2006年10月01日(日) 17時51分36秒

「死日記」 桂望実 2006-127

テーマ:--桂望実
県庁の星 」の桂氏デビュー作である「死日記」読了しました。
いたたまれない作品です。

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桂 望実
死日記
出版元
小学館文庫
初版刊行年月
2003/01
著者/編者
桂望実
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
十四歳の少年は、なぜ事件に巻き込まれたのか。活気と希望に満ちるはずの少年時代に、しのびよる『死』の影。少年は何を感じ、誰と出会い、どう生きてきたか。日記に淡々と綴られた少年の日常が、そのひたむきな思いを浮き彫りにし、胸を打つ。エクスナレッジ社名変更1周年記念企画「作家への道!」優秀賞受賞作。<<Amazonより抜粋>>



冒頭、少年が男をどうやら殺した(らしい)描写があり、その後、主人公であるその少年(らしい)の日記が物語の大半を占めます。
その間に、刑事とその少年の母の会話が挟まっています。

物語は、少年の日記という媒体を通じて、「とある事件」までの過程を知り、刑事と母親の会話によって、「とある事件」を振り返るといった構成で進みます。

日記に書かれている内容は、他愛のないことばかりですが、陽気に振舞いつつ、家庭が崩壊していく様をまざまざと感じます。
暴力が絶えなかった父親を事故で亡くし、母子家庭となったことで、ある意味で幸せな生活をしている時に、見ず知らずの男が転がり込んできます。
この男と母親の異常な行動と、日記で語られる未遂事故。
少年はそれでも夢を持って、生きていこうと考えています。

一方の場面では、刑事は、真実を語ろうとしない母親に対して、尋問を繰り返していきます。
この母親の頑なな態度には何が隠されているのか?

物語が進むにつれ、胸が痛みました。
個人的な心情として、どうにもこの母親が許せないんです。
そして、プロローグに描かれた内容の真相が明らかになる物語の結末は、相当切ない気持ちになっちゃいました。

刑事の「なぜ、産んだんです?」という母への問いかけは、現実の世界にも日々起きている凄惨な事件に対する憤りを代弁してくれたようでしたね。

予想外に、ぐいぐいと引き込まれてしまったのは、ストーリ性と筆致によるものであり、改めて著者を再評価しました。

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2006年06月30日(金) 22時52分20秒

「ボーイズ・ビー」 桂望実 2006-082

テーマ:--桂望実
ボーイズ・ビー読了です。
「県庁の星」でもそうでしたが、結構さらさらと読めてしまいました。
なんだか公私共々バタバタしているこの時期には、とても大事なことだったりします。

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桂 望実
ボーイズ・ビー
出版元
小学館
初版刊行年月
2004/04
著者/編者
桂望実
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
川端隼人12歳、小学六年生。この夏、ママを亡くした。弟がいる。直也6歳。小学一年生。直也はまだママが「死んだ」ということがわかっていない。消防士のパパは夜勤が多い。だから、ぼくが直也の面倒を見なければならない。ぼくには泣いてる暇はない。園田栄造70歳、靴職人。魂を込めて靴を造る。そのために不要なものはすべて排除する。気安く近づいてくるやつらが大嫌いだ。用事もないのに話しかけてくんな。ガキは特に嫌いだ。わがままで、未熟なくせに姑息で、甘えてみせもする芸達者だ。じんわりと気持ちがほぐれる泣けないガキと偏屈ジジイの物語。<<Amazonより抜粋>>



あらすじのとおり、母親を亡くした”泣けないガキ”と、昔のとおり靴が作れない”偏屈じじい”の話です。

「隼人」視点(ジュブナイル文体)と「栄造」視点(べらんめい文体)の物語りが交互に組み込まれています。
物語前半から二人の話は交差し、様々なことを経て、徐々に年齢の差を超えた友情のようなものが芽生え始めます。
隼人は弟の直也に「母親が亡くなったことをどうしたら理解してもらえるだろうか」と悩み、栄造は「思い通りの靴が作れない」ことに悩んでいます。

お互いの悩みを補完しあって(もちろん気の良い周りの登場人物のおかげもあって)、ラストはハッピーエンドってことになるわけです。よかったよかった。

印象深かったのは、隼人が心の内に秘めていたことを父親にぶつけるところなのですが、この父親ってのが、読み手の趣向によっては嫌な奴だったり、不器用な奴だったりします。
私は比較的後者の印象を持ちました。

さらっと読めて、読後もすっきりする作品でございます。

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2006年05月01日(月) 20時56分36秒

「県庁の星」 桂望実 2006-053

テーマ:--桂望実
待ちすぎちゃって、映画上映 も終盤ですね。(T_T)
そんな本屋大賞 9位の「県庁の星」読了しました。

ちなみに最近当ブログでは、「ベルカ吠えないのか?」や「ナラタージュ」とか本屋大賞エントリーの本を読了していますが、これは完全に意図的・作為的な読書でございます。
予約できる図書館っていいですよね。
やっぱし。

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桂 望実
県庁の星
出版元
小学館
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
桂望実
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
野村聡。31歳。Y県職員一種試験に合格。入庁9年目。Y県県庁産業局産業振興課主任。Y県初の民間人事交流研修対象者6名の一人に選ばれた期待のホープだ。一年間の研修を無事にこなして戻れば、念願の係長への階段を同期に先んじて確実に登ることができる。ところが、鼻高々で望んだ辞令交付式で命じられた赴任先は…スーパー? しかも…H町の? えらくマイナーな感じがした。だがそのイヤな予感は現実のものとなる。 もらった予算は使いきるもの! 人を  “使役”してこその“役人”だ! 大勘違い野郎の「県庁さん」がド田舎のスーパーで浮きまくり。生まれて初めてバカと呼ばれた県庁さん、はたしてこのまま「民間」でやっていけるのか? <<Amazonより抜粋>>



全体的に軽~い感じです。

主人公の野村聡と、スーパーの熟練パート(実質上の店長)の二宮泰子の一人称表現が交互に構成されています。

・・・映画も見ていませんが、二宮泰子≠二宮あき(柴崎コウ)は、映画用に脚色されているようですね。
個人的には、疲れた感じの小説版二宮の方が、良さそうですね。(映画見てませんけど)

・・・これまた個人的な話ですが、高校・大学在学中に地元のホームセンターでバイトをしてまして、「検品」とか「品出し」とか「ダンボールをつぶす」とかに、妙なノスタルジーを感じてしまいました。

で、物語ですが、やっぱり2時間の映画になりそうなくらいのボリュームでした。
あまり売れないスーパーが舞台となって、主人公の野村聡が、成長していくという物語。
この線から逸脱する訳でもなく、きっちり収束します。

大きなきっかけや、大きな話のブレもなく、とても分り易い、小さなことの積み重ねによって構成されています。
なんていうんでしょうか、正直「普段、読書をしない人向け」の小説かもしれません。

ストレートに、役人の塊のような野村が、四苦八苦する姿を、そしてそんな野村が、様々な事を経て、成長していくってのを、楽しみたいって人にはおすすめです。

が、意外な展開とかを期待していたら、ちょっと期待はずれかもしれません。
例えば、二宮の章を、もっと膨らませたりしてもらうと、家族もの好きな私は「おぉぉ」と思ったりしたのでしょうね。

残念ながら、予約待ちが長すぎたせいもあり、相当期待していた私にとっては、「これで、おしまいかい!!」という感じでした。

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