№131 「あの日にドライブ」 荻原浩 | 流石奇屋~書評の間
2005年11月28日(月) 20時43分18秒

№131 「あの日にドライブ」 荻原浩

テーマ:--荻原浩

以下駄文開始。
読前感想の枠 ってのは、読後感想でもこういった形で使用しようと思っています。
携帯から確認すると表の左側の文字が見えなかったので、マイナーチェンジしたものの、なんというか、それなりに整理整頓された風なので、良いな~と自画自賛。
なにやら「書評」という冠もあって極めて個人的な総評点数表示なんかもしてみたりして(極めて個人的な評価ですから、怒らないでくださいね)
以上駄文終了。

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ということで、新フォーマット1発目は、荻原氏の最新刊「あの日にドライブ」です。
残念ながら「さよならバーディー」「明日の記憶」が未読であり、刊行順に読むというルールを守れませんでしたが、さらに研ぎ澄まされた荻原節、「2005年の荻原節」(と勝手に命名)が味わえます。
個性的な登場人物と、そこにまとわりつく「悲哀感」とか「生き様」とか「閉塞感」とか「いらぬ妄想」とか、いろいろ。まさに、小説世界に見る現代の写し画のような作品です。

amazonリンク
荻原 浩
あの日にドライブ
出版元
光文社
初版刊行年月
2005/10
著者/編者
荻原浩
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
元エリート銀行員だった牧村伸郎は、上司へのたった一言でキャリアを閉ざされ、自ら退社した。いまはタクシー運転手。公認会計士試験を受けるまでの腰掛のつもりだったが、乗車業務に疲れて帰ってくる毎日では参考書にも埃がたまるばかり。営業ノルマに追いかけられ、気づけば娘や息子と会話が成立しなくなっている。ある日、たまたま客を降ろしたのが学生時代に住んでいたアパートの近くだった。あの時違う選択をしていたら…。過去を辿りなおした牧村が見たものとは? <<amazonより抜粋>>


簡単に言うと、中年男の悲哀感たっぷりの前半から、妄想の中盤にかかり、爽快な終盤がやってきます。
タイトルの「あの日」とは、主人公の牧村伸郎が思う、過去の人生の分岐点である「たくさんのあの日」。
その分岐点を、今と違う道筋で歩いていたら自分は、どうなっていただろうと思いめぐらせることが、物語の主題となっています。

出版社への就職という夢を捨て、現実として「堅い」銀行に就職したり、大学時代に付き合っていた恵美と結婚できなかった自分。
売上げのノルマが達成できない牧村は、その過去の産物に会いに行くのですが、そこで起こる様々な出来事が、非常にユーモラスでちょっとだけ悲しいかったです
この辺りのくだりは、非常に「荻原節」。
このテーマ・シチュエーションだったらもっと暗くなっても良いところですが、思わずにやりとしてしまいます。


この小説は、「今まで通ってきた道(あの日に選択した今までの人生が)が、最良の選択か?」という問いに対して、タクシードライバーという職業を通して、答えているのだと思いました。
そういった意味では非常に計算高い物語だったりします。

今までの作品に見られた、物語の動きそのものはあまりなく、やもすれば妄想話に終始し、若干淡々とした感じもあるものの、やっぱり荻原作品は人が生き生きしていて良いです。

で、タクシードライバー仲間の山城や隊長はじめいろんな人の生き様を見せつけられ、自分自身の自尊心のつまらなさや世間への甘さに気がつき、「これはこれでいいんじゃないか?」と思い始めてから、爽快の終盤が訪れます。

家族の修復。
そして銀行時代の上司との邂逅・・・

ふふふ、読了感はバッチリ。胸がす~っとします。

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