TQC(TQM)は全社的品質管理のことであるが、この全社的というのは「全部門」の意味でもあるし、全社員ということでもある。つまり各部門の「品質管理部」だけが行うものではなくて、全社員参加が生産工程での「品質の作りこみ」には不可欠なのである。
昔聞いたのだが、「米国の車は月曜日に作られたものは買うな」というジョークがあった。エンジンルームにコーラの感が入っていた、などの噂であった。つまり休日明けの作業員は「休みボケ」で仕事をするから、ということであった。つまり作業員一人一人が品質に関しての意識をもって作業に当たる、ということの大切さを表しているのである。
一方、日本ではデミング博士の教えをさらに進めて、作業員による改善活動が考え出されたのである。品質に関しての意識を高めるには、改善活動を作業員自ら行うのが最も好ましい。
又、作業員はそれこそ「微に入り細に入り」作業工程を熟知しているのである。こうして、自ら改善活動を行うことによって、作業に誇りを持てるようになり、チャップリンの「モダン・タイムス」を脱したのである。