2009年06月28日(日) 17時57分28秒

「B/W完全犯罪研究会」 清涼院流水 2009-052

テーマ:--清涼院流水
清涼院流水氏「B/W完全犯罪研究会」読了しました。 

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B/W(ブラック オア ホワイト) 完全犯罪研究会/清涼院流水
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
太田出版
初版刊行年月
2009/06
著者/編者
清涼院流水
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:2点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
3年連続でそれぞれ異なる殺人鬼に生命を狙われ「日本の犯罪史上もっとも有名な被害者」となった天見仄香は、現在、警視庁の犯罪被害者支援室に勤務している。未解決事件の再捜査の必要性を市民代表が審議する試験制度に参加し、自らの運命を揺さぶる「疑惑の少年」真壁巧と出会う仄香。真壁の周囲では、これまで両親や同級生など221件もの人間消失事件が起きていた。真壁巧は、はたしてクロかシロか?そして、仄香に迫る4度めの危機―。神の死を叫んだ哲学者が、現代社会に巨大な幻影を落とす。<<Amazonより抜粋>>


主人公仄香の設定は良いです。
3年連続で殺人鬼に命を狙われた史上最も有名な被害者であり、警視庁の被害者支援室に勤務している。

この設定だけで、いくつかの物語ができそうですし彼女の精神をゆがみのようなものにスポットをあてた内的な物語もできます。

もう1人の主人公格である真壁巧。
彼の過去も非常に興味深い設定でした。
彼のまわりの人間が221名消えている。
被害者であるべき彼だけが何故か毎回消えないでいる。

この大いなる謎自体も非常に興味深い素材です。

で、本書。

これだけの設定の良いキャラクターを配置しておきながら、残念ながらそこそこの面白さ

なんでだろうなと思ったのですけど、要するにタイトルにある「完全犯罪研究会(本書上は検討会)」の設置そのものがぴんとこなかったのでしょうね。

実はこの「完全犯罪研究会」自体も、連載できるくらいの設定なのですが、どうやらそれぞれを良いところを打ち消してしまったような気がしてなりません。

特に仄香は、その設定がとても良かっただけにちょっと残念でした。
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2008年02月15日(金) 22時34分44秒

「LOVELOGIC -蜜と罰」 清涼院流水 2008-020

テーマ:--清涼院流水
清涼院流水氏「LOVELOGIC -蜜と罰」読了しました。

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清涼院 流水
LOVE LOGIC―蜜と罰
出版元
角川書店
初版刊行年月
2007/04
著者/編者
清涼院流水
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:2点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:2点 
意外性:5点 
装丁:3点

あらすじ
300万人もの登録データから理想の恋人を見つけられる会員制クラブ、“Secret Lovers”。その特別イベントとして、高原リゾートのロッジに無料招待された面識のない10人の男女。10代から50代まで各世代に1人ずつ集められた招待客の中に、自分と相思相愛の理想の相手がいるというのだが…それが誰なのかは、誰にも知らされていない。今宵、恋愛の推理を楽しむはずの一夜の甘い“Secret Love Party”が、一転して、史上最悪のデスゲームへと変貌する―。はたして、何人がブジにロッジから脱出できるのか?登場人物の運命は、読者が決める。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>



デビュー10周年記念作品なのだそうです。

ということで、前半が「小説」で、後半が「ゲームブック」という井出達です。

これは、そのユニークですね。
さすが清涼院氏、さすが10周年記念作品

後半のゲームブックは、手の込んだ趣向あり、奇数ページと偶数ページの微妙な配慮(読めば分かりますが)もあり、あとがきが意外なところにあったりと、とてもユニーク。

さすが10周年記念作品(2度目)。

ただ、それ以上の感想はないわけです。

物語は、淡々と館ミステリーなわけですが、とはいえ物理トリックがあるわけでもなく。
結局のところ、普通に小説にしちゃったら、どうしてくれようかというストーリーなわけで、これは困りました。

もちろんゲームブックの娯楽性を前面に押し出していますから、これ以上は無理なんだろうなと思ったりしますが、何かもう少し期待していたりするわけです。

ということで、さすが10周年記念作品と思って読んでいただければよい作品なのです(3度目ですが)

