まれて初めて受ける親(人)の愛情

であるなと感じた次第です

 

親(パートナー)に愛されなくても

周りの人が救ってくれる場合もあります

 

「助けて」

と声を上げること ホントに必要ですが

もしかすると 麻痺して それさえもできるエネルギーも当事者にはないのかも

 

しかし

ちょっとしたサイン

(学校などで)

見逃してはならないと思う