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2006年07月31日(月) 23時59分59秒

2006年7月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

◆今月のアクセスランキング

総合ランキング:
7310位/1164465人中(0.62%)前月からの比=-0.02%
ジャンルランキング:
120位/7459人中(1.60%)前月からの比=-0.2%


◆検索ワードTOP10

1 感想 5.5%
2 書評 5%
3 伊坂幸太郎 3.7%
4 砂漠 2.9%
5 噂 2.8%
6 荻原浩 2.4%
7 乾くるみ 2.1%
8 さよなら妖精 2%
9 重力ピエロ 1.7%
10 ネタバレ 1.6%


◆2006年7月のランキング

今月は、前半やや落ち気味だった読了ペースでしたが、お休みをいただき、後半のハイペースもあって、3ヶ月連続の15冊。
ここまでくると永遠に毎月15冊くらい読んじゃうんじゃないかって気にもなります。
ま、そうそう簡単には行きませんがね。

で、今月の1位は、町田氏の「告白」でございました。
嗚呼、熊太郎って感じです。

第1位;「告白」 町田康
;エンターテイメント小説;2006年07月12日(水) 14時52分58秒

町田 康
告白


第2位;「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野晶午
;エンターテイメント小説;2006年07月26日(水) 22時07分14秒


歌野 晶午
葉桜の季節に君を想うということ

第3位;「女王様と私」 歌野晶午
;エンターテイメント小説;2006年07月20日(木) 22時07分08秒


歌野 晶午
女王様と私

第4位;「コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ)」 上甲 宣之
;エンターテイメント小説;2006年07月15日(土) 21時32分07秒

第5位;「となり町戦争」 三崎亜記
;エンターテイメント小説;2006年07月24日(月) 22時14分40秒

第6位;「生首に聞いてみろ」 法月綸太郎
;推理小説;2006年07月29日(土) 13時46分59秒

第7位;「Fine days―恋愛小説」 本多孝好
;エンターテイメント小説;2006年07月14日(金) 09時56分01秒

第8位;「ルート350」 古川 日出男
;エンターテイメント小説;2006年07月18日(火) 07時18分16秒

第9位;「レタス・フライ」 森博嗣
;エンターテイメント小説;2006年07月19日(水) 09時12分36秒

第10位;「不安な童話」 恩田陸
;推理小説;2006年07月11日(火) 14時10分28秒

第11位;「アルファベット・パズラーズ」 大山誠一郎
;推理小説;2006年07月17日(月) 08時27分35秒

第12位;「The TEAM」 井上夢人
;エンターテイメント小説;2006年07月27日(木) 22時46分11秒

第13位;「ステップファザー・ステップ」 宮部みゆき
;推理小説;2006年07月09日(日) 18時05分27秒

第14位;「東京DOOL」 石田衣良
;エンターテイメント小説;2006年07月22日(土) 00時20分59秒

第15位;「殺人ピエロの孤島同窓会」 水田美意子
;エンターテイメント小説;2006年07月21日(金) 22時50分36秒
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2006年07月30日(日) 21時34分03秒

2006/07/29に借りた本

テーマ:読前感想
もはや、2週間に1度などというルールが、ないに等しくなってしまった図書館への行き来。
ということで今回は前回の借り出した本5冊のうち、3冊を返し、予約本4冊と書棚借り出し3冊借りてみました。
これで我が家には計9冊の本があるってことになります。
どうでも良いことですが・・・

題名
MISSING
読了可能性
★★★★☆
出版元
双葉社
初版刊行年月
1999/06
著者/編者
本多孝好
読前感想
予約本の1です。これで既出の本多氏作品はすべて借り出しました。小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集だそうです。デビュー作ですね。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015390624.html

題名
地獄のババ抜き
読了可能性
★★★★☆
出版元
宝島社
初版刊行年月
2005/01
著者/編者
上甲宣之
読前感想
予約本の2です。あれやこれやという間に、上甲氏作品もすべて借り出しちゃいましたね。本書は「XX(ダブルクロス)」で活躍した2名の女性登場人物が出てくるようです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015566895.html

