雪組のだいもんときいちゃんがエリザベートをご観劇。帰り際に楽屋で会えて大盛り上がりでした。まもなく壬生義士伝・東京公演ですね。どっかで時間作って観に行こうと思ってますが、まだ僕の方の8月がどうなるか詳細は出てません。


さてそのお二人が出演したFNS歌謡祭見ました?僕はとりあえず録画して早送りで見ましたが、お二人のところはじっくり聴かせてもらいました。やはりあの二人は歌がうまい。ちゃんと歌詞に気持ちが乗るところが気持ちいい。

ところで全体を見ていておや?と思いました。オープニングに近いところで劇団四季、中頃に雪組、最後に東宝と、これってミュージカル仕切り構成?ミュージカルの認知度も上がったものです。10数年前なら中盤にチョロっとしか扱われなかったミュージカル 。いまや番組構成としても重要視されるようになったのですね。


しかし多くのシンガーに囲まれた状態で宝塚メイクに宝塚衣装で登場したお二人。正直言うと一般の人のなかにはこの格好が馴染めないという人も多いようで、僕も宝塚に関わるまで馴染めなかったものです。でもその印象が昨日覆りました。問題はあのとても目立つ格好よりもそのあとの歌だったんだと認識させられました。

宝塚に限らずミュージカルの役者は一般の衣装のシンガーに混ざって出演すると、一目で「あ、ミュージカルの人なのね」と認識する衣装を着させられることが多いです。正直過去のこういう番組ではミュージカル役者がトップシンガーに混ざった時、どうしても歌の実力で劣って聴こえることが多かったのです。つまり圧倒的に目立つのに歌が…ということが多かった気がします。

しかし昨日。一見した時は「あー、やはり普通の格好じゃ出してくれないのね」と思いました。が!歌い出したとき、普通のシンガーに引けを取らないその歌声が聴こえた途端、なんともあのメイクと衣装が素敵に見えたのです。新妻さんときいちゃんのデュオ。新妻さんは普通の衣装。きいちゃんドレス。後ろの「ラプンツェル」の絵とも馴染んだのがきいちゃんの方でした。ただしこれもあの歌唱力があってからこそ。逆に言えば歌唱力があればあの衣装がより良い雰囲気を作ってくれることに驚きました。もちろんだいもんもしかり。彼(彼女?)は今までにない男役のような気がしてなりません。男性キーと女性キー。それに新たに大門キーがあるような感じ。音域に対して声質や息のスピード感が無理してないというか…あ、あまり言うと専門的になってしまいますが。ひとりこう言うタイプが現れると追随する人が増えると思うので良い効果になるだろうなぁと思います(あくまで音楽面から見た話ですよ。他の男役さんを批判するものではありません)。周りのダンサーに出演した方々もカッコ良かったですよ。まさに「宝塚ここにあり」でした。まあ僕は内部の人間ではないですが…


もうひとつ象徴的なことがありました。劇団四季のキャッツのオーバーチャーが僕の録音したものだったというのはどうでもいいんですが、「メモリー」のソロナンバー。何という方なのか僕は存じあげないのですが(失礼!)僕なら彼女の声の伸びに対してもうほんの気持ち早いテンポにしてあげると彼女の良さが引き立つのになぁ、と思いながら見てました。テープに合わせて声の伸びを調整しなきゃならない歌い方って大変です。

こんなこと気になるのは指揮者の職業病なのかもしれません。