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2006年09月24日(日) 18時39分57秒

「秘密屋文庫知ってる怪」 清涼院 流水 2006-123

テーマ:--清涼院流水
この文庫の改訂前の2作品「秘密屋 赤」「秘密屋 白」は書評以前に読了済みなので、再読といえば再読。
とはいえ、だいぶ昔に読んだので内容忘れてしまったのと、清流院氏の得意技である「文庫になったので全面改訂」ってことで、新たな気持ちで読んでみました。

「秘密屋文庫知ってる怪」読了です。

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清涼院 流水
秘密屋文庫 知ってる怪
出版元
講談社文庫
初版刊行年月
2004/08
著者/編者
清涼院流水
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
口裂け女、人面犬、ベッドの下の斧男 。どこからともなく社会に広まる“都市伝説”の数々。怪しい噂を支配する深い謎に包まれた存在「秘密屋」が、本当の姿を現した! 超大物政治家を標的に、彼が仕掛ける驚くべき計画とは?(『秘密屋 赤』『秘密屋 白』を全面改稿し、書き下ろし『黒』を加えた文庫オリジナル)<<Amazonより抜粋>>



「「都市伝説」研究」→
「自分のことを「秘密屋」と勘違いしているオッサン・シローとの電話」→
「驚くべき「秘密屋」の真相と、世界の真相」

端的言うと「赤」→「白」→「黒」はこういったストーリです。
このストーリに、いわゆる清流院テイストである「言葉遊び」がふんだんに入り、大量消費感覚満点の作品となるわけです。

めでたしめでたし。

本編の感想は、そんなところで、さておき(・・・えっ短い?)


今回の、大きな収穫は、袋とじにある<秘密屋の秘密>にありました。

著者の攻めの姿勢にはある意味脱帽すらしちゃいます。
ただ、非常に空回り感があったりするのも、大変興味深いわけです。

さすがに袋とじなので内容自体に触れるのはやめておきますが、本書を読む→袋とじを読むというまともな順番だと、本書だけを読んだ時の感想と袋とじも読んだ後の感想では、だいぶ違ったんですね。

良い意味でも悪い意味でも著者は真剣であり、その真剣さが、周りか見て、空回りしていることも計算ずくで、またそれが多少演技じみていたりする部分も含めて本気だったりするから、とっても複雑な思いが巡るのです。
特に最後の2編は、相当気持ちが入らないと書く事のできない文章だったりして、云々。


とにかく、一度でも清流院作品をお読みになっている方は、是非袋とじの中身だけでもさらっと読んでいただきたいのです。

一度も読んでない方が読むと、相当引きます。
だから袋とじなのだと思って疑いません。

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2006年01月13日(金) 20時24分29秒

「ぶらんでぃっしゅ?」 清涼院流水 2006-006

テーマ:--清涼院流水
満を持して登場の清流院流水氏。
著者の作品は講談社ノベルズ発刊(いわゆるJDCシリーズがメイン)のものは一通り読ませてもらいました。そして、読前感想でもふれた通り、やはり著者初のハードカバーだったりします。
賛否両論ある著者の作品ですが、今回の初ハードカバー作品「ぶらんでぃっしゅ?」はいかに??

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清涼院 流水
ぶらんでぃっしゅ?
出版元
幻冬舎
初版刊行年月
2005/11
著者/編者
清流院流水
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:2点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
まだ生まれる前、母のおなかの中で聞いた“ぶらんでぃっしゅ”という謎のコトバは、誕生後もずっと「ぼく」の人生を支配し続けていた。特別な人との出会いや別れをも予感してしまう、不思議な能力に目覚める「ぼく」。何度も姿を見せる、死神のようなライダーはいったい何者なのか?1500を超す候補から選び抜かれた108の名作“ぶらんでぃっしゅ”によるトーナメントは、コトバのマスターたちの競演で、興奮の頂点へ!そして、クライマックス。連続強盗殺人犯“ブラン・ディッシャー”の銃口が「ぼく」に向けられる―。この姿を見るのは、これが最後だ。<<紀伊国屋BookWebより抜粋>>