題名
上手なミステリの書き方教えます
読了可能性
★★★★☆
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
浦賀和宏
読前感想
予約本の3です。新しいシリーズ(八木剛士&松浦純菜シリーズ)の3作目です。ネット上ではあれこれといわれているようですが、個人的には作品の空気感が好きだったりします。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015420121.html

題名
殺戮にいたる病
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
1992/02
著者/編者
我孫子武丸
読前感想
予約本の4です。「葉桜の頃・・・」読了後に、同じトリックを使用した作品として紹介されていたのを受けて、予約してみました。読後感想にも書きましたが、このトリックがあるってことを知ってから読むと驚きが半減しちゃうんじゃないかとも思いましたが、あえて実践してみようと思い立ったわけです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015567063.html

題名
翼とざして アリスの国の不思議
読了可能性
★★★☆☆
出版元
光文社カッパノベルズ
初版刊行年月
2006/05
著者/編者
山田正紀
読前感想
新刊本コーナーにありました。通勤用にノベルズを一冊と心に決めており、すぐに手に取ってみました。その後、カウンター裏から登場した予約本の2冊がノベルズだったので、あれでしたが・・・
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015722390.html

題名
銀色の翼
読了可能性
★★★☆☆
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
佐川光春
読前感想
こちらも新刊本コーナーにありました。本帯にある「嘘やごまかしが微塵もない奇跡的な作品」。という村上龍氏のコメントにやられました。だいたいにして、本帯とかにやられちゃううタイプなのです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015605065.html

題名
本業 タレント本50冊・怒涛の褒め殺し!
読了可能性
★★☆☆☆
出版元
ロッキング・オン
初版刊行年月
2005/08
著者/編者
浅草キッド 水道橋博士
読前感想
とても久しぶりの「パラパラ本」の登場です。特段、意図もなく(ま、久しぶりにパラパラ本でも借りて見ましょうか?)程度のノリで借りてみました。タイトルの「褒め殺し」っていうワードで、勉強でもしてみましょうかとは思っていないです。はい。
読後感想リンク


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2006年07月29日(土) 13時46分59秒

「生首に聞いてみろ」 法月綸太郎 2006-097

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】

「このミステリがすごい!2005年版」で堂々1位となった作品「生首に聞いてみろ」読了しました。
ということで「葉桜の頃・・・」「生首に・・・」と「このミス1位作品」が奇しくも同月読了という事態となりました。

amazonリンク

法月 綸太郎
生首に聞いてみろ
出版元
角川書店
初版刊行年月
2004/09
著者/編者
法月綸太郎
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
首を切り取られた石膏像が、殺人を予告する―著名な彫刻家・川島伊作が病死した。彼が倒れる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏像の首が切り取られ、持ち去られてしまう。悪質ないたずらなのか、それとも江知佳への殺人予告か。三転四転する謎に迫る名探偵・法月綸太郎の推理の行方は―!?幾重にも絡んだ悲劇の幕が、いま、開く。 <<Amazonより抜粋>>

苦悩する探偵・底知れぬ伏線・硬質なミステリとまぁいろいろ小見出しありますが、ちょっと過剰な期待をしちゃったかな~といった感じです。

【苦悩する探偵】
父親が警視というミステリ作家の法月綸太郎が、とあるきっかけで、石膏像の首紛失事件と遭遇します。
探偵然と事件の背後関係を調査を進めていく中、より悲劇的な事件が勃発してしまい、未然に防げたということを悔やみます。
で、そのより悲劇的な事件をも調査を進めていく中で、更に未然に防げたという事実を知り、より深く後悔するのです。
ミステリにおける「探偵」というキャラクターは、物語を読み進めていく重要なファクターだと個人的に思っており、そういった意味では、この「法月綸太郎」という探偵は、ひ弱な(正しく言えば、リアリティのある)キャラクターだと思いました。
”ミステリの中心に座する探偵は、超絶したキャラクターであるべし”とは、たった今考えた、私のまったくもって個人的な「ミステリ小説の定義」
だったりするので、正直、ちょっと物足りなかったのです。(まったくもって個人的な感想なので、気を悪くした方はごめなさい)

