iPS、脳で神経機能 京大が初確認、治療へ期待
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120124-00000039-kyt-l26
京都新聞 1月24日(火)22時29分配信
人のiPS(人工多能性幹)細胞から作製したドーパミン神経細胞が、パーキンソン病のカニクイザルの脳で半年間にわたって
生着し機能していることを確認したと、京都大iPS細胞研究所の高橋淳准教授と菊地哲広研究員らのグループが24日、発表した。
iPS細胞を使ったパーキンソン病治療の実現に近づく成果という。
パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞の変性が主な病因で、手足が震えから進行し、運動機能が失われていく。
従来の薬剤などによる治療では神経細胞の減少を防ぐことはできず、神経細胞を補う治療法の開発が期待されており、iPS細胞も候補になっている。
グループは人のiPS細胞から、動物由来の細胞を用いない安全性の高い培養法でドーパミン神経細胞を作製した。
薬剤でパーキンソン病の症状を引き起こしたカニクイザル1頭の脳に移植し、細胞が半年間生き続け、ドーパミンの輸送や再取り込み、
ドーパミン合成酵素を作るなどの機能を確かめた。
培養期間の異なる2種類(28日、42日)の細胞を移植して比較したところ、成熟度が低い28日間の細胞はドーパミン神経細胞とは
別の細胞が増えており、42日間の細胞の方がドーパミン細胞がより多く生き残って機能していた。
細胞の移植後、サルの運動時間が約1割増えるなど改善したが、細胞移植による効果かどうかは、より多くのサルで試験する必要が
あるという。
高橋准教授は「臨床応用には、細胞のがん化を防ぐなどの課題がある。生着率が高く、安全な細胞を選別する手法を、サルを
使って確立したい」と話している。
iPS細胞の移植治療への応用では、慶応大の岡野栄之教授のグループが、物理的に脊髄損傷を起こした霊長類のマーモセットに
iPS細胞由来の神経幹細胞を移植し、運動機能を回復させることに成功している。