さて、財務会計論の理論です。

何度勉強してもあまり面白くない。。

財務会計/管理会計、制度会計/非制度会計、動態論/静態論など各種会計理論の考え方を勉強するわけですが、ポイントは「利益観」「投資の性質」と思います。

ぎりぎり「利益観」はまだ面白い。

会計上利益の考え方に2種類あります。
1)収益費用アプローチ
2)資産負債アプローチ


収益費用アプローチは文字通り収益と費用の差額を得益とする考え方。収益費用アプローチに基づいた期間利益を純利益と言います。

資産負債アプローチは純資産の変動額を利益とする考え方(資本等取引は除く)。資産負債アプローチに基づいた期間利益を包括利益と言います。

日本では最近まで収益費用アプローチを採用していましたが、近年IFRSとのコンバージェンスとの観点から資産負債アプローチを取り入れています。いわゆる資産・負債を公正価値で評価しようという考え方が日本の会計基準に数多く取り入れられています。

例えば、資産除去債務・減損会計・リース会計・金融商品会計が挙げられると思います。


また、「投資の性質」の考え方もあります。
企業はあらゆるモノに投資をしているのですが、その投資目的によって会計処理を考えようというものです。

企業の投資目的は大きく2つに分けられます。
1)金融投資
2)事業投資

金融投資は、投資資産について売却するのに事業遂行上の制約がなく、時価の変動によって利益の獲得を目指す投資です。

事業投資は、投資資産について売却するのに事業遂行上の制約があり、事業の遂行によって成果の獲得を目指す投資です。

この投資目的によって大きく異なるのは、資産評価方法です。

金融投資は時価の変動によって利益獲得を目指すので、資産は時価評価します。そして取得原価と時価の差額は期間損益に計上されます。

事業投資は、事業遂行によって成果獲得を目指すので、あくまで事業価値がポイントになります。つまり「ビジネスを行う事でどれくらい儲かるか」がポイントとなるのです。従って資産単品を時価評価する事はありません。資産は取得原価で評価して、経済的費消に応じて費用化します。つまり資産使った分だけ費用計上しようということです。原価償却費などがその最たる例です。

「投資の性質」による分類は、ともすれば資産評価がポイントなるため、資産負債アプローチに従属した考え方と捉えるかもしれませんが、これは正しくないと思います。
なぜなら、資産評価は「その資産をいくらで評価するか(資産価値評価)」という問題と「その資産が生み出した損益をいつ認識するのか(損益認識)」という問題に分けて考える事ができるからです。

従って、「投資の性質」による分類は、「利益観」の問題と切り離して考えた方がよいと思います。



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なにやら難しい話になってしまいましたが、「利益観」と「投資の性質」の問題は分けて考えようね、という事を話したかったのでした。