【底知れぬ伏線】
”伏線はきっちり収束すべし”とは、これまたたった今考えた個人的な「物語全般における定義」なわけですが、そういった意味では、本書は、伏線が、きれいに跡形もなく収束されておりました。
ただ、それでも消化不足感が残ったのは、人間系の伏線がやや複雑だった、言い換えれば「伏線の多さ」だと思われます。
そこまでがちがちに伏線を張らないと、この物語自体の収束ができなかったか?と思うと、もう少しシンプルになるような気がします。
ま、一方で、これは読み手スキルの問題だったりして、まだまだ修行が足りないなとも思いました。

【硬質なミステリ】
ちゃんとしたミステリとしては久しぶりの本書だったので、ラストにある「解決編」はとても楽しく読むことができました。
法月綸太郎の口から発せられる、今までの事象(伏線)を束ねていく言葉は、とても魅力的で、(ちゃんとしたミステリを読んでるな~)と妙な感想を持ちながら読み進めていくことができました。
これも読み手の今までの読書経験と今日的な興味が多分に影響するものだと思いますが、ミステリという言葉にはかっちりはまる作品だったことは確かなので、3度の飯より今はミステリをじゃんじゃん読みたいって人にはオススメの作品です。
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2006年07月27日(木) 22時46分11秒

「The TEAM」 井上夢人 2006-096

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
「The TEAM」読了しました。
たぶん「井上氏のお初にお目にかかる作品」だと思われます。
書評以前に「岡嶋二人」氏作品は読んだ記憶があるような気はしますが・・・

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井上 夢人
the TEAM
出版元
集英社
初版刊行年月
2006/01
著者/編者
井上夢人
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
人気霊能者の陰で〈彼ら〉が大活躍!?盲目で難聴の人気霊導師、能城あや子。百発百中の"霊視"を支えるのは、彼女の仲間たちだった。過去の事件の真相や、不思議な現象の真実を次から次へと暴き出す! 極上ユーモアミステリ集。<<Amazonより抜粋>>


偽霊媒師とそれを取り巻くチームの物語。
全8編の中編が所収されております。

物語は基本的に、悩める対象者からの相談事があって、裏で活動するチームが、事前に調査をするのですが、それが一筋縄ではいかない展開になっていくといった感じです。
相談者にしてみれば、霊媒師に相談するくらいだから、「霊的」な解決を期待しているわけですが、結果的にはちゃんとした裏付けのある事実であること(もしくはそれに類する状況であること)を、霊媒師である能城あや子から伝えられるということなわけです。

読んでいて、ふと京極夏彦氏の「京極堂シリーズ」の「この世には 不思議なことなど何もないのだよ」という決め台詞を思い出しました。

ま、もちろんこの事実を突き止めるためのチームの活動は、直線的であり、不法侵入をしてみたり、ハッカーまがいのことをしたりします。
これは、一般的には犯罪なわけですが、事件が解決するという点においては、喜ぶ人はいても、被害者はいないといった妙な構造になるのです。

ラスト2話は、これら偽霊媒師とチームにかつてない危機が訪れます。
「その危機をどのように回避していくか」というラストをもって物語が終了しますが、このあたりは潔くて良かったです。
ただ、何事もなくいつもの仕事を淡々とこなしていくといった「終わりのない終わり」という終わり方でも、良かったような気がします。

また、タイトルが「ザ・チーム」とありますが、実際のチーム人数は3名(実働は2名)であり、意外にそれぞれせっかくだから、特徴のある個性的なメンバーがもうちょっといても良かったかな~などと思いました。

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2006年07月26日(水) 22時07分14秒

「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野晶午 2006-095

テーマ:--歌野晶午
何を今更・・・という声も聞こえそうですが、ようやく読了しました「葉桜の季節に君を想うということ」

なるほど、これは唸ります。
まんまと騙されちゃいました。

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歌野 晶午
葉桜の季節に君を想うということ
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2003/03
著者/編者
歌野晶午
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:5点 
装丁:4点

あらすじ
ひょんなことから霊感商法事件に巻き込まれた“何でもやってやろう屋”探偵・成瀬将虎。恋愛あり、活劇ありの物語の行方は?そして炸裂する本格魂。<<Amazonより抜粋>>