この物語は大きく3つのテーマ(≒楽しみ方)があります。
①言葉あそび(言葉によるダジャレ)のオンパレード
②主人公の常盤ナイトの成長記
そして、
③本書全体にある「ぼく」と「ぶらんでぃっしゅ」の謎


①については、すでに氏の作品をお読みの方はご存知のテーマです。
とにかく膨大な言葉遊びなわけで、正直いって、楽しめるかどうかは、読み手の好き嫌いによるものが大きいと思います。
例えば、私の場合、ハンドルネームの「流石奇屋ヒット」自体が”言葉あそび”だったり、たまたま今の仕事でもある事柄のネーミングを考えていたりしていますので、嫌いではありません。
ただ、この洪水のような膨大な量には、ちょっと胸やけをしてしまいました。

もっとも始めて読んだ「ジョーカー」とか「コズミック」(共に講談社ノベルズ)などに現れる「言葉遊び」には、(ミステリーのはずなのに、どうしてそこでふざけちゃうのかな~)といった、多少の抵抗感がありました。
(こんなの自己満足じゃん)とか思ったりして。
で、今回は元々、主人公の常盤ナイト自体が、”言葉遊びを楽しむという設定”なので、物語とのギャップがなかったことが救いでした。
が、これだけの膨大な量だと、”大量生産”とか”大量消費”といった、あまりよろしくない印象を持ったのも事実です。
素直に楽しめない自分が悔しかったりもします。

②については、物語の進行そのものです。
生まれてからある時点までの「常盤ナイト」を、本当に胎児からはじまり、幼児→少年→青年・・・と語られていきます。
それぞれの時点で「言葉遊び」を生きるヒントとしながら、様々な人々との出会いや別れを繰り返したり、人生における分岐点を越えていくといった感じです。
で、この点についても残念ながら、ほとんど感情移入できなかったのも事実です。
やっぱり前々から批判されている「キャラが薄っぺらい」といったところでしょうか?
またまた、(こんなの自己満足じゃん)とか思ったりして。(本日2回目)

とにかく、設定以上に「期待できない」登場人物達であったりします。
ここにも”大量消費”という言葉で語られる何かがあったりしました。
例えていうなら、「見ず知らずの人の半生を聞かされた」ような感覚です(ま、こういった状況下でも当然面白い話はあると思うんですけどね)。

この「大量消費」とか「キャラが立たない」といったことは、今までの氏の作品に少なからず共通に思っていたことです。

で、それで、いいんです。
それが清涼院氏の作品なわけです。
許容しちゃいたいほど、思い切りがあるってことで、いいんです。

さて、ここからが本題。

どうしてこんな状況下においても総評で20点超えしたのかというと、これが③の『本書全体にある「ぼく」と「ぶらんでぃっしゅ」の謎』にあります。
読み始めて、まず最初に気がつくのは、この主人公「常盤ナイト」を客観視する「ぼく」という存在の一人語りであると言った点。
しかも、この「ぼく」は、胎児の「常盤ナイト」と同一であることと同時に『大人の感覚』をすでに持ち合わせています。
このシチュエーションには当然「どうして、このような状況になってしまったか?」という謎が含まれています。
この謎を解くための鍵として、
・胎児でありながら大人の感覚を持つ「ぼく」が、母の胎内で聞いた「ぶらんでぃっしゅ」という言葉。
・「この姿を見るのはこれが最後だ」といった予知に近い力を持つことであり、ことごとくそれが現実に起こると言う点。
・この世界で起こる連続コンビニ強盗殺人事件の犯人「ぶらんでぃっしゃー」という都市伝説。
といったものがあり、これが、見事にラスト(厳密にはラス前)で論理的に解決されちゃいます。
この解決自体は、上記にあるような氏の今までの印象を覆すものであり、新鮮でした。
そして、初めて氏の物語自体に納得感を得ることができちゃったりしました。(笑)
ま、ということは、「普通の小説である」という逆説的な評価もできちゃうのかも知れませんが・・・

ちなみに本ブログでも紹介している西尾維新氏や森博嗣氏も登場人物として存在し(もちろん別名)、ちょっとした言葉遊びに参加しております。両氏のマニアファンであれば必読だったりするのでしょうか?

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