⚪ オバマ大統領「尖閣は安保5条の適用対象」発言に思う

オバマ大統領が本日午前10時40分過ぎに離日された。これまで準備や接遇等にあたられた方々の労苦に敬意を表したい!先程会った外務省担当者はほとんど寝ていないようだった。

共同記者会見の内容も概ね多くの方が評価できる内容だと思う。注目のTPPは、合意ができなければ、共同声明は発出しないこともやむを得ないとの覚悟の上での激しい交渉だったようだ。結果として合意はできなかったが、それでも共同声明は出せたことは日米関係者の思いの結果ではなかったかと推察する。特に安全保障分野は満点という方もいる。米側からの「日本の集団的自衛権行使の検討を歓迎・支持」の文言明記等は佐藤も大いに支持したい内容だ。



更に「尖閣諸島は、日本の施政権下にあり、日米安保5条の適用対象」との言質をオバマ大統領から取ったことは、外交上も抑止力上も大きな成果との評価はあるが、それに浮かれてはならない。そもそも日本の領土は日本が自ら守ることが原則で、その防衛努力をせずに、初めから同盟国の米国に頼る姿勢であってはならないのは当然だ。オバマ大統領は日米安保条約の趣旨に沿い、原則論を言ったに過ぎず、事が起きた時に、実際に米兵の命をかけてまで、日本の無人島を守るか否かは、やはり判然としない。


ウクライナのクリミア共和国やシリアの例を見ても、最終的には米国の国益に基づいて判断されることになる。中国は米国経済にとって重要なパートナーでもある。同盟国の米国を信じ、その行動を期待すべきだが、先ずは自助努力無くして同盟は機能しないし、応分の責任分担も重要だ。例えば、集団的自衛権の議論で、行使反対派の方は、その行使による「巻き込まれ論」をよく言われるが、行使しないことによる「見捨てられ論」に言及する方は少ない。


日米安保をしっかりと機能させる、抑止力と対処力向上のためにも、先ずは日本の自助努力と応分の役割分担に基づき行動することも大事だと思う。




佐藤学校仮入校