2015年の乃木坂全国ツアーが終了しました。

私は最後の神宮球場2公演を観たのでレポと感想、そして、これからの提言的なものを書いてみたいと思います。

まずは全体的な感想からです。

乃木坂を観始めてから約4年になりますが、今年の神宮ライブでは、ようやくライブアイドルとして恥ずかしくないパフォーマンスになったかなと思います。

それは、なぜか?

元々素晴らしい楽曲コンテンツを持つ乃木坂ですが、今までの夏のツアーでは、どちらかと言えば曲をライブで聴かせるというよりも、夏ライブという企画をこなすという印象だったからです。

今までは不必要な企画、茶番劇などに時間を割くことも多く、これはライブなのか?それともイベントにライブがくっついているのかわからない印象を持ったこともありました。

しかし、今回は曲を聴かせよう、曲を中心として、その中に工夫をして楽しませようという意識を感じることができました。

何度も言いますが、乃木坂の楽曲は本当に素晴らしいものです。


乃木坂らしさとは何か?

今回の全国ライブツアーのテーマでもあったようです。

西野七瀬は言います。それは曲の中にあると。。。

誤解を恐れずに言えば、総合プロデューサーであり、作詞家の秋元氏の世界感がもっともピッタリはまっているグループは乃木坂ではないでしょうか?

それくらい、乃木坂で描かれている歌詞の中の世界感は素晴らしい普遍性をもっています。

勿論それは、ソニーの素晴らしいA&R能力(アーティストアンドレパートリーの略)、つまり、人選と楽曲の製作能力の高さがあってこそ、秋元氏の能力を最大限に生かされていると考えるべきであると思います。(おそらくAKBグループとはプロセスが違うはず)

そして、神宮球場では、3曲の素晴らしいバラードの名曲が、オーケストラと生ピアノ、生歌というアレンジで披露されました。

これぞ乃木坂というコーナーではなかったかと思います。
今までのどのアイドルにもない乃木坂らしさを見せつけたと思います。


その他にも昨年からの成長を感じたのは、MCの流れの良さでしょうか。

ライブをあまりやらない、専用劇場を持たない乃木坂にとってMCはある意味の鬼門でした。

グダグダ感と、流れを生かしきれないMCがライブ全体をしらけさせることもありました。

おそらくキャプテン桜井玲香の最大のテーマの一つだったと思います。

今回は、そういったグダグダ感も感じることなく、肝心なところでは、しっかり語るコーナーがあり、メリハリの効いたMCだったと思います。欲を言えば、語るコーナーでは、その日の気分や、自分自身の思いを多少アレンジしながら変化を付けると良かったと思います。


次にダンスパフォーマンスです。

こういう大箱のライブでは実はあまり振付をちゃんと観る機会はないですね。

大きな会場を一杯に使うために走り回ったり、ゴンドラに乗ったりということで、時間が使われます。そんな中でも、命は美しい、世界で一番孤独なラバーというダンス曲は見せ場を作っていました。この2曲に関しては、初期の乃木坂ではありえないダンスパフォーマンスの切れを見ることができました。個人的には、松井玲奈が在籍した1年間で、飛躍的に伸びたという気がします。SKEで揉まれた彼女のパフォーマンスは、少なからず影響を与えていた実感します。


以前から乃木坂はハイブリッド型アイドルであると言ってきました。
その意味は今回のライブで存分に観ることができました。

つまり、恰好いいダンス曲から、可愛い曲、ミディアムテンポの良曲、そして、バラードの名曲をスペシャルアレンジで聴かせられるアイドルポップスグループになりました。

私もいろんなアイドルグループのライブを多く観ている方だと思いますが、乃木坂のオリジナリティは完全に、らしさ、として定着してきたと思います。


そして、アンダーライブで鍛えられたアンダー、2期生の活躍も忘れることができません。
今回アンダーライブシーズン4が、AiiAシアターと武道館で行われるという発表がありました。サイズの違うこの2つの箱でどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか、非常に楽しみです。

以前から提案していますが。もうアンダーという言葉はやめて欲しいとも思います。

昨年有明コロシアムで8000人を集めて見せたパフォーマンスは伝説のライブと言って良いでしょう。
そして、今年はボーダー6という武器もあります。ユニットとしての可能性も非常に感じるので、是非発展的に成長させてほしいなと思います。

 乃木坂には、選抜と非選抜のアンダーというカテゴリーしかありません。

しかし、実態はあたかもチームが2つある組織ではないかと思います。その2つはカラーは違いますが、それぞれ素晴らしい持ち味と楽曲を持っています。これも何度も書きますが、乃木坂の楽曲は表題曲よりも、アンダー曲や、非表題曲に名曲が多いのです。これは、すべてのシングルをABC盤で聴かない限り知ることはできません。あとは、年一度のバースデー全曲披露ですね。これも、来年は限界があるでしょう。是非ともアンダーライブでは、これらの非表題曲を沢山披露してもらいたいと切に願います。


最後に乃木坂らしさとは何かという、私なりの答えを披露しておきます。。。

乃木坂らしさとは、その疑問を持ち続けながら、今と言う状況をもがきながら、坂を上り続けること。

結成4年間の乃木坂には、ソニーの売り上げを支えるという最重要命題が与え続けられています。そのために選ばれたメンバーは常に疑問と不安と時に反発を抱えながら、それでも、前を向いて坂を上ってきたはずです。

