前回の続きです飛び出すハート




私「私の何がいけなくて

がんになってんですか?」

 

 

 





 

🧑‍⚕️「………………………………」

 

 





私「………………………………」

 

 

 

 

 



 めちゃくちゃ考えている




そりゃ

患者にこんなこと聞かれたら


医者も困るだろう

 

 





 



でも私は自分の中に

見つからない

答えが欲しい

 

 

 

 

 



🧑‍⚕️「…何が悪い

とかじゃなくて



あなたが悪かった

とかじゃなくて

 

 


がんって

遺伝子のミスコピーが

引き起こす現象なんです

 


異常な変異を

きたした遺伝子が


異常に増殖していく状態
これをがんといいます




それは

『偶然に』

起きます



あなたの体の中で

 

『たまたま』
 

遺伝子のミスコピーが起きて


『たまたま』

 

増殖してしまった


これは『たまたま』です!

 

 


つまり

あなたは

悪くない!

 

 

 

 

遺伝子の

せい

なんですよ!!」







たぶん一生分の『たまたま』を聞いた

 

 

 

主治医が

こんなに

喋るのを

 

こんなに

熱くなるのを

初めて見た

 




全力で伝えようとしてくれている

 

 

 



🧑‍⚕️「はぁ、はぁ」




私「ありがとうございます」

 

 


🧑‍⚕️「納得されましたか?」
 

 

 

私「はい!

今のところは!」





話し下手な主治医が

頑張って捻り出してくれた答えは


『たまたま』




私はずっと


自分ががんになった


『理由』を探していた


何か理由があれば

納得できると思っていたけど


理由なんて見つかるはずが無い
そんなのどこにも無いんだから



そこへ主治医は

『事実』を教えてくれた

 


それが私の腑に落ちた

 


文系の私

理系の主治医



医療は科学で

文学じゃない

 

 

 

 


今まで主治医は
バッドニュースばかり

運んで来たと思い込んでいた

 


でも私が勝手に

『バッドニュース』

と思っていただけで


彼が運んできてくれていたのは

『事実』

だけでした




なんか

いままで誤解してた

ごめん

 

 

 

 


先生、ありがとう。
 

私まだ

強く

生きて

いけそうな

気がします