【注記】
なるべくネタバレをしないつもりで記述しますが、たぶん無理です。ははは
なんとなくネタバレになってしまい、それが未読の方の「読了後の喜び」を、絶対阻害することとなりますので、読む気があって未読の方は、まずは読了していただき、その後にお会いしましょう。(・・・長い)

・・・

・・・ということで

メインストリームは、
「①主人公である「なんでも屋」成瀬将虎が、知人の依頼で悪徳商法まがいの蓬莱倶楽部の悪事をあばくというもの」
でありますが、その間には、
「②成瀬が、過去に経験した連続殺人事件」
「③古屋節子という女性のどん底人生模様」
「④安藤士郎という男性の切ない人生模様」
というエピソードが、挟み込まれています。

で、普通に読んでいれば、メインストリーム(①)とエピソード(②~④)の関連性が、どんな形でやってくるのだろうか?という読み手意識をそそる展開になるわけなのですが、想像以上に見事に関連しちゃいます。
特に①と③と④の関連性あたりは、読書を進めて事実を知って「ぬぬぬ」と唸ってしまったのです。
そう、この物語は「○○トリック (クリックすると、そのトリックについての説明に飛びますので、未読の方は開かない方がよいでしょう)」だったわけで・・・
そりゃ、ま~唸るのです。

○○トリックの、幸せな読み方(もしくは○○トリックの用いた物語との幸せな出会い方)は、

「未然に、○○トリックが入っているという事実そのものを知らされないこと」であり、そういった意味では、まったく前提知識がない(せいぜい評判くらい)状態で、この本を読むことが出来たのは、とても幸せだったと思っております。

裏を返せば、この事実を未然に、耳にしてしまうことから、よこしまな気持ち(おいおい、どこが○○トリックなんじゃいという観点)で本書を読んでしまうので、そりゃそれで楽しいのでしょうけど、ちょっと淋しい感じがします。

要するに「お化け屋敷」でお化けにビックリするか、「日常の生活」でお化けにビックリするかの違いなのです。(微妙に分りずらい比喩ですみません。)

ちなみに読書を進めていく中で、そんなトリックがあることを知らない間、私自身が気にしていたポイントは、
前述したメインストリームとその他エピソードの関連性の他に
・主人公「成瀬」とヒロイン格の「麻宮さくら」の恋路の行方(死語)
・関係していそうでいない「蓬莱倶楽部」と「麻宮さくら」の関連性(あるのか?ないのか?)
・主人公の奇妙な夢の正体
だったわけですが、それらはすべて解決します。
で、その収束した物語世界を内包する(もしくはあざ笑う)、もう一つの事実が本書の評判を上げているわけです。

ということで、評価としては満足しちゃっていますが、採点が今一つだったのは、以前にこちら (このリンク先もネタバレの要素を含んでおります。.)を読了していたからであり、この驚き自体が既に経験済みだったからなのです。
きっと、こちらを先に読んでいれば、もっと評価が高かったと思われます。

ということは、○○トリックに騙されるということは、一生に一度の幸せな瞬間だったりするのですね。

それと、エピソード②に関しては、ちゃんとした推理がなされ、解決するといった一般的なミステリの流れが加わっており、それはそれで好印象でした。

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2006年07月24日(月) 22時14分40秒

「となり町戦争」 三崎亜記 2006-094

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】


こんなところ にもHPがあったりして、それなりに話題となったらしい本書。
本帯には、でかでかと「発売たちまち大反響!」とあります。

第17回小説すばる新人賞受賞作「となり町戦争」読了しました。

amazonリンク

三崎 亜記
となり町戦争
出版元
集英社
初版刊行年月
2005/01
著者/編者
三崎亜記
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。 <<Amazonより抜粋>>


とにかく設定が良いですね。
これだけで、ご飯が3杯いけそうな設定です。(もちろん比喩ですが)

主人公の北原修路、「僕」ではじまる一人称の物語なのですが、あらすじにあるとおり、僕の住む舞坂町ととなり町との「戦争」が淡々と始まります。

開戦されても日常とまったく変わらない生活が続き、戦時中の唯一の戦争らしき情報は、町報の人の動きの死亡欄にある(うち戦死者○名)という情報だけです。

主人公である「僕」は、舞坂町からとなり町の偵察業務を任命され、物語は「ただの一般市民」から「戦争に従事する青年」の視点で進みます。
だけど、やっぱり「僕」のイメージしていた戦争は、目の前でまったく起こらず、この戦争の目的は相変わらず分らないという状況なわけです。

