岩本町駅。
37年前の12月、都営地下鉄として3路線目の「都営新宿線」が、ここから東大島駅まで開業しています。
その2年後、新宿で京王線とつながり、京王線との相互乗り入れを開始しました。
ただし、京王の車両は長いことここで新宿方面へ折り返していき、その先へ行くのは都営車だけでした。京王の車両が岩本町の先へ行くようになったのは昭和62(1987)年12月。しかしこのときも達したのは大島までで、大島以遠へ行くのは平成3(1991)年の本八幡開業のときとなっています。

というわけで、新宿方、本八幡方いずれにも折り返しが可能な配線を持つ岩本町駅。
京王車の折り返し駅の変更からしばらくの間は、ここの中線も使用頻度が減ったのですが、平成9(1997)年に急行の運転を開始したとき、この駅の中線が注目されました。というのも、この駅で各駅停車が急行を待避するようになったから。しかも当初は、上下とも急行が外側の本線に各駅停車を待たせ、中線を通過していくという、かなりシュールな光景が見られたそうです。流石にこの取り扱いは平成12(2000)年に変更され、急行が本線を通過、待避する各駅停車が中線で客扱いと変更されています。

というわけで、実際の各駅停車の待避を見てみることにしました。
まずは本八幡方面行きから。
各駅停車が中線に入ります。


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ホームのドアは本八幡方面のみを開ける

写真をご覧いただくとお分かりのとおり、新宿方面行きホームのドアは開けないんですよね。まあそりゃ当たり前ですけど。

そして通過電車が外側の本線を通過していきます。


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急行が通過していくのを待つ

急行通過後、この各駅停車はドアを閉めて発車していきます。

ちなみに、ここで急行の待避をしない各駅停車は、本線に発着します(当たり前ですが)。


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待避しなければ外側の本線

次は新宿方面。
まず新宿方面への各駅停車(笹塚行き)が中線に到着します。


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新宿方面行きホームの側の扉を開ける

新宿方面行きの場合は、本八幡方面行きホームの側の扉は開けません。

そしてしばらく経つと、轟音とともに急行が通過!


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ただいま通過待ち中

この後、各駅停車は発車していきます。

勿論、ここで待避をしない各駅停車に関しては、本八幡方面行きと同じように、外側の本線に停車・客扱いをします。


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案内表示に「Pass」とあるのがお分かり頂けるかと

↑の写真は、待避列車が来る前の列車を撮影したものです。

両方向とも、以上のような待避劇を1時間当たり3セット(20分サイクル)で繰り返すわけです。しかし、やはり両方向で待避線を共有するのは、ダイヤ乱れの際に収拾がつかなくなるのでは…という心配もありますが、恐らくそのような心配は杞憂なのでしょう。

おまけ。
出口案内には乗り換え案内も付記されています。


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日比谷線・JR・つくばエクスプレス(TX)の乗り換え案内がある

実は岩本町駅はJR・メトロの秋葉原駅と至近距離にあり、「裏秋葉原」ともいうべき立地となっています。しかし、開業後長きにわたって、乗り換え案内もなければ、メトロとの連絡駅でもありませんでした。その理由は、この駅と秋葉原駅との間に神田川があり、地下に連絡通路を作るのが難しかったため、地上に出ての徒歩連絡とせざるを得なかったことだと言われています。それでも連絡駅になったのは、乗客の要望があったからなのでしょうね。ちなみに、今でこそメトロとは連絡運輸を行っていますが、これが一般乗車券も含めて完全に行われるようになったのは一昨年の3月から、JR(定期のみ)は平成20(2008)年から。TXに至っては今年から、それも定期券のみだとか。
こういうのを見ると、千代田線の湯島と都営大江戸線の上野御徒町、銀座線の新橋と都営三田線の内幸町のような、至近距離にありながら乗換駅になっていない駅も乗換駅として認めて欲しいと、切に思ってしまいます。

【取材日 平成27年7月5日】