フライス盤で代表的な加工方法にエンドミルが有るが、もう2つ加工方法がある。
正面フライスとボーリングである。
正面フライスはスローアウェイチップタイプの精度の良いツールが今でも普通に安価に手に入るが、ボーリングの精度の高いきちんとしたツールは海外製だとダメだ。ガタやブレが大きい。
ネットなどで調べたら、黒田精工のが中古でよく流通している。が、黒田精工は2012年あたりでツール事業を手放している。おそらくこのあたりが流通している理由なのかもしれない。
流通価格を調べると1万円以下から10万円まで幅広い。
某オクで調べたら、2万円以下で出ていた。一旦購入を思い留まり、「本当に必要なツールなのか」を再度検討。ベアリングホルダーなど大口径の切削はやはりボーリングヘッドの加工に限る、と考えていた矢先、値引きされて再出品された。
相場と付属品、ツールの状態などをよく観察。事業を引き取った富津工場にも電話して、シャンク形状を確認。
入札し、一度応札あるも送料込みで2万円以下で落札できた。
これである。
支払いを済ませ着荷を待つ。
そして来た。
これがまた固い!
フライス盤のスピンドルからコレットチャックが抜けない、という悪夢を思い出しつつ、慌てず、アーレンキーをバイスにガッチリセットしてM12を回す…
パキン!(バキンに近い)という音と共にアダプタが抜けた。
ほっ。フライス盤にも取り付け確認。
コレだけでもカッコ良い。(写真無し)
ヘッドのスライド周辺をクリーニング。
ヘッドを落下させたりぶつけたりした傷一つ無いのだ。
これは当たりだ。
ちなみにこのツールのケースにはこのような銘板が付いている。
黒田精工と名前が変わる前の「黒田挟範」だ。名前が変わったのは昭和40年。つまり…私よりも全然先輩だ。
大切に使おう。
では。