この物語のテーマは、まさしく「戦争」そのものなのですが、ストレートな「反対」だとか「擁護」とかそんなスタンスではありません。
表現するのが難しいのですが、強いて言えば「このような状況において、戦争を感じることができるか?」であり、突き詰めていけば「イメージできない(感じることのできない)戦争を否定することができるか?」ということだと思います。
よくよく考えてみれば、結構重いテーマなのですよね。

町の行政の一環として、それは道路工事のような感覚で、「おらが町が、となり町と戦争をする」という状況。
敵対心もないまま「となり町」との長い期間の協議を経て、言うなれば協力することで始めることのできた戦争。

・・・それを、やみくもに「反対」と言えるか否か。

・・・

そして、淡々とはじまった戦争は、約束の期日どおり淡々と終了します。
このあたりの「淡々さ」が、ユニークである反面、怖くなってしまいました。

残念だったのは、ラストが、この戦争をきっかけにして知り合うこととなった、町の職員である「香西さん」とのロマンスのようなもので収束してしまった点。
物語自体が、もっと「淡々」と終わってくれれば、逆に心に残るものも大きかったような気がしました。

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2006年07月23日(日) 00時41分47秒

2006/07/22に借りた本

テーマ:読前感想
先週、借り出したばかりでしたが、予想外に読書スピードが早く、補充のため1週間で再度借り出しております。
今回は5冊ではありますが、2004年・2005年のこのミス1位作品2冊を同時借用という、内容の濃い借り出しとなっております。

ま、(なんで今まで読んでいなかったのか?)という自分自身への疑問を投げかけつつ、楽しみにしたいと思います。

題名
生首に聞いてみろ
読了可能性
★★★★☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2004/09
著者/編者
法月綸太郎
読前感想
間違いなく1年前くらいまでは、予約数筆頭ぐらいだった作品でしょう。2005年このミステリがすごい!2005年版で、「アヒルと鴨のコインロッカー」を抑え、堂々の1位。いつか借りてみたいなと思いつつ、何故か予約もしていなかったのですが、話題の本コーナーに鎮座しており、無事普通に借り出せることができました。楽しみな作品です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015215433.html

題名
葉桜の季節に君を想うということ
読了可能性
★★★★☆
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2003/03
著者/編者
歌野晶午
読前感想
これまた、過去には、たくさん予約されていたのだろうな~と思われる、知る人ぞ知る作品。このミステリーがすごい!2004年版1位に加え、本格ミステリ・ベスト10 2004年版でも1位を獲得した「女王様と私」の歌野氏の作品です。「女王様と私」読了後に、いろんな人の感想を読んでみましたが、よくあったのは、「葉桜・・」を面白いと思った人には「女王様」は物足りないといったコメントでした。ということでこれも、だいぶ期待しちゃいます。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10014980222.html

題名
The TEAM
読了可能性
★★★☆☆
出版元
集英社
初版刊行年月
2006/01
著者/編者
井上夢人
読前感想
新刊本コーナーにありました。もう初版が刊行されてから半年以上経っているのに、「新刊本」ってところが、とってもチャーミングな図書館であることを表しています。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015124462.html

題名
ネヴァードロップ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社
初版刊行年月
2002/11
著者/編者
田原弘毅
読前感想
これは普通の書棚にあり、本帯の「激笑叙事詩」というキャッチコピーにつられて借り出してみました。今回の借り出しはミステリ巨頭2冊があったため、ちょっとなごみ系が欲しくなったのでした。
読後感想リンク


題名
となり町戦争
読了可能性
★★★☆☆
出版元
集英社
初版刊行年月
2005/01
著者/編者
三崎亜記
読前感想
話題の本コーナーにありました。第17回小説すばる新人賞受賞作のようです。これまた本帯の高橋源一郎氏の推薦コメントにつられて借りてみました。この人が面白いっていっているのだから間違いな(いろんな意味で)く面白いのだと思います。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10014980149.html

