フライス盤で代表的な加工方法にエンドミルが有るが、もう2つ加工方法がある。

正面フライスとボーリングである。

正面フライスはスローアウェイチップタイプの精度の良いツールが今でも普通に安価に手に入るが、ボーリングの精度の高いきちんとしたツールは海外製だとダメだ。ガタやブレが大きい。

ネットなどで調べたら、黒田精工のが中古でよく流通している。が、黒田精工は2012年あたりでツール事業を手放している。おそらくこのあたりが流通している理由なのかもしれない。
流通価格を調べると1万円以下から10万円まで幅広い。

某オクで調べたら、2万円以下で出ていた。一旦購入を思い留まり、「本当に必要なツールなのか」を再度検討。ベアリングホルダーなど大口径の切削はやはりボーリングヘッドの加工に限る、と考えていた矢先、値引きされて再出品された。
相場と付属品、ツールの状態などをよく観察。事業を引き取った富津工場にも電話して、シャンク形状を確認。
入札し、一度応札あるも送料込みで2万円以下で落札できた。

これである。
{67F3F18D-890F-4F09-85D5-4AC099391378}


支払いを済ませ着荷を待つ。

そして来た。
{934F794F-1BF9-45AB-B783-8C7EE11D499D}

状態はかなり良い。肝心のシャンクが入るか、クイックチェンジアダプタをドローボルトのM12を回して分離させる…

これがまた固い!

フライス盤のスピンドルからコレットチャックが抜けない、という悪夢を思い出しつつ、慌てず、アーレンキーをバイスにガッチリセットしてM12を回す…

パキン!(バキンに近い)という音と共にアダプタが抜けた。
{9EEAAE00-3AD9-43EB-865F-F83D528C4B94}


これがM12だ。ドローボルトと押し出しを兼任している。
{4EB1FDBE-50CF-404D-BEF7-C3D1B7CFB1D8}


ほっ。フライス盤にも取り付け確認。
コレだけでもカッコ良い。(写真無し)

ヘッドのスライド周辺をクリーニング。
ヘッドを落下させたりぶつけたりした傷一つ無いのだ。
これは当たりだ。
{31606B29-232A-42D0-AE0B-F6317BC52B26}

{A3A1AB3F-4E8A-4474-A7DC-7B612FAC9E9B}



ちなみにこのツールのケースにはこのような銘板が付いている。
{6BA20E1F-65B0-4D94-9E56-39C8DFBB3C9E}


黒田精工と名前が変わる前の「黒田挟範」だ。名前が変わったのは昭和40年。つまり…私よりも全然先輩だ。
大切に使おう。


では。