金森特水(かなもりとくすい) 短冊「炎暑」

   


「炎暑」
「左く花越 さ所ひ徒く志し 風奈か羅
 夏能者し為尓 滿多連己所春連」

(さくはなを さそひつくしし かぜなから
 なつのはしいに またれこそすれ)

 「端居」
  家屋の端近く出ていること。
 特に、夏の夕方、涼をとるため、
 
 縁側 などに出ていること。

  咲いている花を、あらん限り工夫し、
 風が涼しさを誘うように吹いている。

  (そのような風でさえ)、夏の夕、
 縁側で涼を待ちたいものである。
 
  この年も、きっと、暑さが厳しかった
 のでしょう。

  縁側で涼をとることや、打ち水で、暑さを
 凌ぐ時代。

  わずか三十一文字で、いろいろなことが
 想像できます。