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2006年07月22日(土) 00時20分59秒

「東京DOOL」 石田衣良 2006-093

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
石田衣良氏の「東京DOLL」読了しました。

タイトルのとおり「DOOL=人形」の物語です。
とはいえ、こちら とは真逆の世界ですが・・・

amazonリンク

石田 衣良
東京DOLL
出版元
講談社
初版刊行年月
2005/07
著者/編者
石田衣良
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
変化の街・東京で生まれた奇跡のような恋。若き天才ゲーム制作者・相楽は、新作のモデルに愛する男の不幸が見えるという少女・ヨリを選ぶ。IWGPシリーズの著者が描く最もハードな恋愛の形。<<Amazonより抜粋>>



読み終わって、一昔前に流行った「バブリー(死語)なトレンディドラマ(これまた死語)」の世界だと率直に思ってしまいました。

そう思ってしまうと、感想もそれなりになってしまうのですが、これはこれでしょうがありません。

要するに、生活には何も不自由ないモテモテ男の、モテモテがゆえの苦悩&ちょっとしたストーリ展開
そんなストーリ展開に加えて、登場人物のキャラクター設定から、場面展開から、何から何まで、やっぱり「バブリー(死語)なトレンディドラマ(これまた死語)」(2度目)なわけです。

情交描写(これも、だいぶ死語?) をちょっと控えめにしてみれば、本当にTVドラマできちゃいます。
そして平日の遅い朝に再放送だってできちゃうような物語です。

・・・

リーダビリティーは、”さすが石田氏”ってところだし、言い方を返れば、登場人物自体もしっかりキャラ立ちしているので、評価に値します。
それにラス前辺りに起こるちょっとした”会社存続に関係する盛り上がり”も、それなりに盛り上がります。
でも、でも、やっぱり「バブリー(死語)なトレンディドラマ(これまた死語)」(しつこいけど、3度目)なのは、何故なのでしょう?

それは、もしかしたら「才能はある(らしい)が、人として共感できないMG」とか「予定調和」って言葉で片付くものなのかもしれません。

軽めに書評してしまいましたが、内容も軽いので、これはこれでしょうがありません(これも2回目)。

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2006年07月21日(金) 22時50分36秒

「殺人ピエロの孤島同窓会」 水田美意子 2006-092

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
Amazonの画像にもあるとおり、「12歳が描いた連続殺人ミステリー」なわけです。
そういった意味では話題性は十分。
では、内容は・・・

ということで「このミス大賞」特別奨励賞受賞作「殺人ピエロの孤島同窓会」読了しました。

amazonリンク

水田 美意子
殺人ピエロの孤島同窓会
出版元
宝島社
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
水田美意子
総評
17点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:2点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
日本から1500キロ離れた、東硫黄島。島の外輪火山が噴火し、住民は東京に強制移住させられ、現在は、観測所を守っている老人が1人住むだけの孤島である。そんな島で同窓会が開かれることになり、4年ぶりに東硫黄高校同窓生が集まった。出席者はクラスメイト36人中、不登校だった1人を除いた35人。和やかムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す。次々と同窓生たちを惨殺し始める殺人ピエロの正体は?第4回2006年『このミステリーがすごい!』大賞特別奨励賞受賞作。 <<Amazonより抜粋>>



「20歳になったばかりの同級生35人が、高校の同窓会として地元の島(現在は孤島)に呼ばれ、次々と「殺人ピエロ」に殺されいく」
簡潔に言ってしまえば、それだけの話であり、物語の主題は「犯人は誰か?」「誰が、殺されずに済むか?」ということのようです。

ただ、この物語には、それ以外に「ネット上で繰り広げられる殺人トト」、「その殺人トトを取り締まろうとする警察」「1兆円という財産が眠っているといわれれている島の秘密とそれをスクープしようとする雑誌記者」「池に浮かぶ収納ケース」といった複数の同一時系列の話が織り込まれ、この「大量殺人」自体を、大きな世界観で描こうとしています。(あくまでも「描こうとしている」のであって、「描かれている」かどうかは後述します)

