大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。

 

 

今作はこちらのサイドストーリー的なものになってます↓

未読の方は、こちらからどうぞ♡

(昨日の一話に書き忘れてた🙈)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

智side



そうやって。

干されるどころか
どんどんうなぎ登りになっていく
俺達の人気を。

誰より大きく
後押ししてくれたのは。

特に、急激に増えた
”腐女子”…とかいうファンの人達だった。



一度好きになったら
熱狂的な人達が多いし。

情報収集力も
SNSでの拡散力も、凄まじくて。



音楽だって。

この曲のここがいい…って
熱を込めて語って、宣伝してくれるし。



なにより…
テレビ番組に二人で共演する度。

お互の見る目が優しかった…とか。

些細なことまで
俺達のことよく見てて。

それを逐一語り合って…
盛り上がって///

共演する度、トレンド入りするし
視聴率も伸びるし…雑誌も売れるしで。



そんなファンの子達のお陰で。

和と共演する機会も増えて
どんどん、プラスなイメージもついて。



それが、なにより一番。

今回のことで、社長が満足した
結果の一つでもあった。






”『ありがとう』…だって(笑)”

”……………へ?”

”あなたんとこの社長に。
『これからもよろしく』…って、言われちゃった(笑)”




それから一年後
…だったか。



お互いに忙しくて
なかなか休みが取れんくて。

久しぶりに揃った
貴重な休日の。

一緒に入った風呂の中。



一方的に突き放して
ひどいことしたはずの俺達に。

和は一切
なんにも言わずに。

俺の膝の上でそう言って
嬉しそうに笑った。



”なんにもできなかった俺も…
ダメだったから。”




もう一度再会して。

二人の関係を
やり直そうと決めた夜。



あの時はごめん…って
何度も謝る俺に。

穏やかな声で
和に言われた言葉。



その言葉通り。

和は…
本当に強くなっていて。



二人の関係のことも。
 

和がどんどん

道を切り開く力を、与えてくれた。





”……………『大宮』”

”………………ぇ、”

”俺とあなたのこと。
ファンの人達にそう呼ばれてんの…知ってる?”


”…………………”

”愛称だとしても…さ。
なんか…二人で一つの名前になれるの。

なんか、いいよね。”





でも。

そんな風に
強くなった和とは裏腹に。



たとえば。

パチャ…と
手のひらで湯の表面を撫でて。

俺の膝の上で
何かを願うように、そんな風に呟く和みたいに。



俺と
二人でいる時だけ。



強さの中に隠されてる。

ほろ…っと垣間見せてくれる

和の中にある、弱い部分。





”…………じゃ、買う?”

”……………ぇ?”

”名前の代わり…お揃いの指輪。
二人で一緒に…おんなじの、買う?”






そんな
愛しい和のこと。

俺も
全てを守りたくて。



愛おしくて。

大切で大切で
しょうがなくて。



目の前にある
透き通るように真っ白な
濡れた和の首筋に。

チュ…っと、小さな
愛 の シ ル シをつけて。



和の全部を
抱き締められるように。

細く華奢な腰を
両腕で抱き寄せてから。



耳元で、初めて言葉で誓った
和への永遠の愛。





”ずっと…ずっと、一緒ってシ ル シ。”

”…………………”

”ずっと一つって。
みんなが分かるシルシ。買お。”


”…………ほんと、に?”





振り返った
和の目に。

いっぱい溜まる涙を
濡れた指先で、丁寧に拭う。





”…………和…好き、”

”………っ…………”

”もう…絶対。
バラバラになんて、なってやんねぇ。”






もう、永遠に。

二度と二人が
離れないように。



もう、二度と。
一人ぼっちになんかさせね。

……って、



和のこと。
俺が絶対、絶対守る。

…って。



自分自身への誓いも込めた。

風呂場ん中での
小さな、小さな愛のコトバに。



ぽろぽろ泣き出す
泣き虫な和と唇を重ねて。

溶け合うようなキスを
何度も、何度も交わした。





”ちょーど…明日、休みじゃん?”

”………………ん、”

”なんか…
一緒にいいなって思うの、買い行こ。”


”………………ん、”





こつん、と
濡れたおでこをくっつけ合って。

約束した大事な買い物は
次の日、本当にカタチになって実現して。



キラキラと。

二人の左手の薬指で
幸せそうに輝くそれに。

和と二人で
いつまでも眺めて。

へへ…って。

バカップルみたいにデレデレ笑った
よく晴れた日の、暖かな昼下がり。



後日、歌番組に二人揃って
生出演した時。

それこそ秒速で
腐女子なファンの子達に気付かれ。

拡散されて。



今では、「Pretender」に次ぐ
世の歴史に刻まれる純愛の象徴///として。

ファンの子達に
語り継がれることになったのは。

嬉しくて…恥ずかしい
俺と和との、ラブストーリーの一ページ。