2006年12月09日(土) 02時48分11秒

「浪漫的な行軍の記録」 奥泉光 2006-161

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
タイトルと装丁で借りてみました「浪漫的な行軍の記録」、読了しました。

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奥泉 光
浪漫的な行軍の記録
出版元
講談社
初版刊行年月
2002/11
著者/編者
奥泉光
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:2点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
南方戦線のジャングル中で、張りぼての大砲「国体の精華」を運ぶ帝国陸軍兵士の運命は。戦局悪化、極限的な状況の中で、人間存在の意味とは何か、日本の運命とは何かを問う長篇小説。<<Amazonより抜粋>>



この物語をどう捉えるべきか、ちょっと悩んでしまいました。
この読み手に”ちょっと悩んでしまいました”という印象を与えることが本書の一つの目的であるならば、その目的は十分に達成しているものと思われます。

語り手である「私」の立ち位置を、老人とするならば、戦争中の行軍をトラウマとして幻視する老人の物語と読めますし、立ち位置を行軍している若者とするならば、(本来はありえない)未来を幻視する若者の物語とも読めます。

普通に考えれば、感覚的に前者の物語であろうと思いますが、後者でも不思議な感覚に陥り、意外に気持ちが良かったのです。

また、行軍の描写はそれが幻視であろうとなかろうと、ただただ「ひたひた」と歩き続けます。
文中の一節にありましたが、歩き続けるのは「命令されているから」という悲しい理由であり、戦争の虚しさのようなものを感じます。

この「命令されているから」という理由自体は、実は現実の世界における主体性のない我々(文中においては「死人(しびと)」)そのものを表しており、その解釈に妙に納得してしまった自分自身の虚しさも感じることができました。

単純に「戦争反対!!」といった内容ではなく、もっと深いところをえぐられてしまったという印象を受けました。

「ひたひた」「ひたひた」

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