メインストリームである「孤島での殺人」は、グロテスクさ・真剣さにやや稚拙な部分がやっぱり目立ってしまいました。
登場人物がじゃんじゃん殺されていく状況において、残された者たちが、ゲーム感覚で応じているわけです。
深い悲しみとか怒りとか、建設的な状況把握とか、それら諸々が全部稚拙。

この「ゲーム感覚」が現代を象徴しているといってしまえばそれまでですが、やっぱり20歳という年齢設定からは、ちょっと無理があったような気がしました。

また、サイドストーリの数々は、読み始めは(おぉいいじゃん)と思ったのですが、読み終わってみると、どこか中途半端で、「とりあえず文章にしてみました」的な印象しかありませんでした。
だったら、孤島での殺人だけをしっかり描けていればよかったのにと正直思いました。

巻末にある選考者のコメントを読めばご理解いただけるとおり、本書はあくまでも「12歳が描いたミステリ」という話題性によって商品化されたようです。

一方で、ちゃんとした物語として「12歳が描いたミステリ」が、このようなゲーム感覚的内容であることに、何か引っかかるものがありました。
今後に期待したいと思います。

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2006年07月20日(木) 22時07分08秒

「女王様と私」 歌野晶午 2006-091

テーマ:--歌野晶午
当書評では「世界の終わり、あるいは始まり 」がそれなりに評価の高かった歌野氏。
で、その「世界の終わり・・・」に近いテイストを持つ本作「女王様と私」を読了しました。

これはこれで良かったです。
でも、やっぱりこの感想自体がネタバレになるんですよね~

amazonリンク

歌野 晶午
女王様と私
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/08
著者/編者
歌野晶午
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
真藤数馬は冴えないオタクだ。無職でもちろん独身。でも「引きこもり」ってやつじゃない。週1でビデオ屋にも行くし、秋葉原にも月1で出かけてる。今日も可愛い妹と楽しいデートの予定だったんだ。あの「女王様」に出逢うまでは。彼女との出逢いが、めくるめく悪夢への第一歩だった……。戦慄的リーダビリティがあなたの脳を刺激する、超絶エンタテインメント!!<<Amazonより抜粋>>


あらすじにあるとおり、44歳(!)の”オタク(私)”真藤数馬が、12歳(!!)の”女王様”来未と出会うところから始まります。
このシチュエーション自体で、エンターテイメント性に(やられた!!(もちろん良い意味で))と思い、加えてその世界で起こる、連続殺人事件に(おぉぉ!!(これまた良い意味で))と思ったわけです。
まさか、このシチュエーションで連続殺人事件が起こるなど思いもよらなかったので。

で、物語の中盤以降は、この連続殺人事件の犯人探しを、素人探偵となった数馬が追うわけですが、この辺りからストーリは大きく揺らいできます。(正しい意味で「揺らいできます」)
そして、ラストはそれなりの意外性をもって、収束します。

前述したとおり、既読の「世界の終わり、あるいは始まり」に近い作品なのですが、この物語世界は、ある意味で、「世界の終わり・・・」を超越したモノであるかもしれません。
「犯罪の若年化」が「世界の終わり・・・」のテーマであるとしたら、この「女王様と私」は、それに加えて「大人の若年精神化」をテーマとなっております。
随所に現れる真藤数馬の、やや危険とも思われる現実逃避癖と世間に対する無責任な思想。また来未が見せる、当たり前のような人権無視・軽視の思想
いやいや、これは重いテーマですね。

リアリティーという観点においても、どうしようもない事件ばかりが続くこの時代(現実)では、決して絵空事ではありません。
こういう時代(現実)だからこそ、読み手の心に何かが残る作品となっています。

12歳の女王様「来未(クルミ)」は、「未来」を逆にした文字配列であり、このあたりにも著者の何かしらのメッセージがあるのでしょうか?

PS1:
本表紙裏・裏表紙裏に書かれた物語も、読了後に読むと「なるほど」と唸らせるようなのですが、なんせ図書館で借りており、ぴっちりカバーがされているため、読めません。
ので、申し訳ないな~と思いつつ、ちょっと本屋まで行って読んで見ました。
・・・なるほど、こういうことですね。これは唸る。

PS2:
各章のタイトルも、読了後のお楽しみとして、読んでいる最中はあまり意識されないことをオススメします。

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