「ワールズ・エンド・ガーデン」 いとうせいこう 2009-050 | 流石奇屋~書評の間

「ワールズ・エンド・ガーデン」 いとうせいこう 2009-050

いとうせいこう氏「ワールズ・エンド・ガーデン」読了しました。

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出版元
新潮社
初版刊行年月
1991/01
著者/編者
いとうせいこう
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
地上げした土地の廃ビルにペインティングを施し、アーティストやミュージシャン、編集者などオシャレな不良どもを住まわせる。なんの変哲もない町が二年後には流行の発信地となるだろう。期限付きの解放区、ムスリム・トーキョーはそんな思惑で生まれた―。ドラッグが蔓延し、フリーキーな若者たちが蠢く堕天使の楽園。幻覚のようなヴィジョンに豊かな寓意を重ねた長編小説。<<Amazonより抜粋>>


1991年の作品。
18年も前の作品ですが、色褪せてはいないですね。

なんというか、まさに「箱庭」です。
井の中の蛙みたいなところです。
そこが退廃。
思い切りジャンキーなのです。

だから物語のメインにある「自分探し」も、ある意味において汗臭くなく、それでいて泥臭いのですね。
宗教モノといえば、そうなのですが、あまりそういった印象もなく終わりました。

注目すべきは退廃した世界観

例えば、たびたびこの書評にも登場する(といって、だいぶ過去の記事ですが)、椎名誠氏の「武装島田倉庫」の雰囲気も匂わせます。
でも、あの世界観には敵わない。