ふぁんたじー③ | kei'

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日々のこと

慢性satoshic


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ひとの目が怖い

路地裏に・・・


ガタガタと震えが止まらない

強く彼の胸に抱かれてる

顔をあげると目が合う

いつの間にか くちびるが重なり合い・・・

絡みあう 舌 お互い 恐怖から一瞬でも忘れることができるかのように

激しく・・・・


私 彼の名前も知らない


『俺 さとし』 『私 ともこ』

『どんな字? えっ 同じなんだ  うふふ』


路地の奥から 手招きしている男の人が

誘われるままに 古い喫茶店のような お店


『お待ちしてました ずい分長いときがかかりましたね』


何の意味もわからず ふたり 目を合わせる


『間違いはないと思いますが 私も年をとりました 一応 証拠となるものを拝見したい』


証拠って?なんのこと 自分たちの置かれている立場だって まだ 把握していないのに


『写真かなにか 持っておられませんか』


あっ アレ?

同時にさとしも思い出した様子でGパンの半パンツのポケットから

シワシワになった 

原因となったであろう 一枚の写真


ふたりとも まだよく見てもいない・・・

『そうそう これです お懐かしゅうございます』


そこには銘仙の着物を着た若い女性と学生服を着た男性が写っている


『誰なんです?』


『あなたがたですよ』


『えー』 

『・・・・・』

まさか・・・・


『これはこれは失礼しました 正確には 今の  前のあなたがたです』


『?????』

何が何だか 頭がおかしくなってくる


『えっ おやじ じゃねーし』

『お父上ではございませんよ あなたの前・・・』


『さっぱり分かんねぇよ~』


『生まれる前 前世ということですか?』

『えっ』


『ともこさん やはり ご聡明でらっしゃる』

なんで私の名前を知っているの?


『あなたがたの名前は このおふたりが決めていりゃっしゃいました

そんなこと必要なかったんでしょうけど、分かりやすいだろうということで』


『はぁ~ 頭こんがらってきた・・・』


『何を伝えたいのですか?私たちに』


『まぁまぁ そう焦らず これだけ待ったんですから

ゆっくりしましょう』

そう言うと 初老の男性は 暖かい ホットミルクと

野菜たっぷりのサンドウイッチを


『さとしさんはちょっと甘いホットミルクがお好きでしたね』

『なんで知ってるの・・・』


並んで座った わたしたちも ちょっと 落ち着いてきた

とりあえず 自分たちだけでは、どうにもならないことだけは・・・・わかった