№127 「実験小説ぬ」 浅暮三文 | 流石奇屋~書評の間
2005年11月22日(火) 00時34分12秒

№127 「実験小説ぬ」 浅暮三文

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
浅暮 三文
実験小説 ぬ

いいですね。表紙。まさに「実験小説ぬ」でございます。
『ダブ(エ)ストン街道』で第8回メフィスト賞を受賞しデビューした浅暮三文氏の文庫書き下ろし&オリジナル/傑作短編集の「実験小説ぬ」。

「実験小説ぬ」でございます。

このセンス。これだけでご飯が3杯食べれちゃいます。

交通標識で見慣れたあの男の秘められた、そして恐ろしい私生活とは?(「帽子の男」)。東京の荻窪にラーメンを食べに出かけた哲人プラトンを待っていた悲劇(「箴言」)。本の世界に迷い込み、生け贄となったあなたを襲う恐怖(「カヴス・カヴス」)。奇想天外、空前絶後の企みに満ちた作品の数々。読む者を目も眩む異世界へと引きずり込む、魔術的傑作27編。<<裏表紙より>>

ま、タイトルの通り「実験小説」ということで、あらゆる実験的なそして前衛的な手法で短編を構成しています。

前半部の「実験短編集」では、元来「文字の集合」でしかない小説というものに対して、絵、写真、そして得体の知れない記号群で、視覚的に表現しています。
ポイントはこの表現のサイズ。
やっぱり単行本では冗長的になると判断して、あえてこの「実験小説ぬ」は「文庫書き下ろし&オリジナル」なのだろう
と思います。

後半部は「異色掌編集」と銘打ち、村上以前(*1)によく読んだ星新一編の「ショートショート広場」を彷彿させる掌編ばかりが揃っています。
あぁぁ懐かしいなぁぁ「ショートショートの広場」。
で、やや実験的要素は薄れますが、ちょっとブラックな作品もあるので、思わずにやりとしてしまいます。

この本は書評するものではなく、是非手にとって「感じて欲しい本」です。
ある意味で最先端の小説であり、一方で、どこか懐かしい感じのする短編集でした。

ちなみに、本文とはまったく関係ありませんが、裏表紙の著者近影もなかなか良い
です。
失礼かもしれませんがマッドサイエンティスト風です。

(*1)村上以前:
私自身が
、本格的に文学を意識した村上春樹氏の小説を読むまでの時期をさす。
概ね小・中学校時代のこと。村上時代については、こちら とかこちら を参照のこと。

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