№120 「SPEED」 金城一紀 | 流石奇屋~書評の間
2005年11月03日(木) 01時35分27秒

№120 「SPEED」 金城一紀

テーマ:--金城一紀

金城 一紀
SPEED

これまた待望の予約本。
ザ・ゾンビーズ・シリーズ第3段の「SPEED」でございます。

相変わらずの流れるような文体に、「FLY,DADDY,FLY」以上に勧善懲悪の世界に、圧倒的に爽快感のあるラスト。何より奴ら(ザ・ゾンビーズ)にまた逢えたことを素直に喜びたいのです。よかったぁ。山下サイコー!!

ゾンビーズ・シリーズ最新作!岡本佳奈子、十六歳、真面目で平凡な女子高生。そして―。家庭教師の謎の死+ザ・ゾンビーズ+憎むべき敵+赤い車=生まれて初めての冒険! <<本帯より>>

いきなりですが、まずは装丁。
Amazonの画像にもあるとおり、この本は「ショッキングピンク」に青と黄色。
なんだかサブカル本みたいで、タイトルが「SPEED」ってくると、これまた随分と大胆な感じです。
30過ぎの大人が通勤電車でカバーもせず読むって本ではないですね。(ま、読んでましたけど・・・)
個人的には、「アリ」です。
なんせいろんな意味で分りやすいですし、仮に金城氏も知らず、ゾンビーズ・シリーズを読んでいなくても、(個人的には)本屋に平置きされていれば手に取ってしまう装丁なのですね。うまいうまい。

で、物語の感想です。
「FLY,DADDY,FLY」の女子高生版と簡単に言ってしまえば、そんな感じなのですが、どちらかといえば「憎むべき敵」の「悪意」は、こちらの方が高く、それでいてレベルは壮大だったりします。
悪のレベルに壮大もなにもないんですけど、憎むべき敵の敵キャラとしての完成度といった意味で、「FLY,DADDY,FLY」の上をいっております。
で、そのあたりの伏線はまったくといっていいほどなくて、前半早々、直球で悪役が決まり、後は、どのようにその悪役と戦っていくかまでの過程が物語になっています。

金城作品のありがたみってのは、「伏線があまりない」ってことだったりするんでしょうね。

普段「推理小説」を読んだりしていると、「あっと驚く伏線」とか「意外な敵キャラ」などを期待するんですけど、このあたりはばっさり割愛して、徹底的に戦うまでの過程を、集中させて、これまた”ぐいぐい”と読ませていく。まさに映画「ジャッキー・チェーンの○○拳」(→詳しくは「FLY,DADDY,FLY」の感想 で)なわけです。

加えて、今回は、前々作の「レヴォリューション№3」と「FLY,DADDY,FLY」の世界(時系列)をきっちり踏襲しており、意識的にちりばめていること。

女子高の文化祭乱入事件
があって(ちなみに主人公の岡本佳奈子はこの女子高の生徒)、何ににも返られない親友の死があって、ただのダメ中年を鍛えたりして、そしてこの事件があって、卒業間際には沖縄にいってしまうゾンビーズ達。

3作目でありながらも時系列的には、前々作の「レヴォリューション№3」に内包されている、いわば「レヴォリューション№3外伝」のような物語(という意味では「FLY,DADDY,FLY」も十分「外伝」なのですが)なわけです。
決して成長を見せないゾンビーズ達。
<史上最弱のヒキの弱い男>”山下”は随所に健在(やっぱり大爆笑)だし、アギーだって見せ場多いし、朴舜臣は相変わらず大活躍。何にも変わらないメンバー達なのです。

で、なおかつ、きっちり時間軸をおさえてしまうことで、前2作で感じることのできたものを、もう一度懐かしむことができちゃうわけです。

FLY,DADDY,FLYがイケル方は必読の”拳2つ分、前に出す”レヴォリューション№3外伝なのです。



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