今日は重陽の節句!「荼吉尼天曼荼羅図より頓遊行式神・須與馳走神」2011年 | 渡辺つぶらの「八百万神図」ヤオヨロズ

渡辺つぶらの「八百万神図」ヤオヨロズ

画家の渡辺つぶらです。
八百万神世界を油絵で描いたり、立体作品作っています。

今日は9月9日 重陽の節句です。

 

「重陽の節句」は平安時代初めに中国から伝わり、

9は奇数で陽数の最大値であり、9が重なる

この日は大変縁起の良い日として

菊を浮かべた酒や栗を食べて、邪気払いや無病息災を願いました。

 

旧暦の9月9日は 現在の10月中旬なので、菊がちょうど美しく咲き、栗もおいしい頃です。

 

「重陽の節句」というと、

上田秋成の「雨月物語」の「菊花の約」を思い出します。

 

私の尊敬する先輩画家さんの遺作展を

仲良しだった画廊で開催時も不思議なことがあったそうですが、

今回のグループ展を開催中に 玄関のピンポンが3回なり、出てみると誰もいなく、誰もいないはずの画廊の中でピンポンがなったそうです。

 

「自分も参加したかったんじゃないか」等 話していたら、誰もいないキッチンで ガチャンと音がしました。

 

先輩画家さんとそこの画廊の方は 

本当に仲良しで「菊花の約」を思い出しました。

 

重陽の節句に 関する作品と思い、

「白山菊理媛命」とも思いましたが、

あえての「頓遊行式神・須與馳走神」をアップしました。(天邪鬼なため。)
 

元はインドの墓場で屍肉を喰らっていた鬼神ダキニーが、

密教を通じて日本に入り、稲荷神と結びつき、仏教系お稲荷さまの荼吉尼天になりました。

 

荼吉尼天をお祀りする豊川稲荷が有名です。 

 

仏画 「荼吉尼天曼荼羅図」の中には

沢山の眷属達がいます。

 

その中の二眷属神を描きました。

 

中央にいる、蓮の葉の上にいる

狐の尾を持つ女性神は 頓遊行式神(とんゆぎょうしん)

魚の尾を持ち、鳥の足を持つ男性神は 須與馳走神(しゅゆちそうしん)という眷属神です。

 

女性神の頓遊行式神は愛染明王の化身、

男性神の須與馳走神は不動明王の化身とされて、

金剛・胎蔵不二を象徴しているとされています。

 

男性性と女性が一体化し、バランスとれれば無敵!みたいな感じかと。

 

人々の願いを叶えるべく、様々なカミサマたちが生まれていったことが興味深く、作品を描いています。

 

皆さま 素敵な重陽の節句をおすごしください。

 

 

「荼吉尼天曼荼羅図より頓遊行式神・須與馳走神」

油彩・キャンバスSM2011年