キャプテン桜井玲香は言いました。「今は勝ちたいと思う」と。何に勝つのか、公式ライバルのAKBグループなのか、それとも、ほかのブレークしているアイドルなのか…

しかし、それはおそらく自分たち自身に勝ちたい、そしてすべてのアイドルの頂点に立ちたいという想いだと感じました。

2015年乃木坂には欅坂46という姉妹グループが誕生します。このグループは乃木坂にとって敵か味方かどちらになるでしょうか。

おそらく今の乃木坂の抱えているある種の閉塞感を、打破するために、ファンはかなりの反応を示すはずです。そして、内部のライバルグループとして、相当に脅威な存在になるはずです。それは、乃木坂がかつてそうだったように、すでにあるプラットフォームを使えるアドバンテージがあるからです。

しかし、乃木坂にはそれが必要な時期なのかも知れません。なぜならば、さらに高い坂を上るためには、さらなる試練が必要だからです。その中で生まれる新たな疑問、不安、反発を克服して前を向かなければなりません。しかし、それは今までやってきたことと何ら変わらないことなのかも知れません。

 なぜならばそれこそが、乃木坂らしさ、だからです。


ファンも4年間で沢山入れ替えがありました。
それも乃木坂らしさかな、とも思います。どんなにファンが入れ替わっても、その時その時の魅力で新規ファンを呼び込むことができること。それが、何より大切なことだと、現場にいると強く感じます。人は飽きる生き物です、アイドルが長期間に渡って活動をすることが難しいのはそういう理由もあります。しかし、コンテンツや、そのグループの持っているカラーというのは継承されていくものです。

乃木坂らしさ。

この永遠のテーマを持ちながら、いつもキラキラした魅力を忘れない素敵なアイドルグループであることを陰ながら祈っています。。。


以下は神宮2日間のセットリストと感想です:

30日(日)

1.Overture

2.太陽ノック
この夏の全てのアイドルグループで一番良曲ではなかったかと思います。乃木坂がこういう曲もきっちりとパフォーマンスできることが、ハイブリッド感を感じるところですね。

3.おいでシャンプー
いつの間にか、ファンの間でおいシャントレインというヲタ芸(芋虫ダンスをする)が行われなくなったのが残念です。絶対に楽しいので是非復活させたいですね。

4.走れ! Bicycle

5.羽根の記憶
こういう曲がある種の乃木坂の真骨頂ですね。カップリング曲の良さは群を抜いています。
6.魚たちのLOVE SONGS
お姉さんユニット曲も乃木坂の魅力の一つですね。今までの曲では、一番しっとりとしていて、好きな曲になりました。もちろん推しが参加していることもありますが。

7.無表情
これはコミックソングではありませんw
鬼才生田様のコール指導が独特の世界にいざないます。

8.ハウス!

9.ロマンティックいか焼き
この曲は無条件にウキウキできる良曲ですよね。初期のファンにはたまらない曲ではないでしょうか。

10.君は僕と会わない方がよかったのかな
本当に乃木坂のアンダー曲には良曲が多いですよね。この曲のメロディと、世界感はとても好きになりました。

11.扇風機
12.狼に口笛を
13.指望遠鏡
14.会いたかったかもしれない

15.もう少しの夢
いま、48グループ、46グループ合わせて最も人気があるかもしれない西野のソロ曲です。ライブでは以前のような被せに頼らずに生歌で勝負しているところに好感をもてます。なーちゃんワールド全開中です!

16.別れ際、もっと好きになる
堀未央奈アンダーセンター曲ですね。彼女の持っている宿命をひしひしと感じるのは私だけでしょうか。何かを持っている、秘めている素敵なメンバーですね。

17.命は美しい
18.世界で一番 孤独なLover
このダンスナンバー2曲は圧巻でした。乃木坂の成長をもっとも感じるコーナーだったかも知れません。

19.あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
20.ガールズルール
21.夏のFree&Easy
22.バレッタ

23.何度目の青空か?
24.君の名は希望
25.悲しみの忘れ方
この3曲はオーケストラアレンジ、生田絵梨花のピアノで披露されました。正に乃木坂らしい圧巻のステージでした。このコーナーは、ほかのアイドルには類を見ない世界感を感じることができました。今回の全国ツアーの最大の見せ場であり、これぞ乃木坂でした!

アンコール1

26.ロマンスのスタート
27.そんなバカな…
28.ダンケシェーン
29.制服のマネキン
30.乃木坂の詩

 

31日(月)

Overture
1.太陽ノック
2.走れ!bicycle
3.おいでシャンプー
4.羽根の記憶
5.魚たちのLOVE SONG
6.無表情
7.ハウス
8.ロマンティックイカ焼き
9.君は僕と合わない方がよかったのかな
10.扇風機
11.太陽ノック
12.月の大きさ
13.指望遠鏡
14.会いたかったかもしれない
15.もう少しの夢
16.別れ際、もっと好きになる
17.命は美しい
18. 世界で一番孤独なLover
19.ここにいる理由
20.ガールズルール
21.夏のFree&Easy
22.気づいたら片想い
23.何度目の青空か
24.君の名は希望
25.悲しみの忘れ方

アンコール

26転がった鐘を鳴らせ!
27.ダンケシェーン
28.制服のマネキン
29.今、話したい誰かいるんだ
30.乃木坂の詩

Wアンコール

31. ロマンスのスタート
ダブルアアンコールは予定外だったようですね。太陽ノック3連発を避けて、乃木坂最大の沸き曲の一つである、ロマスタで締めたのは運営のファインプレーでしたね!

 

PS
今回神宮球場2回目でしたが、音質、音量ともに昨年よりも非常に良くなっていました。スタンドとアリーナで観ましたが、全くストレスなく楽しめたのは、隠れた運営のファインプレーでした。

PS2
昨年の神宮球場では6-7割しかできなかった、サイリウムの色の統一も今回は98%位できるようになった乃木坂現場は誇らしく思いました。統一感のない統一が乃木坂らしさでもありますね☺

PS3
来年のファンの目標はアンコールを合わせる事ですね。サイリウム統一ができるのなら、必ずできると思います(笑)